書籍・雑誌

2023年10月12日 (木)

「V字回復の経営」から

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


ある人の勧めで読んだ本がある。

  「V字回復の経営」三枝匡著

このブログの右側の「てっちゃんのおすすめ」にも掲載した。最近は「月刊食品商業」をメインにお薦めに掲載していたが、久しぶりに単行本を掲載した。

  V字回復。

従来は絶頂期にあった企業が、いろいろな要因から低迷を極める。しかしそこからあるきっかけによってV字の如くに業績(売上)を回復させていく。

  不振企業からすると夢のような実話。

しかし、この本に書かれている内容はほぼほぼ実話であるという。そして久しぶりにこの内容に、今自分が関わっている業務と連動して参考になる部分が多かった。

  “もしかしれこれコンサルの教科書?”

そう思えるような内容である。特に組織内の幹部やトップに方以上に、我々のような外部からその組織の活性化を要望されるような方に大いに参考になるような内容ではないだろうかと思う。

  それだけ内部に人間だけでは難しい業務かもしれない。

その組織に長年従事し、そこで培われたDNAを以ってその組織内で成長してきた人間にとってみれば、そのDNAを捨てて新たな枠組みで今の組織を作り変えることが求めらえる「改革」という業務に、どこまで踏み込めるかが課題であろう。

  この本は物語風に進められている。

よって、考え方のフォーマットや順序、進め方等をマニュアル的に纏められてはいない。

  極力現場での実践体験風に進められている。

だから非常に現場感を感じ、共感してしまうのである。そしてその物語の合間に、筆者の考え方が随時含められているようなまとめ方である。だから尚更、物語を読み進めていく中で、重要な部分に筆者の注意書きが入り込み、なるほどと思えるのである。

  「創って、作って、売る」

この物語に登場する重要なフレーズである。従来は「開発~製造~販売」が、大きな縦割り組織の中で、開発部門、製造部門、販売部門と縦割りで分断されていた。よって末端の社員は現場での取引先とのコンタクトに対しての課題を、自らの組織の上層部に挙げるのに、

  自分→課長→部長→社長

これだけの壁が存在した。それを、「創って、作って、売る」という連鎖を商品特性毎に分割して、横割りの組織に作り替えるという大改革を行い、そこからスモールチーム化された組織で、創って作って売る、を組織内の全従業員が把握できるマネジメントに変えていった。

  そこから末端の従業員の意識と行動が変わった。

そのようなストーリーである。
これを我々小売業で考察しみると、

  創って作って売る
    ⇩
  創って作って造る

こんな風に解釈しなおしてみたのである。

  創る → 顧客を創る
  作る → 売上を作る
  造る → 利益を造る

店舗という現場は上記のような構図ではないだろうか。確かに現場は「売る」ことが最重要課題だと思われがちだが、誰に売るのかという大前提が無ければ商売は存在しない。

  我々の顧客を創造すること。

そこから始まるのであり、その最前線にいるのが現場の店舗なのである。

  そして来店された顧客に売れる売場を作ること。

要は、売場での販売力である。

  最後は、結果としての利益を造る。

売れたら利益が付いてくる時代ではない。如何に売れることを利益と連動させられるか。

  そこには競争も存在する。

だからこそ、競争に勝つ抜きながら利益を造らなければならない。

  そんな連想をさせてくれた一冊である。

「V字回復の経営」三枝匡著。
V





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研修会やコンサル等のご相談を無料にて承っております。
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食品商業11月号が発売されました。
202311
当方の執筆は以下の通りです。

1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
    一時限目 ~ ファイブマネジメント
    二時限目 ~ 52週MDマネジメント

2.「POP大賞」における優秀賞作品等へのコメント

今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。




PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。

  「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから


競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 

52週MDマネジメント(10月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
  
  52週MDマネジメント(10月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメント(9月編)ダイジェストの視聴はこちら


AJSオール日本スーパーマーケット協会主催「第12期店長塾」(2023年9月13日~14日にて講演を行いました。
 
 昨年に引き続き、第12期店長塾の第三回目の講師を担当
  講演テーマ「組織マネジメントにおけるストアコンセプトの効果と実践」
  *今年は組織マネジメントの根幹を為す「ストアコンセプト」の重要性を学び、
        自店におけるストアコンセプトの作成と実践手法を学び、店舗として52週MD
        のPDCAを回すことをテーマとして研修を実施


農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。

基調講演の内容
 ①ファイブマネジメントの概略
 ②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
 ③競合対策としての顧客の五感の実践
 ④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。


AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。

40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表


農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
   一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
   二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
   三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
   四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義


イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。





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2022年3月11日 (金)

食品商業4月号の案内

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


食品商業4月号が発売された。

  今月号も興味ある記事が満載である。

特に今月号の「注目レポート」と題して特集が組まれている内容。

  「スーパーやまのぶ四郷店」の取組みの記事。

地域一番店になるための店長の奮闘記のような内容であり、現場の泥臭さと大手SMを迎え撃つ具体的な競合対策の内容が盛り込まれている。
特に地方スーパーにおいては、大手SMの新規出店に晒される機会は今後も増えていくであろう。そんな地方スーパーへの応援歌として、取締役営業本部長兼店長の本田氏が自店で取り組んだ具体的な内容を惜しげもなく公開してくれているのである。

  本田氏曰く

「自分もこれまで、いろいろと悩みながらやってきました。今の自分があるのは、これまでに出会った他のSMや取引先を含めた皆さんとのつながりのおかげです。その中で自分もヒントを得て、戦って、なんとか生き残ってこられました。その恩返しをしたいとずっと思っています。」

「今回の記事を読んで、『あっ、そういう考え方があるのか』と気付いたり、ご自身の商売を見直すきっかけになるような、そんなお役に立てれば幸いです。」

「全国でローカルSMの吸収合併が進んでいます。大手さんや大手さんでやっていってもらえればいいのですが、私たちぐらいの中小のローカルSMが、やっぱり生き残ってほしいと思っているんです。」

今回彼が、食品商業の掲載されている内容の競合対策の実践は、競合店が出店する以前から地域一番店を目指し、その為に地域のお客様の来店動機をどう高めていくかという視点で実践してきた内容となる。

  よって具体的であり実践的な内容が盛りだくさんである。

それを競合各社も同様に読んでいるにも関わらずに、敢えて食品商号に公開しているということは、前述した通り、全国の中小ローカルSMへの応援歌として、なんとか力になりたいという想いからであろう。

  彼が四郷店をオープンさせたのは2016年10月。

私が前職で新店をオープンさせたのは2016年7月。

  ほぼ同時期にお互いの新店をオープンさせている。

ということは、彼も四郷店をほぼ5年間運営してきたことになる。
新店オープンをさせて、地域一番店に育て上げていく過程を従業員の採用段階から関わり、彼ら彼女らの成長と合わせて店舗の店長としてのリーダーシップを発揮させながら、地域一番店への道筋を共に共有してこれたことは、彼にとってはある意味ラッキーだったとは言え、それを有言実行させ、結果として地域のお客様の大きな支持を得て現在に至ったのは彼の確固たる信念に他ならない。

  地域一番店。

どこの企業も自社や自店をそのように例えて成長しようとする。

  しかし唱えるだけでは現場は動けない。

“だから、何をどうするのか”

  それをリーダーが明確に示して自ら率先して実践しつつ共有すること。

これも、言うが易しであるが、実践し続けるという持続力が明暗を分けるのである。

  そこに5年間の店長としての在籍が大きく影響してくるのである。

そして彼は、その確固たる数値的な安定性を得た段階で、ようやくその席を後の人材に引き渡すという選択をした。

  それが5年間の店長在籍の理由であろう。

是非、全国の中小SMの方々には必読してほしい内容である。

その他では、52週コトPOP(4月編)が相変わらず参考になる。

  データをダウンロードして使えるのも現場担当者には嬉しいことだ。

監修は山口茂先生が担当されているが、実際にコトPOPを作成しているのは「前田りか」さん。

  彼女の手書きのコトPOPはピカ一である。

特に、お客様の立場、目線から商品を見た時の食卓のへの連動が顧客の共感を呼ぶのであろう。
今月発売の4月号であれば、パインの美味しい見分け方などはお客様に商品を選ぶ楽しさを与えてくれるし、旬の真鯛と新玉葱のカルパッチョソース和えの提案も現場の旬の関連販売としても有効であろう。

当方のファイブマネジメントは、いよいよ商品マネジメントに入ってきた。

  店長自身が商品に惚れるという訓練。

それがなければ、商品を売り込むという行為に至らないし、その後の結果も付いてこない。
商品マネジメントとしての前提を今回の号では記載しているのである。

  是非、ご購読を。



食品商業4月号が発売されました。 

 4
当方の執筆は以下の通りです。
「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
  一時限目 ~ ファイブマネジメント
  二時限目 ~ 52週MDマネジメント

お楽しみください。

  

PS
3月9日(水)開催の「52週MDセミナー」の一部を公開致します。
 以下のような内容で毎回翌月のMDセミナーを開催しております。
 次回は4月6日(水)を予定。近日中に申し込みURLを公開予定。

 動画で見る「52週MDセミナー3月編」
  ①52週MDセミナー4月編(4月をデータで確認)
  ②52週MDセミナー4月編(4月の週別概況説明)
  ③52週MDセミナー4月編(4月の週別写真説明)

1月21日(金)開催の「データマネジメントセミナー」の一部を公開致します。
 以下のような内容で計3回にてデータ活用のセミナーを開催しております。
 次回はこの記事の下位にも記載しましたが、3月25日(金)開催予定。

 動画で見る「データ活用セミナー第1回目」
  ①データ活用セミナー1回目(客数データの活用)
  ②データ活用セミナー1回目(具体的写真説明)
 
是非、動画(YouTube)をご覧頂き、次回以降のセミナーから学んで頂ければと思います。
よろしくお願い致します。


今後開催のセミナーのご案内。

①データマネジメントセミナー(第3回目)

2022325

日時:2022年3月25日(金) 13:00~15:00
定員:30名
対象者:地域に密着した店舗を目指す小売業のご担当者様
店舗運営部長、バイヤー、SVなど店長を育成指導する方全般
参加料:法人30,000円(30名まで) 個人10,000円(1名まで)
参加方法:オンラインセミナー(Zoomにて開催) ※後日アーカイブ配信あり

データマネジメントセミナーの申し込みはこちら

*全セミナースケジュールはこちらでご確認を

 

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2019年3月15日 (金)

POPの効果検証

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


このブログでもリンクを貼らして頂いている、コトPOPの山口先生の新刊本が発売された。

  「コトPOPの効果検証」。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4785505486/tetu0358-22

「コトPOPを書いたら、あっ、売れちゃった!」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4785504846/tetu0358-22

「POP1年生」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4785505192/tetu0358-22

「POPの教科書」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799106538/tetu0358-22

に続く、先生の第4弾である。

  今回のテーマは効果検証。

おそらく、経営層や店長層から捉えたコトPOPは効果もあるがそれ以前に、そこに人材を投入しての見返りとしての効果が見えないが故に、コトPOPを正式に導入できないといった環境もあったであろう。

今回はそんな不安も山口先生に寄せられていたのであろう。
そんな不安に応えて、コトPOPの効果を実際に数値に表して、コトPOPを付ける前と付けた後での数値の変化を追って一つ一つのPOPの効果を表示している点が大きなポイントとなっている。

通常であれば、コトPOPとは商品を売り込む場面において、色々な販売促進を駆使して商品を目立たせ、お客様が購入した場合のメリット等を告知してお客様が購入して使用したいという購入欲を喚起させる為に取り付ける媒体の一種である。

  よってコトPOPだけの効果を測定するということは無い。

そして、コトPOPを取り付けるということは、それ以前にその商品に対しての想い入れが入り心からその商品に惚れ込み、そしてお客様にもその商品の良さを共感してほしいという強い願いがあり、そこからその商品を如何にお客様に提案するかという具体策の中の一環としてコトPOPが登場するのである。

よって、いろいろな要因の中の一具体策であり、全ての要因が起因してその商品の販売数量が飛躍的に高まるのである。

しかし、今回のこの本に登場するコトPOPは、取り付け後前と取り付け後の売り場は何も変えずに単にコトPOPだけを取り付けただけの変更点ということであるから、純粋にコトPOPだけの効果検証であることが特筆であろう。

  コトPOPだけの効果検証。

まさにその通りである。
そして、その効果の特筆ぞろいである。

  取り付け後の伸びが2倍3倍は当たり前。

中には2000%以上の伸びの単品もあるほどである。
登場する販売事例の中には、この業界でも有名な「トマト店長」のお店の事例もあり、我々が普段から取り扱っている商品も見受けられる為、そのままパクって使おうと思えば使えてしまうのである(笑)。

これらのコトを見るだけでも商品知識が得られるものばかり。

  “よくこれだけの事例と効果検証ができたなぁ〜”

そう感心させられるのである。

  それは、当然に山口先生の人柄であろうか。

中でも私が参考にしたいのは、売場にたどり着くまでに地面から貼り付けたコトPOPに導かれるように商品にたどり着き、そこで初めて商品への紹介をしている事例であった。

  客導線をもコントロールするコトPOP。

店長としては、このような事例も多いに参考にしたい考え方である。

  初版早々の「重版出来」。

前回の「POPの教科書」も同様の重版出来だったと思う。

  今回はその事例から多いに参考にしたいものだ。








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2018年4月 8日 (日)

芹沢家殺人事件

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


今日は日曜日。

  芸能ネタの日(笑)。

今日は芸能ネタというよりも、漫画の話題を。

  ゴルゴ13。

知る人ぞ知るロングランは漫画である。

私が学生時代から存在するスナイパーを題材にした漫画である。
そして、途中途中で今までの人気エピソードを特集した別冊が何冊も出版されているのである。

芹沢家殺人事件。

  この言葉を聞いてピンとくる方は相当なマニアであろう。

そう、ゴルゴ13の一つの一つのエピソードです。
先日、セブンイレブンに寄ったら、ゴルゴ13のミステリーオムニバスとやらが発売されていた。

  価格を見ると8話で787円(税抜き)。

1話あたり約100円。

  安い!。

もっとも、過去のアンコール版なので以前に発売されたエピソードで好評であったものを集めて編集したものであるが、逆に言えば人気のものを集中して再び読めるのは嬉しいことである。

  “よし!、買いだ!”

ゴルゴ13を購入するのは何年ぶりだろう。
以前にもベスト盤を購入した記憶があるが、定かではない。
そして中のエピソードを見ると「芹沢家殺人事件」が収まっていた。

  ゴルゴ13出生の秘密に迫るエピソード。

出生の秘密に迫るエピソードはその他いくつか存在するが、「芹沢家殺人事件」はその中でもマニアの間では最高傑作だと評されているのだ。

私もこのエピソードを読んだのは学生時代だと思うが、150ページにも及ぶロングランであるが、一気に読み終えるほどに続々しながら読み終えた記憶がある。

  再び、そのエピソードを読んでみた。

そこで描かれているのは、芹沢家で起きた殺人事件を発端として、そこに携わる刑事の人生をも狂わせるほどの謎めいた事件を追い続けたエピソードである。

  ゴルゴ13は一話一話が完結の物語である。

しかし、なぜにゴルゴ13はこれほどまでに長い期間愛されてきたのか。

  特に男性には人気のようだ(笑)。

ゴルゴ13という人間に男としての憧れが凝縮しているのだろう。

  沈着冷静で機械のように感情に左右されない人間。

特に精神面でブレない強さが、我々男性のある意味理想の姿であると言える。

  “あんな精神面の強さを持ちたい”

仕事上でのトラブルを抱えた時にいつも思った。
それほど、常にブレないスナイパーとしての精神の強さ。

  “どんな時でもあの強さを身に付けたい”

そう思いながら毎回発売されるエピソードを読み、更に傾倒していったものだ。
そんな血も涙も無いゴルゴ13ではあるが、時折見せる深い「情」を感じる場面が、更に我々を引きつけていくのだろう。

  まだ読まれていない方は是非読んで欲しいものです。

その強さと割り切りとツッコミに大いに助けられたものでした(笑)。






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2017年11月 4日 (土)

POPの教科書

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


売場で商品を紹介する媒体。

  コトPOP。

この業界で仕事をしていれば、商品の品名や売価を伝える「モノPOP」に対して、商品の価値や効果、そしてその商品の良さを伝えたい販売員の分身としての「コトPOP」の存在を知らない人はいないだろう。

そしてその「コトPOP」の教科書が書籍として発売された。

「コトPOPの教科書」。 
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799106538/tetu0358-22
 
  著者は山口茂先生。コトPOPの第一人者。

以前にも、このブログで山口先生の著書を紹介させていただいた。

「コトPOPの本」
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/pop-786a.html

そして「POP1年生から」
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2017/05/pop-2ad1.html

  今回が三作目の本となる。

第一作目の「コトPOPを書いたら、あっ!売れちゃった」は、まさにコトPOPとはなんぞやというテーマであったような気がする。

  コトPOPはもう一人の販売員。

このフレーズが強烈に印象に残っている(笑)。
スーパーの内部の作業に追われて、いつも売場で販売に携わるマネキンさんと違い、従業員は常に商品の品出しや発注に追われ、売場に立つ時間はほとんどないと思った方が良い。

  それでもこの商品の良さを伝えたい。

そんな販売員の想いを載せたPOPをコトPOPという。
そんなテーマで、コトPOPとはなんぞや、というところから入り込めた本であったと記憶する。

二作目の「POP一年生」は、なんとPOP教室の生徒さんのコトPOPを習得して絶大な効果を発揮できるコトPOPerに成長するまでの過程を本人の言葉と説明で案内した本であった。

  生徒さんの言葉で導入しやすい設定でもあった。

しかし、ページ数は280ページにも及ぶ。
POP一年生とは言え、その内容は濃く、いろいろな場面で参考になる本であり、どんな業界の方でも具体的に利用できる内容であったと思う。

そして今回の「POPの教科書」。
基本的には山口先生のコトPOPの基本的なイロハが左側で説明され右側で具体的にPOPを使って説明している点がわかりやすい。

そして、今回は食品スーパーで勤務されている方のコトPOPを多数引用されている点が、食品スーパーで勤務する方を対象に書いているこのブログの読者の方にも非常に身近なPOPとして活用できるのではないだろうか。

第二作の「POP一年生」の登場された方も、今回の「POPの教科書」に登場された方も、「てっちゃん会」の仲間である。

だからてっちゃん会に登場するコトPOPのレベルは非常に高い(笑)。
今回の第三作に登場する方は、15幕の勉強会に参加されており他のメンバーの方とも親しい間柄である。

そんな彼女らを活かして輝かせるのが山口先生でもある。

  「楽しくなきゃスーパーじゃない」

今回の本の巻頭に登場するコトPOP。
まさに、これは我々食品スーパーで働く従業員を元気にしてくれる本ではないか。

そして、売場でもう一人の従業員としての役割を果たすことになる「コトPOP」に命を吹き込めるコトPOPerこそが、自ら輝きを発揮できる従業員として成長していくことができるのだろうと思う。

今回の本の中には、ダンボールを使用したコトPOPも紹介されており、私的には非常に興味を注がれる媒体であった。

  ダンボールを使用したPOP。

市場感の強いスーパーでは今でもダンボールに黒のマジックで商品と価格を書いているところもある。

  これが安さ感や市場感の演出になれば。

高質化してきたスーパーの外装、内装であるが、青果部門だけは市場感を大切にしていきたいと思っている。

  





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2017年5月11日 (木)

「POP1年生」から

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


本日発売の書籍。

  「POP1年生」。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4785505192/tetu0358-22

山口茂先生の本格的なPOP作成の為の本である。

  そして、5月11日、本日が発売日。

2年前に発売された「コトPOP書いたら、あれっ、売れちゃった!」の本はページ数も今回ほどではなく手軽な本であったが、今回の本はずっしり重い。

  “これは山口先生の想いの重さか(笑)”

オールカラーで見やすく、そして紙質にも拘った出版といえるだろう。
本日発売ではあるが、実は山口先生から発売前に製本を送付していただいた。

  本当に感謝である。

山口先生とは数回お会いしており、その人柄や考え方、そして売場や店舗を見る目も素晴らしいものがある。

  当然、人を見る目も鋭いのだろうなぁ〜と思っている(笑)。

知る人ぞ知る「ラーメン通」でもあり、ご当地ラーメン店で知らないお店は無いと思えるほど食べ歩きをされているのだろうが、最近のFacebookを見るとめっきりラーメン食べ歩きの場面がアップされていないのは、多忙を極めるからなのであろう。

そんな山口先生を一度当地のラーメン屋にお連れしたことがあった。

  上河内「ラーメンみうら」。

白河ラーメンに学んだその醤油ラーメンは個人的には一番大好きなラーメン店である。

せっかくのラーメン通であるから、是非ともと思いお連れしたのだが、以降、「醤油の東の横綱」と評して頂いているのは嬉しい限りである。

そんな気さくな山口先生が力を入れたと言うだけあって、その内容は

  POPの考え方。
  POPの伝え方。
  POPの作り方。
  POP2年生へ。

そんな段階を追って、まとめられていた。
更に、その流れであるが、本当にPOPの世界に入り込んだPOP書きの一年生が次のステージの二年生に昇級していくステップをその本人の主観から表示されまとめられているというスタイル。

  自分じゃない生徒さんが主役。

私は、そこに山口先生らしさを強く感じたのである。

  “そこが山口先生なんだよなぁ〜(笑)”

だから、「コトPOP」の世界に入り込んだ人達を大いに魅了するのであろう。
Facebookてっちゃん会のアップにも、山口先生から学んだメンバー達や既にコトPOPの達人達が数多く商品紹介や売場紹介の売場やコトPOPが数多く日々アップされている。

  “このPOPは凄い!”

他のメンバー達を驚愕させるほどのコトPOPを作られる方がどんどん増えているのも、いろいろな機会を利用して商品の良さを知って欲しい、購入して喜んで欲しいと願う想いの強さなのであろう。

  一応私も筆POPを書いて商品紹介をしている(笑)。

私の場合は、単品量販する商品、特に自分が想い入れを持って大量に単品を売り込む時には必ず筆POPを書いて商品の良さや美味しさ、希少性をお客様にコメントして売り場に設置する。

  常に自分がそこに立てない代役を筆POPが果たしてくれる。

要は、そこを通ったお客様はその汚い(笑)筆POPを見て、“何か汚い筆がきが書いてあるぞ?”と立ち止まってもらうことが最大の目的である。

  立ち止まってもらえたらこちらのもの。

じっくり読んでもらって、商品を手にしてもらって、そこに書いてある美味しいグレープフルーツの見分け方を見てもらって、自分で選別する楽しみ、それを食べる楽しみ、そしてまた次に美味しいものを見つけてみようとするリピートの楽しみも含めて書き込んだ筆POPが、お客様と我々との架け橋になって欲しいとの願いが込められている。

  「商品の良さを伝えたい」

それが伝わり、お客様の購買行動を変え、結果として家族の食卓にそんな会話が実り、豊かなひと時を持ってもらえる商売の醍醐味。

  これが我々の喜びである。

その一助となる「コトPOP」。

  この本は全ての商売人が対象となろう。

難しい商売の哲学ではなく、現場で必要とされる具体的な販売技術。
そして、単に商品を並べるだけでなく、お客様に喜んでいただける情報を手作り感たっぷりに作成してお客様の目を引く手書きのPOP。

  これは女性のパートさんでも作成できるコト。

むしろ、その楽しみでこの業界にはまっている方も多いだろう。
そして、そんな方に書いてもらった「コトPOPが、自分の部門の商品動向を大きく左右させてくれるという関係。

  これによって店内のチームワークが強化されていく。

コトPOP一つから、組織が強くなっていく。
そんな道具が、山口先生から発信されたのである。

  よろしくお願い致します(笑)。







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2016年2月13日 (土)

自分との対話

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


最近読んだ本。

  田坂広志著書 「仕事の技法」 講談社

正確には、現在読んでいる最中ではあるが(笑)。

田坂さんの本はこれまでもたくさん読んできた。
現場で仕事をしている人間にとって田坂さんの著書は非常にわかりやすい。

  特に、現場のリーダーにとっては何よりのバイブルである。

そして今回のテーマは、「言葉以外のメッセージ」。

  この世は人間社会。

この人間社会で、人はまったくの一人では生きてはいけない。
必ず、どこかで、他人と関わりながら自分も生きていく。

  ほとんどの人間はこのような原理でこの世を生きていく。

そして、人間社会の中で学校で学び、社会に出て仕事に就き、組織の中でリーダーとなりながら家族を持ち子供を育てながら老いていく。

  生まれた時から人と関わりながら生きていく。

そのような環境の中で、他者との関りを現在は言葉というツールでほとんど通じてしまうのであるが、それは氷山の一角であり、自分と他人との関りは言葉以外のメッセージや表現で自分の内面や相手の心理を読みながら組織の中で自分の存在を維持していくのである。

  言葉以外のメッセージを理解しない限り生きていけない。

極端な話、このような世界がこの世の実態であり、特に日本人は、言葉以外のメッセージを大切にする人種である。

そんな環境を踏まえて、この本は、田坂氏が企業の組織人として学んできた言葉以外のメッセージを如何に理解して自分のコミュニーケーションに役立ていくかが記載されている。

  特に、営業面の事例が数多く記載されている。

よって、場面想定がしやすく、その状況を自分で想定することができるからわかりやすい。

  そこで著者が強調するのは「振り返り」。

その日の会議やプレゼン、営業面での場面を、その後の早い時間で振り返り反省すること。

  自分一人だけではなく出席者全員で振り返ること。

そこで大切なのは、自分たちのプレゼンの出来栄えや自分の発言ではなく、相手の出席者の表情や言葉、その強弱を最初から最後まで振り返り、周囲の人間達の深層心理を憶測することである。

  それを全員で思う所を全て出していくことである。

そのことで自分が見落とした周囲の表情や行動が時系列で明らかになる。
そして、その周囲の行動や言葉の裏に隠された相手の深層心理を推測するのである。

  “あの言葉の裏側には何が隠されているのか?”
  “あの好意的な表情の裏に隠れているものは?”
  “あの二人の会話に隠されているものは何か?”

等々の時系列での場面を議題のテーブルに乗せて、その一つ一つの相手の心理を皆で推測してみる。

当初は、何も出てこなくても、この行為を繰り返すことにより徐々に、時系列の中でもストーリーが見えてくるという。

  “これは使えるな(笑)”

率直にそう思った。
ほとんどの方がそうだと思うが、会議は重要なプレゼンの後に自分のチームでこのような振り返りをしたり反省をしたりはなかった。

  特に、周囲の人間達の心理面についての深層心理の探求は無かった。

この訓練は非常に重要だし、我々小売業に携わる人間達にとってはお客様との会話はあっても同業者同士の会話や取引先を相手にした会話でこのような訓練は無かった。

小売業に囚われずに、人間としての生き方に活かせるであろうと思うのである。





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2015年8月 6日 (木)

新たなバイブル

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


私の心のバイブル。

  田坂広志さんの「なぜ、我々はマネジメントの道を歩むのか」

http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-094d.html

そして、その田坂広志さんが、新著を出した。

  「人生で起こること すべて良きこと」 PHP研究所。

表題を見ただけで、伝わる重み。
この本を読み始めて、まず頭に衝撃が走るのは、比較的書き出しの部分で出現する、ある言葉。

誰も、大声では語らない「人生の真実」と題して、

  人生において「成功」は約束されていない。

どんなに努力したところで、結局、失敗に終わる場面は多々ある、ということだ。

  この言葉に、私は衝撃を受けた。

それは、そんな後ろ向きな事をいうべきでは無いという憤りでは無い。

  “それは密かに恐れていた真実ではないか”

という事だ。
それは、学生時代にボートを漕いでいた時から抱いていた疑念。

  努力しても報われない結果に嘆いていた時代でもある。

そして、それで後輩と飲みながら議論した思い出も蘇った。

  「いくら努力しても報われない時もある。」

    「それを言ったらおわりじゃないですかぁ〜!。」

  「しかし、努力しなければ可能性もゼロのままだ。」

厳しい言葉を発する私に、後輩が食ってかかる。
しかし、そうは言っても、それは当時から思っていた私なりの真実だった。
そして、その後の言葉で濁してきたのが、今までの人生でもあった。

  努力しなければ、一分の可能性すらなくなる。

しかし、あくまでもそれは結果を見据えた場合の考えかたである。
今回、この著書は私に明快な答えを与えてくれた。

  人生において「成功」は約束されていない。

それに続く言葉として、

  しかし、人生において「成長」は約束されている。

この言葉を聞いて、正直、涙が出てきた。

  “いままで悩んでいた答えにようやく出会えた”

人生、結果が全てではない。
特に、一時の失敗は不成功は、長い道のりの人生においては成功のきっかけや前提であることも多い。

その観点から言うと、努力は目先の結果で見た場合は成功に結びつかなくても、そのことによって自分の成長を必ず促し、その失敗とそれによる成長の継続から、いずれ大成する前提となるという見解。

冒頭から、そんな衝撃的な「努力」に対する認識と見解。
そして、人生において起こる「不幸」、嫌な人との出会い。

  如何にして、その壁を乗り越えるか。

そこには、自分の心の持ちようが記載されている。
そこには、自分の素直な気持ちを、包み隠さずに自分の意識上に表し、それに対して正対する覚悟の大切さを説く。

  要は、逃げない、という心の持ちよう。

だから、あっという間に読み終えた。
そして、最後の最後は、何故か涙が。

  “逆境を受け入れよう”

素直に、そう思える読後の感想でした。

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2015年7月23日 (木)

ビジョナリー・プロフェッショナル

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


本を読む。

  目的があるから、本を読む

知識を得たい、仕事に役立てたい、将来へ備えたい、考えを整理したい等々。

  直接的に自分の未来に役立てたいから本を読む。

先日、フェイスブック仲間の方から紹介された本を読んだ。

  山本真司著 「実力派たちの成長戦略」
  
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569824331/tetu0358-22

その方の紹介でも、

  「本書は、評論家が示す仕事論ではない。
   著者の実体験が為す、先にあげた読者層への応援歌である。」

とあった。
なにやら、難しそうな本かなぁ〜と思ったが、アマゾンで購入した。
翌日に送付されたので、早速読み始めた。

  “結構、話題が飛ぶかなぁ〜”

読み始め、そんな感想だった。
がしかし、読み込んでいくと、徐々にある気持ちの変化に気がついた。

  “はやく、アウトプットしたい”

要は、この本に買いてある内容の中の、「アウトプット志向」の考え方。
本を読む目的は、最終的には、インプットした内容を自分で噛み砕き、自分の体内で消化し、最終的には有効に行動して結果を導き出すことである。

  アウトプット志向。

このことを強く勧める本であることだ。

  「ミドル世代よ、行動しなければ始まりませんよ。」

そんなメッセージが強烈にインプットされた本である。

  “じゃぁ〜、何をアウトプッとするのか?”

それが、ビジョンである。
自分の企業や店舗が目指す「あるべき姿」。

  ミドルエイジに必要なのはビジョン創造力。

ビジョンを創造し、それに向かって自ら主体的に行動し、あるべき姿(ビジョン)に到達する。

  それがビジョナリー・リーダー。

我々ミドルがいつまでも中間管理職ではなく、ビジョナリー・リーダーとして企業や店舗のビジョンを創造し、自店のメンバーを巻き込んで目指す頂(いただき)に到達する姿勢。

  更に、自分の人生にもビジョンを持つことのススメ。

企業も店舗も個人も同様に、未来がある。

  自分の人生のビジョン。

それを 「まだ人気のないもの」×「好きなこと・やりたいこと」のキーワードで方向性を導く。

この方向に自分を導くことによって、明るい未来が開けてくる。

  自分の未来。
  人気のないもの。
  好きなこと・やりたいこと。

このような言葉を聞いていると、なんだかワクワクしてくるものだ。

  “自分の人生のビジョンを描いてみるか”

今回は、この本によって、自分の未来のビジョンを描いてみようと思うのであった。
このブログの「おすすめ」にも加わりましたのでご案内いたします。









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2015年6月10日 (水)

多重人格

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


てっちゃんのおすすめ本でも何冊化推薦している「田坂広志」さん。

  新たな新刊を出されました。

「人は誰もが『多重人格』」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334038565/tetu0358-22

田坂広志さんの著書では、何と言っても「なぜ我々はマネジメントの道を歩むのか」が忘れられない。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569692311/tetu0358-22

その本を読んだ感想もこのブログで記事にもした。
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-2bdd.html

  そして、今回は多重人格。

精神の病のことではない(笑)。

  誰もが持っている「複数の人格」のことである。

一人の人間が有する人格は、ひとつではない。
いろいろな面を持っているのである。

  それを抑圧するから多彩な才能が発揮されないのである。

その抑圧とは、いろいろな人格を無意識の中で否定してしまうこと。

  “俺は店長としてこうあるべきである”

この意識が強すぎると、本来有している多彩な人格を抑圧し、その人格から発揮される意識や行動も抑圧してしまい、結果として成長の伸びしろを失ってしまうデメリットを強めてしまうこととなる。

この本に出会って初めて意識が変わった。

  店長として、こうあるべきだ。
  チーフとして、こうあるべきだ。
  男として、こうあるべきだ。

等々の、あるべき論が自分を支配していたのは確か。
そして、そのあるべき姿から逸脱することを許さない。
特に、店長になりたての頃は、そのような意識が強かった。

  なぜか?。

店長としてのスタンス(立ち位置)がわからなかったから。
部下として、何人もの店長を見てきたつもりではあったが、いざ自分が店長になってみると、部下時代の苦い思い出をすっかり忘れて、今現在放り投げられた状況に必死にもがこうとする自分しかそこには見えなくなってしまう。

これは、どんな店長でも経験があるだろう。

  いま、自分は何者なんだろう。

そんな自問自答だ。
そして、この本は、明確にその回答をしてくれた。
それは、私にとっての受け取り方であって、読まれ方全てがそう思っていないかもしれない。

それはそれでいいのであろう。
それがこの本の意図するところであるだろうからだ。

  状況に合わせて、いろいろな人格を登場させればいい。

店舗が暗い時には道化師になり、数値的に危機的状況であれば科学者として状況を分析し、リーダーとして人の心を一つにまとめ、熱血漢として率先垂範し、父親として結果にこだわり、母親として相手をねぎらう。

  いろいろな人格を磨きながら状況に合わせて登場させる。

時には、部下の前で涙を見せることも大切だ。
そこで、組織は必ず一つになれるからだ。

  それが許される。

この本を読んで、そんな安心感を得たのである。

  リーダーになられた方に読んでほしい本である。






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