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2024年11月19日 (火)

入口の五感

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


昨日は「待ちの商売」を記した。

  今日はその続きとなる。

昨日も記したが、我々の小売業は「待ち」の商売であり、リアルな売場でリアルに来店されるお客様をリアルな商品陳列で、ひたすらお客様の来店を「待つ」という商売。

  そこに目的買いと衝動買いの存在。

目的を持って来店されても、リアルな売場とその陳列から、ついつい衝動買いをしてしまうもの。

  食べてみたい、作ってみたい、使ってみたい。

そんな感情がこみあげてきて、ついつい衝動買いをしてしまうのが人間なのである。そんな人間が、目的を持ってその店舗を選択しリアルに来店するための要素とは。

  顧客の五感からである。

当然、短期的にはチラシが入ったり、月間重点商品が存在したり、タイムサービスを期待したりというものもあるだろう。しかし基本的にはそのお店にリアルに陳列されている商品の購入が目的買いとなる。しかしその目的買いの商品購入以外にも毎日の食材の調達のためにどこかのお店を選択し来店しなければならいない。

  その時の選択基準が「顧客の五感」。

それは、季節感、安さ感、鮮度感、安定感、親近感、の五感であり、それは従来からこのブログでも何度か記してきた内容である。

  今日のテーマは「入口の五感」。

リアルに来店されたお客様が、入店直後の入口で、どんな五感を感じるかである。ここで感じる五感が豊富であればあるほど、そのお店への来店動機は高いと判断される。

  なぜなら五感が豊富なお店ほど来店動機が高いもの。

食品小売業がなぜ青果から始まるかと言えば、上記の五感が豊富だからである。

  果実の季節感
  野菜の安さ感

この二つの感度をお客様に感じて頂き、来店動機を高めて頂きたいがゆえに、青果部門を店舗入口に配置しているのである。

  ここにどれだけの五感を付加できるかどうか。

だからこそ、鮮度管理が重要となるのである。上記二つの感度に鮮度感が加われば、来店動機は益々高まるであろう。

  更に52週MDが加われば安定感が生まれる。

52週MDは季節感に位置づけされるが、52週MDが毎年安定して実践されれば、必ずお客様はこの時期にこのお店は必ずあの商品を売場に大陳してくれている、という信頼感が生まれ、それが「安定感」として認識されていくのである。

  店舗入口にそんな安定感が存在すれば、

来店動機は更に高まっていくであろう。

  そして最後の親近感。

入口で展開されている果実や野菜類。どの果実が今一番美味しいのか?、更にどれが美味しい味なのか?、今が旬の野菜をどんなメニューで調理すれば美味しいメニューとなるのか、そんな提案を従業員が教えてくれたり、コトPOPで提案してくれていたり。

  それが親近感へと連動していくのである。

結果として、店舗入口に五感が集約されることになると、この店舗への来店動機は絶対的なものとなる。

  入口はお店の「顔」。

それは、顧客の五感が揃うことで、絶対的な存在となっていくのである。





 

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時代は効率化の時代となり、生産性優先の時代へ急速に移行しようとしていますが、同時に差別化の時代へと益々二極化しています。そんな時代背景を踏まえて、相反する課題を解決できる人材育成として、この教科書を有効に活用して頂ければ幸いです。」

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コメント

街道近くのお店さん、コメントありがとうございます。

→お客様が『また買いたい!』『使ってみたら便利!』『買ったらみんなに自慢したい!紹介したい!』と思える商品にスポットを当てて

ここが重要ですよね。
衝動買いですから、確かに一時の購入でも可ですが、→の先のような戦略的な商品にスポットを当てることで、その後のリピーターが確実に増加し、それが未来の客数を増やしていき、目的買い化されていく。

このような戦略的な売場が1日の中でいくつ作られているのか、それを部門主任が意識しているのかどうか。ここが店舗力の要となっていくと思います。

投稿: てっちゃん | 2024年11月19日 (火) 14時58分

衝動買いに対して、お客様の満足度が必要と考えております。
お客様が『また買いたい!』『使ってみたら便利!』『買ったらみんなに自慢したい!紹介したい!』と思える商品にスポットを当てて売場に露出、コトPOPを取り付ける事で掛け算になり販売が倍以上になると確信しています。
そこには、値ごろ感、お買得感があり、また買えることが重要ではないかと思います。

投稿: 街道近くの店 | 2024年11月19日 (火) 14時47分

老害老兵殿、コメントありがとうございます。

人間とAIの対比、それは

 五感とデータの使い分け

かと思います。五感だけでも個々人によって異なるだろうし、それをAI活用によりデータかされて説得力が増していく。

やはりデータは使いこなすスタンスが重要でしょうか。

投稿: てっちゃん | 2024年11月19日 (火) 13時12分

AIや作業効率改善による無駄の削減は必要ですが無駄を単なる人件費削減を目的とすると自ずと売場がロボット化していく。ロボットに5感は有りますかね?だから余剰時間を徹底的に5感を磨く時間に使わなきゃいけないしそれがモチベーション向上に繋がるのでは無いですかね?それを肝に据えているトップがどれだけお見えなのかは甚だ疑問ですが(笑)。

投稿: 老害老兵 | 2024年11月19日 (火) 08時57分

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