数値化できない人間力
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
人間力。
いろいろな評価基準があるだろう。
それを数値化出来ればいいのであろうが、こればかりは数値化できない。
“人間力が数値化されたら努力しなくなるよ!”
確かにそうかもしれない(笑)。もし自分の人間力がテストの点数みたいに数値化されて、あいつは80だけどお俺は68だった、というような会話が当たり前になってしまったら、その数値にあわせた行動や努力しかしなくなっていくであろう。
「人間力は未知数がいいんだよ」
確かにそれは一理あるかもしれない。逆に敢えて数値化しようとしたら、過去の実績に依ることろが大きいであろうか。
昨年の店舗売上昨年比で数値化
先月の部門売上昨年比で数値化
今月の営業利益前年比で数値化
ポイントカード入会数で数値化
いろいろな業務上の実績で数値化することも可能であるが、それぞれの業績で数値化しようとする機運はこの業界には無い。それはむしろいいことではないだろうか。
業績と人間力は別物。
そんな認識が日本という国や小売業という業界においては見当たらないのは確かである。
なぜだろうか?
それは、人間自体が成長し続けるものであるからだろう。だから今の数値化が即人間力として評価しても、いずれまたその人間は成長し以前の人間力では比較できないほどに人間力を高め、組織を牽引する存在になっていることが多々あるからである。
“もし人間力が数値化出来たら?”
そう思うと逆に不安になっていく。
“そうなったら大手が独り占めするな”
数値化された人間力の高い人材を根こそぎ大手が引き込み、独り占めしてしまうのではないだろうか。特に転職組は大手が高い報酬で抱え込むだろうし、その逆もあり得るだろう。
高い人間力をウリにキャリアアップを図る人間も多くなる。
また、人間力の研究が盛んになり、人間力を高める為の企業内研修や、その為の器具備品を購入して現場にセッティングし、人間力を高める為に高いコストを払ってでもそんな人材を育成していこうとするであろう。
結局資本力のある企業が抱え込むことになる。
だからこそ、人間力とは数値化されずに、組織内で密かに磨き、密かに力を蓄え、密かに発揮して企業貢献していく。それを密かに企業幹部が評価し、密かに企業内で活かしていく。
これが理想の中小の人材活用法か(笑)。
そして、従業員側としては、その組織に属することで、やりがいという人間力を高める要素をどれだけ認識しているかである。
売る楽しさや売れる喜びをどれほど感じているのか。
それがやりがいに繋がり、人間力を高め、それが企業に還元されていく。たしかに大手にも中小にも人間力がたかそうだなぁ~と思える人材はたくさんいる。
それはその組織内で活かされているからである。
組織内で活かされている人材は、そこにやりがいを見出し、人生が豊かになり、報酬とは別に豊かな人生を歩んでいるのであろう。
中小の理想の姿であろうか。
著書出版のご案内
今回は、製本版(ペーパーバック版)とKindle版(電子書籍)の二つのタイプを出版している。
「勝てる!店長塾」ファイブマネジメント編の購入はこちら←
製本版はペーパーバックとなります。
以下に、Amazonに掲載されている紹介文を載せた。
「この書は、スーパーマーケットの次代を担う店長の仕事の教科書となります。
36年の食品スーパーマーケットの経験から、最後に店長として赴任した店舗での5年間で42勝3敗の実績を基にした、現場最前線のリーダーが地域一番店を作り上げる体系的な実務書であり教科書です。
時代はコロナ禍後、食品スーパーマーケット業界も新たなステージを迎え、大小問わずM&Aが頻発している。しかし、この業界で言い継がれてきているフレーズがあります。
「店長が変わると業績も変わる」。
そして、それはある意味事実でもあります。この実務書は長年の経験から導き出された店舗運営手法であり、店長が変われば必ず業績を改善出来る人材育成の教科書として執筆致しました。
時代は効率化の時代となり、生産性優先の時代へ急速に移行しようとしていますが、同時に差別化の時代へと益々二極化しています。そんな時代背景を踏まえて、相反する課題を解決できる人材育成として、この教科書を有効に活用して頂ければ幸いです。」
また、出版にあたり紹介動画を作成しましたので、ご視聴ください。
「勝てる!店長塾」ファイブマネジメント編の紹介動画←
是非、ご購読を検討してみては如何でしょうか。
食品商業11月号の発売案内
食品商業2024年11月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.連載「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
2.食品商業「POP大賞」
今回の総評や入選作品へのコメント等
3.無用オンラインセミナーのご案内
第7回無料セミナー ~11月5日(火)
上記日程にて、開催予定予定。前回同様に食品商業「勝てる!店長塾」のファイブマネジメントに執筆した内容を動画にてアップし、記事と動画を視聴した後で、そのテーマ+アルファの自由な意見交換会を予定。
*参加申し込みは食品商業の「勝てる!店長塾」の一時限目のファイブマネジメント内に案内しております。
ご確認の上セミナーの参加もご検討ください。
PS
食品商業10月号(9月8日発売)の当方の執筆記事、「勝てる!店長塾」の一時限目「ファイブマネジメント」の「販売力強化の4つの視点」を動画にまとめましたのでご覧ください。
↓動画はこちら
食品商業10月号「勝てる!店長塾」ファイブマネジメント「販売力強化の4つの視点」の動画
月別52週MD
52週MDマネジメント(12月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(11月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
研修会やコンサル等のご相談を無料にて承っております。
お気軽にお問合せください。
株式会社「てっちゃん塾」へのお問い合わせはこちらからお入りください。
株式会社「てっちゃん塾」のホームページはこちらからどうぞ↓
てっちゃん塾のコンサル活動紹介動画はこちらから←
イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
| 固定リンク
「モチベーション」カテゴリの記事
- 敗者にスポットを当てる(2024.11.16)
- 数値化できない人間力(2024.11.06)
- 本部からの解放(2024.10.17)
- 褒められ慣れ(2024.10.09)
- 褒めますおじさん(2024.09.23)
コメント
街道近くの店さん、初コメントありがとうございます。
街道とはどちらの道のことでしょうか。是非お伺いしたいところです(笑)。
でもいいこと言いますね。
是非、今度街道近くで一献したいものですね。
投稿: てっちゃん | 2024年11月 7日 (木) 11時44分
k,kさん、コメントありがとうございます。
忖度も一時の華。
長い人生の中で、その華の時がどれほどのものか。いずれ空しく散っていくのが世の常でしょうか。
投稿: てっちゃん | 2024年11月 7日 (木) 11時41分
老害老兵様、コメントありがとうございます。
数値化は肯定しますが、人間力と組織の計数は別物でしょうね。
よって当方もあまり数値化の詳細に分割して、それぞれの数値対策よりも、単純な計数をどう売場に転換して、現場の売場作りで現場のスタッフが行動し改善していけるかに、感心を絞り込むことが重要と考えております。
投稿: てっちゃん | 2024年11月 7日 (木) 11時35分
人は無駄な仕事をいっぱいすべき!が持論です。効率化はAIやロボットに任せて、どんどん無駄なことしましょうよ!無駄とはチャレンジ、そして失敗😣でも、失敗の痛みが経験知となりAIで想定できない、商売の嗅覚を得るのではないでしょうか?
最初にAIを巧みに使い仕事の標準を決め効率化(定数、定量化)をして、空いた時間にチャレンジ計画を立て実行し検証をする。このサイクルを52w繰り返し実行したらかなり成果が出ると思っています。
AIの活用次第では、商売の質が下がると感じています。
投稿: 街道近くの店 | 2024年11月 6日 (水) 22時39分
人間力を数値化してもしなくても忖度やゴマすり上手な人が重宝されるのがサラリーマン。絶対的な数値出しても可愛がられなければ変わった人。個性出すなら独立するか小規模店舗に行くべきです。お役所もやる気出しても意味がないと解って皆右向け右にならざるをえません。その中で上手くやるには人間力?水面下でのバタ足が大事なんでしょうねー 縁とタイミング。数値化はできません(^_^;)
投稿: k,k | 2024年11月 6日 (水) 21時57分
あら?人間数値化肯定派ではなかったのですか?(笑)。生産性を追求するには数値化による無駄の削減は大切ですよ。「お前は商品出しが1分あたり10個しか出せないべ?標準偏差から見ると偏差値45だべ」でもしっかりと日付管理、面合わせ、前だし、更には定番で売れてる商品のチェックやフェイスの拡縮小などの業務は目標基準に含まれてますかね?
数値化目標が多ければ多いほど頑丈なレールの上を規定速度で走る事が全て。完全自動化🟰ロボット化。そんな目標ばかりに振り回されればロボットだっていつかオーバーヒートや熱暴走起こしますよ(笑)。製造業が成功したカイゼンだからこそ今は製造ロボットがどんどん人間と変わって行っている。生産性を追求したらロボットが勝つに決まってるじゃないですか。ボヤかない無駄な動きをしない。現実スーパーでも配送センターはロボット化が進んでます。相手は荷物ですから文句は言わない(笑)。現場もお客様を「物」と捉えますか。
お客様との立ち話は禁止!その時間があれば商品出せ!さぞかし効率の良いお客様に支持される店になるのでしょうね(笑)。
だからこそローカルスーパーは蝙蝠になって頂きたいのが私の持論ですよ。
人間誰一人同じ人間は居ないのですから。
投稿: 老害老兵 | 2024年11月 6日 (水) 07時29分