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2024年10月26日 (土)

生産性改善のステップ

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


店舗としての利益改善。

  急務となってきている。

しかし、そう簡単に利益改善へと連動できる技術は無い。

  地道に基本と創造を積み重ねていく事。

それが企業や店舗の存在感を安定させていけるのである。とは言いながら地道に取り組むべき項目でもある。

  特に生産性の改善はどの企業でも取り組んでいる分野。

生産性の改善であるから、誰もが基本的には同じやり方、同じスピード、同じ出来栄えになるような仕組み化が第一ステップであろう。

  マニュアル、決め事、什器備品、人材の安定。

このような部分が安定しているからこそ、上記の作業の流れが標準化されていくのである。しかし設備やマニュアルが整備されていても、新店の場合は人員の割りには生産性はよくない。

  人材が育成されていないからである。

だから頭数は居ても一人一人の作業スピードが育成されていないのである。だから新店になればなるほど生産性は低い傾向にある。それが既存店となると、育成され作業し慣れた人員が多くなり、一日の中での必要人員がより少なくなっていく。

  一人一人の作業スピードが進化。

よって、そんな人員が揃えば揃うほど、生産性は改善され、お互いに協力し合える環境が整っていく。

  なんでもできるストア社員をより多く育成。

そんな店舗ほど、部門内での多能化により、毎日の部門運営に対して一人一人の貢献度が高まり、そこから自らの有能感を高め、そして一人一人が多能化により他者を助けて部門運営にあたれるようになるから、尚更部門内の風通しが良くなり、一致団結力が高まっていくのである。

  そうなると退職者が減少する。

退職者が減少するということは、高い生産性を維持し続けられることに繋がる。

  これが第二のステップと言える。

当初は、誰もが同じ作業をし同じスピードで完結できるという作業面の習得による生産性の改善。そしてそれと同時並行的に一人一人の多能化を進め、最終的に部門内でのフォロー体制が整い、それが一致団結心を生み、退職者が激減してその生産性の維持が図れるのである。

  そして究極のステージが部門を超えた多能化である。

第二のステージでは部門内での多能化であった。しかし第三のステージでは部門を超えた多能化の領域となる。

  レジから惣菜への定期的応援。
  惣菜からレジへの瞬間的応援。

そんな関係がいろいろな部門同士で実践され始めると、次に自分の能力開発にも繋がっていくのである。

  “レジなんだけどモノ作りって楽しい”
  “惣菜だけど自分は接客に向いている”

他部門を経験すると、意外に自分の仕事のやりがいをいろいろな部門で見出していけるのである。更にそこでの人間関係から、部門の壁を通り越して店舗内での親密な人間関係へと発展していくのである。

  ここまでくると退職者が激減するという。

それはそうだろう。自分の組織内での貢献度も高まり、それを知る仲間が増え、店舗として一致団結しながら生産性を向上させていける環境が整ったのであるから。

  こうなった時に「買場」が創造されるのである。

生産性改善の初期段階では、什器備品やマニュアルの設定とその徹底から「置場」作りが為されていた。それが部門内の多能化により日々の売場が安定し「売場」として認知されるようになる。そして店舗内での多能化により、それぞれの意見交換から「置場」のレベルへ売場が昇華していくのである。

  「置場」作り。

店舗内での人材の多能化を推進することで、そこから全従業員の多能化に進化し、それがいつしか自分たちで「買場」を創造し、実践し、継続していく組織が出来上がっていくのである。

  一つの改善策が結果として全てを網羅していく。

それがファイブマネジメントの理論であり、全てのマネジメントが絶妙に絡み合いながら進化して、「置場」から「売場」、そして究極の「買場」へと進化し続けていくのである。





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時代は効率化の時代となり、生産性優先の時代へ急速に移行しようとしていますが、同時に差別化の時代へと益々二極化しています。そんな時代背景を踏まえて、相反する課題を解決できる人材育成として、この教科書を有効に活用して頂ければ幸いです。」

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コメント

k,kさん、コメントありがとうございます。

楽しくやられてますね(笑)。

変に上が勝手に取り違えるよりも、そっと自由にやらしてもらっている方が楽しいのでは(笑)。

これは現場の人間だけが理解できる真実ですから。

投稿: てっちゃん | 2024年10月26日 (土) 07時58分

老害老兵様、コメントありがとうございます。

→人間無駄が有るから楽しい
確かにその通りですね。それは最終的には無駄ではなくモチベーションという生産性を高める意識へと繋がっていくもの。

生産性という数値を一つの目標にはしても、それは決して最終目的ではなく、あくまでも階段を登る一つの目安であり、最終目的はチーム力であり店舗力。

そんなスタンスで目標設定したいですね。

投稿: てっちゃん | 2024年10月26日 (土) 07時54分

うちの現場もグロサリー応援は当たり前です 更に効率上げたので私の日は午後一人で廻してます。余裕あれば時間作って送り出します。だからといってそれだけで終いにしたくない。。お互い様精神です。なので鮮魚が困った時は応援に来てくれねば困ります。ある意味貸しです笑 帰ってこないかもしれません。売上少ない店は朝決めてしまえば追加が少ないので朝に精一杯決めて追加部分の段取りもしてしまえば一人でもやれます。だからといって皆が出来る訳ではない。それを上はどう見るか? 数字落とさずにコンプラ守ればある程度やりたいようにやらせてもらってます(*^^*)

投稿: k,k | 2024年10月26日 (土) 07時11分

このような生産性向上の取組みこそ中小スーパー最大の武器だと思います。大手は組織の壁が多く頭では理解しても実行する勇気の有る管理者は希少ですから(笑)。当社でも私と波長の合った管理者、担当者は1割以下ですね。
大概は組織の壁を傘に動かない=楽な道を選ぶ。楽と楽しいは違うのですがね(笑)。
店舗はひとつの運命共同体。人間の力を最大限に発揮出来れば怖い物無しですし、管理者は高い志を持って頂きたい。
生産性も結果としての数値として評価指針にするなら多いに結構ですが目標と数値化するからおかしくなるのですよ。人間個性の塊です。強み弱みは必ず有ります。それを人時生産性なんて人間をはなから否定する目標数値設定するならロボット化して単純作業に徹すれば宜しい。
人間無駄が有るから楽しいのですから。
学校給食で時間内に食べられない子は劣ってますか?のろまですか?そのような尺度で仕事の質を図るスーパーが未だに多いから退職者が減らないのですよ。
老害全開コメントで失礼しました(笑)。

投稿: 老害老兵 | 2024年10月26日 (土) 06時10分

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