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2024年10月16日 (水)

苦手意識

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


先日は「惣菜への関心」を記した。

  今日はその続編となる。

惣菜への関心度が高まっている。そしてそれは店長としての意識の変化でもあろう。そして同様に、生鮮出身者の店長はグロサリーへの苦手意識を持つ方も多いようだ。

  私も当初はそうだった。

それも、昨日記したように部門特性が大きいのであろう。

  グロサリーの月別MD
  生鮮部門の時間帯MD

その時間軸での仕事の仕方の違いが、仕事に対する視点の違いとなっているのだと思う。

  そんな職人集団がグロサリー中心の視察を選択していた。

出身部門は、青果、鮮魚、精肉等々。

  ほぼほぼ製造部門である。

そんな連中が(私も含まれるが)、グロサリー部門を視察したらどうなるか。

  最初はさらっとグロサリーを見る(スルーする)。

しかし、時間が経過するにしたがって、彼らが立ち止まる売場は同じ生鮮の、特に鮮魚の刺身や切身といった製造カテゴリー、更には精肉部門の牛肉、豚肉の製造カテゴリーである。

  中には写真に収めるか方も。

その写真には豚肉のしゃぶしゃぶ用の単品の写真が納まっていた。気持ちはわかる。生鮮部門特に鮮魚精肉は単品の商品化に非常に興味を持つ。

  その商品化が売上を左右するからである。

特に守備範囲の狭い鮮魚や精肉部は売場全体と言うよりも、それぞれのカテゴリーに入り込み、そこでの商品化と縦割りでの陳列に全精力を注ぐのである。

  その商品とは時間帯MDによって常に売場にあるとは限らない。

だから、その瞬間の売場であり商品をじっくり視察するのである。それを参考に自店にどう活かすかを思考する。

  よって視察時間も大きく異なるのである。

鮮魚、精肉の商品化に時間を費やし、グロサリー系は店内一周してその流れと雰囲気を掴んで終わり(笑)。

  あれだけ広いグロサリー売場なのに短時間で終了。

逆に狭い部門(鮮魚精肉)に長い時間居座り、単品の商品化やそのカテゴリーの縦割りでの陳列を凝視する。

  それが職人集団の心理である。

とは言いながら、グロサリーの売上ウェイトは店舗全体の約半分。よってそこへの視点を自分なりに習得する必要はあるだろう。

  “グロサリーは本部提案通りに”

グロサリーの9割は本部提案で業績も決まる。

  しかし残り1割は店舗次第。

残り1割と言っても、10%の業績格差は大きい。

  そして今生鮮視点でのグロサリー対応が課題となる。

それは、上位10単品での部門売上ウェイトを高めることで、その10単品で部門の業績(昨年対比)を底上げすることが報告されているのである。

  “上位10単品だけでいいの?”

それが事実である。上位10単品の売上構成比を高めることで、その点数拡大が部門売上を大きく底上げし、結果として部門の売上昨年比を押し上げている。

  9割は定番売場の安定感。

しかし、残り10%は店舗での単品量販力で左右され、その結果、業績(売上昨年対比)好調店舗は、こぞって上位10単品での売上構成比が、全社平均値よりも拡大しているのである。

  単品量販力。

是非、自店の上位10単品を認識してほしいと思う。





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コメント

年金生活者さん、初コメントありがとうございます。

店長がグロサリー兼務、という企業。
それも大きな組織がそのような組織運営をしているのですから、学ぶ部分は多いのではないでしょうか。

生鮮出身者でも店長兼グロサリーの店舗運営は店内活性に貢献出来ますね。

店長が全て生鮮出身で、店長就任と同時にグロサリー兼務となる。それも一つの生鮮食品SMのフォーマットになるのではと思います。

今後とも、よろしくお願い致します。

投稿: てっちゃん | 2024年10月18日 (金) 09時10分

k,kさん、コメントありがとうございます。

→ぐっと我慢です(ToT)
あらら、ぐっと我慢ですか、それは辛い。辛い仕事を続けるのは忍耐ですね。

本来、この業界は一人一人が自分の意志で商売が出来るから「売る楽しさ」「売れる喜び」を享受でき、それがやりがい、そして生きがいとなって更に前進できるのが特性。

組織毎にその仕組みが異なり、末端の現場が辛いのは組織の今後の永続に黄信号を感じます。

そんな組織内で、どんな楽しさを見出すか。k,kさんは部下育成に楽しさを見出そうとしているのがよくわかりますよ。

投稿: てっちゃん | 2024年10月18日 (金) 09時06分

はじめまして。
スーパー業界を定年退職した者です。
本日はグロサリーについてコメントを。
私も青果出身から店長になりました。
グロサリーを含めその他の部門は全くの素人。
てっちゃんのご指摘通り生鮮、特に惣菜は時間帯MD。生鮮は回転が早いですから真剣に入り込むと365日朝から晩まで気になって仕方ないし身体が壊れる(笑)。だから生鮮は担当者との信頼関係の構築が全てだと感じます。
グロサリーは週又は月別MDだから口を出しやすいし入り込みやすい。一般食品は常温=消費期限が長いですから失敗しても尻を拭いやすい(笑)。更には部門構成比、支持率、利益貢献度も高いですから店長はグロサリーを制するべきだと思うのです。現にとある大手SMはグロサリーが店長兼任の事実。彼も魚ばかり売って居る雰囲気ですが職責はグロサリー兼任なのではないでしょうか(笑)。
これからも興味ある話題にはコメント出来ればと思いますので宜しくお願い致します。

投稿: 年金生活者 | 2024年10月16日 (水) 09時01分

単品10品目 転勤一年目、二年目はそれでいいのですが三年目となるときつい。攻める時は攻めて異常値出すと翌年それに振り回されます。なので抜け、漏れをチェック、近隣競合の売れてそうな品でうちにない商品を探して仕入れ。話題の高い商品で鮮魚部門に関連出来る物を無理やりストーリー付けて関連させたり。やることあります。それを崩すのが本部。 幹部の商販会議で決まった決定事項の目標数字が高すぎて旬の魚が安くなっても置く場所がない💦 平台が多い大型店は問題ないでしょうが小型店は平台が少ないので厳しい。よだれ出ても指をくわえてスルーしかないです笑 やる気出そうにも出せません。ぐっと我慢です(ToT)

投稿: k,k | 2024年10月16日 (水) 07時25分

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