現場を巻き込む
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
先日、ある研修会に参加してきた。
そこで店長達の実践報告があった。
店舗内でのオペレーションや作業改善からの生産性改善という視点での取組み報告よりも、現場のスタッフ、パート社員の意見や要望を取り入れた店舗運営を強化し、現場を巻き込みながら店舗が一丸となっていく過程の報告が特徴的であった。
“現場の店長の使命が変わりつつあるなぁ”
そんな感想である。
現場の店長の使命。
かってのチェーンストアでは、どの店舗も一律のマニュアルと作業段取りを徹底させ、売場に商品を陳列する段取りや使用備品の使い方を決め事通りの店内オペレーションの実践が店舗の最大の業務と認識されていた。
置場作りの徹底が求められてきたのである。
その指導者という存在が現場の店長の使命であった。しかし今回の店長達の現在の取組報告を聞いていると、店舗内の仕組みを再構築している姿が見えてくるのである。
仕組みをベースに人間力の活用。
その段階に踏み出そうとする個店の店長の使命感の変化と、実践力の積上げが報告内容に大いに組み込まれてきているように思えたのである。
その第一がミーティングの変化。
従来はチーフミーティングがメインで、そこで店長から本部の指示事項であったり販売面での報告を聞く時間として使われていたように思う。朝の全体朝礼でも「挨拶訓練」のみを行い、店舗全員で何かを共有するような時間としては使われてこなかった。
全員で集まる時間の過ごし方。
これが変化してきているのだ。このような貴重な時間を共有の場として積極的に活用し始めている。
特にパート社員によるミーティングの実践。
この業界はパート社員が約7割以上。しかしそんな人員構成なのに、与えられた仕事はマニュアルに沿った作業オンリー。
自分の意見を発進する場は無かった。
パート社員達も、それをわきまえて行動し、よりよい意見を封じる風潮があったのも確かである。
“とにかくマニュアル通りに!”
それで押し通してきたのが、この業界である。しかしその方向性が大きく大転換しようとしている。
これが現場力となり店舗力となっていくのである。
しかし、勘違いしてはいけないのが、先ほど述べた「置場」作りの最善化というしっかりした土台が安定しているから、次へのステージに上れるのである。それが不安であれば、登りたくても登れないのが実態である。
安定した土台からどう駆け上がるのか。
それが、安定した仕組み化の上で、一人一人のジャンプ力を鍛える組織風土なのである。
ジャンプ力を鍛えるにも基礎体力が必要だ。
その基礎体力が、正しい考え方、正しい方向性を理解しているという前提である。
だからこそ再度自店のストアコンセプトの理解が重要となる。
その理解を前提として、基礎体力を養い、そこから一人一人のジャンプ力を鍛えていくのである。
一人一人のジャンプ力の養成とは?
それが自分の意見を発進し、自らの意見からの行動力、実践力を連動させていくことの繰り返し。
そこから精度の高い発信力と高い販売力が養われていく。
そんな店舗運営の変化を感じた研修会であった。
著書出版のご案内
今回は、製本版(ペーパーバック版)とKindle版(電子書籍)の二つのタイプを出版している。
「勝てる!店長塾」ファイブマネジメント編の購入はこちら←
製本版はペーパーバックとなります。
以下に、Amazonに掲載されている紹介文を載せた。
「この書は、スーパーマーケットの次代を担う店長の仕事の教科書となります。
36年の食品スーパーマーケットの経験から、最後に店長として赴任した店舗での5年間で42勝3敗の実績を基にした、現場最前線のリーダーが地域一番店を作り上げる体系的な実務書であり教科書です。
時代はコロナ禍後、食品スーパーマーケット業界も新たなステージを迎え、大小問わずM&Aが頻発している。しかし、この業界で言い継がれてきているフレーズがあります。
「店長が変わると業績も変わる」。
そして、それはある意味事実でもあります。この実務書は長年の経験から導き出された店舗運営手法であり、店長が変われば必ず業績を改善出来る人材育成の教科書として執筆致しました。
時代は効率化の時代となり、生産性優先の時代へ急速に移行しようとしていますが、同時に差別化の時代へと益々二極化しています。そんな時代背景を踏まえて、相反する課題を解決できる人材育成として、この教科書を有効に活用して頂ければ幸いです。」
また、出版にあたり紹介動画を作成しましたので、ご視聴ください。
「勝てる!店長塾」ファイブマネジメント編の紹介動画←
是非、ご購読を検討してみては如何でしょうか。
食品商業11月号の発売案内
食品商業2024年11月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.連載「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
2.食品商業「POP大賞」
今回の総評や入選作品へのコメント等
3.無用オンラインセミナーのご案内
第7回無料セミナー ~11月5日(火)
上記日程にて、開催予定予定。前回同様に食品商業「勝てる!店長塾」のファイブマネジメントに執筆した内容を動画にてアップし、記事と動画を視聴した後で、そのテーマ+アルファの自由な意見交換会を予定。
*参加申し込みは食品商業の「勝てる!店長塾」の一時限目のファイブマネジメント内に案内しております。
ご確認の上セミナーの参加もご検討ください。
PS
食品商業10月号(9月8日発売)の当方の執筆記事、「勝てる!店長塾」の一時限目「ファイブマネジメント」の「販売力強化の4つの視点」を動画にまとめましたのでご覧ください。
↓動画はこちら
食品商業10月号「勝てる!店長塾」ファイブマネジメント「販売力強化の4つの視点」の動画
食品商業9月号(8月8日発売)の当方の執筆記事、「勝てる!店長塾」の一時限目「ファイブマネジメント」の「目的買い化の4つのハードル後半」を動画にまとめましたのでご覧ください。
↓動画はこちら
食品商業9月号「勝てる!店長塾」ファイブマネジメント「目的買い化の4つのハードル後半」の動画
食品商業8月号(7月8日発売)の当方の執筆記事、「勝てる!店長塾」の一時限目「ファイブマネジメント」の「目的買い化の4つのハードル前半」を動画にまとめましたのでご覧ください。
↓動画はこちら
食品商業8月号「勝てる!店長塾」ファイブマネジメント「目的買い化の4つのハードル前半」の動画
食品商業7月号(6月8日発売)の当方の執筆記事、「勝てる!店長塾」の一時限目「ファイブマネジメント」の「置場・売場・買場」を動画にまとめましたのでご覧ください。
↓動画はこちら
食品商業7月号「勝てる!店長塾」ファイブマネジメント「置場・売場・買場」の動画
食品商業6月号(5月8日発売)の当方の執筆記事、「勝てる!店長塾」の一時限目「ファイブマネジメント」の「今までの振り返り」を動画にまとめましたのでご覧ください。
↓動画はこちら
食品商業6月号「勝てる!店長塾」ファイブマネジメント「総括編」の動画
月別52週MD
52週MDマネジメント(10月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(11月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
研修会やコンサル等のご相談を無料にて承っております。
お気軽にお問合せください。
株式会社「てっちゃん塾」へのお問い合わせはこちらからお入りください。
株式会社「てっちゃん塾」のホームページはこちらからどうぞ↓
てっちゃん塾のコンサル活動紹介動画はこちらから←
イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
| 固定リンク
「店長の仕事」カテゴリの記事
- 管理職は罰ゲーム?(2025.05.20)
- 旧友との再会(2025.05.15)
- 新店が目指すべきもの(2025.05.07)
- 学ぶとは実践(2025.05.06)
コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
意外に、現場に対しての自由度の高い企業は多いと思います。
が、・・・ 。
現場側で挑戦しない風潮があるようにも思いますね〜。
だからその有無が明確に目立つ存在として認識されているのかと。
今日はそんな目立つ仲間達と楽しんでくださいな😎
投稿: てっちゃん | 2024年10月10日 (木) 11時21分
今日も長い一日となりそうなので(笑)
先日の返しコメントがそのまま今日のコメントですね。あとは企業として現場の権限委譲をどこまでリスクを追って取れるのか?
尤も経営理念を顧みれば目指すべき売場は見えてくると思うのです。特に中小スーパーはトップと現場が近いですからトップや管理職の姿勢がはっきりすれば成果も短期間で現れると思います。
投稿: dadama | 2024年10月10日 (木) 09時33分