関連販売の考察
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
今週は精神論が続いた。
最後は具体的販売力を考察してみよう。
関連販売である。
関連販売って効果あるの?。
そんな風に思っている方は決して少なくない。
だって単品を量販した方が絶対に販売数量伸びるよ。
これは考え方の違いなのである。
関連販売とはなんぞや?。
そこから考察していかねばならない。
売場全体が関連販売である。
これは私の持論である(笑)。
売場全体が関連販売ってどういうこと?。
それはこうだ。食品小売業としてのスーパーマーケット。そこには青果、鮮魚、精肉、更に惣菜やベーカリー、そしてそれらを調理しメニューを作る為の調味料類、更にはもっと簡便に食べられるカップ麺や冷凍食品等があり、その時に必要な雑貨類も品揃えされているのである。
これを関連販売と呼ばずしてなんと呼ぶのか。
これが、売場全体が関連販売とする私の持論である。賛同はともかく、それだけの商品の品揃えが概ねの店舗ではされているのである。
その一部が部分的な関連販売となるのである。
もともと店舗内に陳列されている商品を、更に部門の縦割りを飛び越えてより近場で陳列することで、お客様の視点でより親切で買い忘れを防止してくれる商品の陳列となるのである。
店舗レイアウトはそれで成り立っていいるのである。
だから、調味料類はより生鮮に近い売場に位置し、即食系はより惣菜に近い売場に位置されて、店舗レイアウトされているのである。
それが魚の目から鳥の目に置き換えると。
全体のレイアウトの中でも、精肉の牛肉に近いところのエンドで焼肉のたれが展開されていたり、パンの近くでジャム類が陳列されていたり、精肉部門なのに中華名菜シリーズが青果に棚に陳列されていたりするのである。
それを更に虫の目で見ると。
野菜類の近くにドレッシングが陳列されていたり、鮮魚の刺身類の近くにわさびや生姜、そして刺身用醤油があったりするのである。
既に関連販売がセッティングされているのだ。
だから、今更関連販売に対しての是非は関係無いのである。関連販売大いに結構なのである。
関連販売万歳だ(笑)。
しかし、反対派の方の論理としての作業効率が挙げられる。そこで問われるのがフリースペースでの関連販売という狭義の議論なのである。
フリースペースだからすべて定番以外の作業。
だから、フリースペースでは単品のみを陳列する方が作業効率を落とすことなく、人材を就業させることが出来るという視点である。
商品を並べるだけで売れた時代はそれで良かった。
しかし、現代はタイパの時代。タイパとはタイムパフォーマンスであり、より効率よく時間の無駄を省く時代である。
“だから関連販売なんて無駄なんだよ”
いや逆の発想を持ってほしいのである。
お客様にとってのタイパとはなんぞや。
そう考えた時には以下の二つの重要なポイントがある。
一つは商品を探す無駄。
二つはメニューを考える無駄。
この二つを解決してくれるのが、単品量販コーナーに展開される関連販売の存在なのである。
自分達以上に顧客のタイパの視点。
これが重要なのであり、この視点でメニューの考察を繰り返すことで、最新の顧客視点を常に持ち合わせることになるのである。
最新の顧客視点。
それは、今顧客は何に価値を求め、何を欲しているのか、を知るという視点である。
それはこの業界の永遠の課題である。
そして、この課題は時代と共に変遷していくのである。だから、この課題を追求し続けることが我々の使命であり、業績を左右する重要な視点なのである。
今年の鍋はどんあ傾向なのだろう。
その為には白菜の最新の関連は?。
そんな思考からの今年の売場作りが見えてくるのであり、それをいち早く自分で食してみることで、簡単なコトPOPによる+αの点数増に繋がり、関連販売からの荒利ミックスにも繋がっていくのである。
是非、関連の効果を深掘りしてほしいのである。
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コメント
k,kさん、コメントありがとうございまうす。
関連販売推進派でしたか(笑)。
それも自ら買い回り、関連を見逃さず2周、3周。それは自部門以外の部門にも精通しますね。
そして自部門でもお客様の食卓をイメージしたメニュー提案。そしてお刺身提案。そこからそのお客様は、お魚ならあのお店、としてのマイストア化がはじまっていくのでしょうね。これからの中小が求めなければならないサービスだと確信しております。
投稿: てっちゃん | 2024年9月28日 (土) 07時41分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
単品だけの販売なら「価格」以外にお客様が立ち止まることはほぼ皆無。
しかしそこに関連があり、お客様がそこからイメージを広げていければ、価格以外の立ち止まる要因が生まれます。
そしてそこからがチャンスなのかと思うのです。そしてそのチャンスをどう活かすかを仮説し、そして必ず検証する。その連続が関連に関しての考察力となり、次への成功事例の仮説立案になっていくのでしょうね。
投稿: てっちゃん | 2024年9月28日 (土) 07時38分
関連販売推進派です、しかしタイパの為にやっている訳ではありません。あくまでもイメージを湧かせるため、夕食の献立を立てるお手伝いです。私はスーパーにいくと2周から3周してメニューを決めます。すぐに決まる時は完全な目的買いです 料理が趣味なのでイメージを湧かせてテーブルの上を想像して決めます。お客様に聞かれる時は具体的に提案します。お刺身の特別注文で具体的な話が出来上がってない時は他に何の料理を作るのか、テーブルは何台か、何名、年齢層、飲酒絡みかを聞いてご提案します。だいたいコチラの言った通りに持っていくのでネタ等もお勧めして在庫がある時は推します笑 買い物は関連、メニューも関連、そして色んな方と関連させていただいて何とか生活させてもらってます(^^)
投稿: k,k | 2024年9月28日 (土) 07時33分
関連販売に着目したゾーニングは仰る通り。パンにシリアル、日本茶に米菓、酒に珍味(笑)など全て関連販売ですね。やっと安定してきた新米。私的には米の関連販売はやり易いと感じます。
日本の主食に欠かせない=食卓に上る確率が非常に高いのですから新米をシンプルに美味しく頂く副材提案を集合陳列して可能ならコトPOPや人気ランクで顧客の目に留まり衝動買いを起こす提案にチャレンジしたいですね。
実施後はデータ検証で仮説と結果が一致したか解離したかの確認が大切。手間暇掛けてやるなら結果検証をしっかりせねば次のステップは見えてきませんから。
投稿: dadama | 2024年9月28日 (土) 06時20分