お客様は〇〇〇様
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
先日のNHKのクローズアップ現代。
NHKの桑子真帆アナが担当するドキュメンタリー。
先日は「カスハラ」を取り上げていた。
カスハラ = カスタマーハラスメント。
現代では、〇〇ハラという言い回しが増えており、パワハラ、セクハラ等が代表的なハラスメントとして報じられているが、今回はカスタマーハラスメントがテーマとなった。
この業界で言えば悪質クレーマー。
以前から問題視はされていたが、どうしてもこの業界には絶対的なマニュアルが存在する。
「お客様は神様である」
この言葉が、業界だけの留まらず世間一般に浸透してしまっているのである。
その後始末を今後どうしていくのか。
それが今のサービス業の直面する現実なのである。番組では、そんなカスタマーハラスメントをする年代層を公開していた。
10代 ~ 0.1%
20代 ~ 1.8%
30代 ~ 8.8%
40代 ~ 15.6%
50代 ~ 27.2%
60代 ~ 29.4%
70代 ~ 19.1%
との世代別カスハラ年代である。ここで読者の方は気づくはずである。
“えっ!、俺っ?”
そう、60代がカスハラで一番多い年代なのである。
まさに “俺っ?”
ではないだろうか。それだけ、世代間別での「お客様」意識の違いが明確に表れているである。
50代~60代をメインにしたカスハラの実態。
この実態からみても、カスハラ世代とはその昔、ある歌手が言った名言が大きく影響しているのである。
「お客様は神様」
神様といえば、その昔は「神様・仏様・川上様」と言われた時代があった。
今では短縮形となり「村神様」と言われている。
プロ野球全盛の時代に、そして演歌歌手全盛の時代に放たれた名言が未だに、その世代の人間に受け継がれながら、一種の誇張された評価基準として受け継がれていったのである。
そして競争の世界におけるサービス業のマニュアルが確立。
そこにも、お客様は神様然とした表現が多いように思う。
そうして出来上がった「接客マニュアル」
そのマニュアルに沿って、この業界は成長し拡大してきたのである。
そして時代は大きく変化してきた。
顧客第一主義から、働く従業員も含めた人間性重視の時代へと移っていったのである。
しかし企業内の接客マニュアルは従来のまま維持されてきた。
そこに、カスタマハラスメントを生む土壌が残されたままとなっていた。
そして「お客様は神様」を持つ60代世代が台頭してきたのである。
60代、とは、基本的に定年を迎えた世代。
ある意味、やり切った世代ではある。
そんな彼らではあるが、定年を迎えても今後の生活を考えると、職位を下げてでも同じ企業で働かざるを得ない環境にある。
そんな時代背景にあるのが今なのである。
今後、カスハラは減少していくとは思われる。それはそれを実践する世代が減少していく時代背景にあるからだ。
それは最後まで昭和を牽引してきた世代でもある。
この番組で、ある50代世代のカスハラ予備軍の方がインタビューに答えていた。
「自分としては企業を良くしたいという概念」
しかしそれを見ていた息子から言われた。
「そこまで言うことないだろう。恥ずかしい」
その一言で、我に返ったという。
“俺って、カスタマーハラスメント?”
全ては時代の変化からの、認識の違いである。
逆に小売業出身の人間は理解できる。
しかし、同世代の他企業を経験してきた方達は、どうしても
サービス業 = お客様を神様と位置付ける業界
このように捉えているのではないだろうか。
お客様に対する認識。
これがUSA の場合は、対応の立場であるという姿勢をお互いに貫ているという。それを見学した自動車整備工。
電話受付をしない
クレームも真偽が分からない場合は謝罪しない
休憩時間は外来者を受け付けない
そんな対応をした結果、従業員の仕事への集中度合が高まり、新たなサービスの創造へ繋がり、業績が20%アップしたという。
そんな理想像へ繋がる顧客対応が基準となっていくのではないだろうか。
最後に、このドキュメントの解説がが言っていた。
従来は、お客様 = 神様
今後は、お客様 = お互い様
なるほど、と思った(笑)。
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AJSオール日本スーパーマーケット協会主催「第12期店長塾」(2023年9月13日~14日にて講演を行いました。
昨年に引き続き、第12期店長塾の第三回目の講師を担当
講演テーマ「組織マネジメントにおけるストアコンセプトの効果と実践」
*今年は組織マネジメントの根幹を為す「ストアコンセプト」の重要性を学び、
自店におけるストアコンセプトの作成と実践手法を学び、店舗として52週MD
のPDCAを回すことをテーマとして研修を実施
農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。
基調講演の内容
①ファイブマネジメントの概略
②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
③競合対策としての顧客の五感の実践
④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
仰る通り、線引きが大切ですね。
その線引きは従業員側にも明確に、顧客対応に活かされるのではと思いますが、如何せん、未だにそこが曖昧な企業も多いのではと思うのです。
投稿: てっちゃん | 2024年5月10日 (金) 08時03分
確かに売場のアラに苛つく歳となり(笑)。
時間が無い、人が居ない、アラ自体が分からない気がつかない。接客も余裕が無いから軽率になる。爆発しそうな地雷は色々潜んでますよ。カスハラとクレームの境も曖昧では有りますがカスハラなら毅然と接し公にカスハラと認められる証拠を残す。要は切っても良い顧客は存在します。カスハラ顧客の為に他の顧客が店を避けるリスクも有りますから。
但しクレームを全てカスハラにすり替えてはいけない。どの線を超えたらカスハラなのか?店舗都合や不備が主因で爆発する顧客も存在します。店舗を選ぶのは顧客特権でありその点では神様降臨と言えるかもですね(笑)。
投稿: dadama | 2024年5月10日 (金) 07時21分