売上と荒利
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
小売業に求められる業績。
主に「売上」と「荒利」であろうか。
売上は毎日昨日の売上がデータ抽出されるから、分かり易い。
荒利は棚卸後に算出される儲けであるから、月末後に分かる。
売上はスピーディーに対応できる。
荒利への対応は多少後回しになる。
このように売上と荒利に対する認識は、その算出される時間の差から、それに対応するスピード感も異なってくるのである。
現場では売上へのスピード感が命である。
しかし、とは言っても、売上を上げようと思ってもなかなか上がらない。昨日の売上が今日の朝には算出されるのであるが、だからと言って即対応したからと言って、即数値が変わるかというとそうではない。
なぜか?。
売上を左右する要因があまりにも多いからである。
特売、競合、天候、相場、昨年与件等々。
強烈な特売を打っても、いい時はいいかもしれないがその後の買い控えが発生したり、競合の出店や改装によって自店の客数に影響が出たり。更には天候不順で客足が止まったり、昨年の相場に対して今年は相場安からの売上不振であったり。
販売側だけの対策では効果が出にくいのが売上。
その対策が効果を発揮し始めるには、必ずタイムラグが発生し、3カ月後とか半年後にようやく数値として反映してくるのである。
しかし荒利は意外に効果が早く表れる。
要は、荒利=荒利率、という捉え方をすれば、荒利率の改善に対しては、値入が全てだからである。それ以外の要素といえば相場であろうか。しかし相場に応じて原価も変化する。その原価に対して値入を設定して売価が決まるわけであるから。売価の設定をスピーディに対応すればいいだけの問題である。
この的確な売価設定が出来るかどうか。
それだけが、荒利率のブレを防ぐ要因である。だから荒利率の安定は意外に簡単で意外にスピーディに改善出来るのである。
操作不可能な売上
操作可能な荒利率
そのような違いが、売上と荒利には存在するのである。しかしそん中で売上が上昇してきたとする。
そのような環境では徹底して売上を負うべきであろう。
それは上記のように、今までの売上対策がようやく実を結びつつあることを示しているからである。だからこそ、その売上に安心することなく、徹底して更に売上を負うべきなのである。
今売上を上げずしていつ上げるのか?。
そのような危機感を持って、今上昇しつつある売上を徹底して負うべきであり、その為に今までの売上対策を地道に推進してきたのであるから。
荒利対策いつでもできる。
今重要なのは、売上対策の効果が見えてきた段階では、その効果を更に実らせる時期が到来したと認識して、売上を追う時なのである。
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当方の執筆は以下の通りです。
1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。
「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(1月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(2月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
AJSオール日本スーパーマーケット協会主催「第12期店長塾」(2023年9月13日~14日にて講演を行いました。
昨年に引き続き、第12期店長塾の第三回目の講師を担当
講演テーマ「組織マネジメントにおけるストアコンセプトの効果と実践」
*今年は組織マネジメントの根幹を為す「ストアコンセプト」の重要性を学び、
自店におけるストアコンセプトの作成と実践手法を学び、店舗として52週MD
のPDCAを回すことをテーマとして研修を実施
農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。
基調講演の内容
①ファイブマネジメントの概略
②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
③競合対策としての顧客の五感の実践
④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
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コメント
k,kさん、コメントありがとうございます。
→さて私の本音は
以下の辺ですかね(笑)。
→人気ない商品を下段には大量に陳列してもいつかは消費期限が来る
本音と建て前、上手く使い分けてくださいまし😎
投稿: てっちゃん | 2024年1月 4日 (木) 18時05分
年始の今は生魚がないので荒利対策はもう少し先です(^_^;) 今年は際ものの値引き残がほぼないので1月の荒利は安定する見込みです。が、売上不振になれば極端な安売りをするかもしれません。その時が来ると思って定番管理や生があれば積極的に刺身等で値入れを稼がねばなりませんね。PBは売れれば荒利取れますが人気ない商品を下段には大量に陳列してもいつかは消費期限が来る。本音と建前を上手く使いわけしないと無駄な労力になりますね。さて私の本音はどこでしょうか(笑)
投稿: k,k | 2024年1月 4日 (木) 17時04分
hataboさん、コメントありがとうございます。
値入を下げたからと言って、その分売上が上がるかというと、そこにはいろいろな要因が重なりますから、自分のイメージ通りの売上の実現にはたどり着かないことが多いでしょうか。
しかし、ある程度荒利安定が実現できる運営力を身に付けた段階からの売上増を図ることが、部門運営の基本かと思います。
但し、そこからの応用編が店長としての能力へと進化していくことを学ぶことも必要ですが。
投稿: てっちゃん | 2024年1月 4日 (木) 12時03分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
→売上はコントロール可能と考えます
企業の違い、個人の違いによって業績へのアプローチが異なる。当然と言えば当然かもしれません。
但し、そのアプローチ手法に沿って実践してきたかどうかが重要でしょうか。そこから個人個人の業績対策力が固まっていくのではと思います。
投稿: てっちゃん | 2024年1月 4日 (木) 11時58分
まだ入社2年目くらいのときに、チーフが一週間出張で青果の管理を任されることがありました。
その時に、菌茸類の値入が高すぎるんじゃないかと全部値入を下げたら一気に粗利が落ちたことを思い出します(笑)
その時に値入ミックスを身を持って経験しました(笑)
投稿: hatabo | 2024年1月 4日 (木) 08時16分
私は荒利率を意識した事は無かったと言うより在庫調整で意図的に荒利率を下げる事が多かったですね。その時に1番売れる商品を適正荒利で売る事で売上と荒利額を作る。荒利額を上げすぎると自分の首を絞めるので色々な裏技を使い(笑)帳票在庫(実在庫ではないですよ)を極限まで減らす。帳票在庫の低い商品を次月の目玉に使い集客を上げる。率を上げても額が行かなければ本末転倒。私は荒利率より額に拘りましたし、額に拘ると言う事は売上に執着する事ですから売上はコントロール可能と考えます。その日をどの商品を核に売上構成を高めるのか?その商品に対するサブ商品(関連商品)は何か?どのような売場展開で顧客の琴線を刺激するか?忙しいとか時間が無いと言いますがこれらのストーリーを最大の時間を割かずに何が楽しいでしょうかね?私達の仕事は顧客、お取引き先、従業員が三方がニッコリ出来てこそやり甲斐や楽しみがあると思うのです。
勿論全ては出来ないし95%は本部誘導で良いかと思います。現場での5%の売上利益権限と責任・・・これは企業規模によりもっと高い所もあるでしょうが権限と責任を与える事や期待する事で5%の売上をどこに集中するのか?そこからの発想が単品&鬼積みに繋がり売上と荒利の底上げに寄与していきますね。
投稿: dadama | 2024年1月 4日 (木) 06時24分