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2023年11月30日 (木)

チャレンジのコスト

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


部下に「チャレンジしろ!」と叱咤する。

  失敗すると「だから言っただろっ!」と叱咤する。

そうやって部下はチャレンジしない、指示待ち状態になっていくのであろう。

  この業界の素人ほど失敗する確率は高い。

失敗に失敗を重ねて、ようやく少しばかりの成功への法則を獲得し、そこから成功確率が高まっていき、部門チーフ、副店長、店長、幹部と上り詰めていくにつれ、同時に成功確率も高まっていくのである。

  成功確率の高い人材ほど上位職を得ていくのである。

そしてチャレンジというよりも、従来の成功体験の積み重ねによって安定した業務遂行能力のある人材が、適材適所で抜擢されていくという表現の方が正しいかもしれない。

  それだけ上位職のチャレンジにはコストが高まっていく。

しかし、そんな優秀な人材でさえも、若かりし頃は失敗の連続だった。その失敗の数が、いつしか成功体験の数を増やし、一気に成功確率の上昇へと繋がっていくのである。

  そんな新人時代のチャレンジリスクとは?。

新人時代であるから、せいぜい1単品で1万円程度の金額に換算できるであろうか。

  せいぜい1万円のリスク。

それは、その日の店舗計の売上から比較したら、爪の垢ほどのリスクも無いのである。

  それに引き換えチャレンジから生まれる未来の確率はどれほどか。

そう考えると、失敗リスク1万と未来の成功確率100%を比較し、未来への投資と考えてどんどんチャレンジさせた方が、組織としては圧倒的に明るい未来が創造できるというものではないだろうか。

  新入社員の販売点数店内一位を目指した単品量販。
  入社二年目の販売金額全社一位を目指した商品化。
  入社三年目の荒利額全社一位を目指した売場作り。

いろいろな社内での販売コンテストがあろうが、そこへ名乗りを挙げて挑戦させること。そしてそのようなコンテストで本人が学ぶ事。

  それは本人にとって大きな学びとなる。

販売技術というノウハウだけではなく、店舗全体で協力し合って、全社一位を手助けする店舗内の空気の創造も含めての、本人の学びを考えたら、多少のリスクなど吹っ飛んでしまうほどの明るい未来が開けてくるであろう。

  それはいずれチャレンジさせた本人に返ってくるのである。

自分を育ててくれた信頼する上司という存在として、いずれその上司への恩返しが生まれていくのである。

  部下育成の連鎖とはこのようなことである。

そうやって、その上司の商売への意志が世代を超えてその企業に根付いていくのである。

  そしていずれその上司の名前が組織内に刻まれていく。

新人時代のチャレンジのコストなど、大したリスクとはならない。確かに、チーフ以上店長としての失敗はある程度のリスクが伴うことになるが、新人や担当者の失敗におけるリスクは、せいぜい1万~5万程度。

  しかしそのチャレンジから生まれる自信はその比ではない。

チャレンジして失敗してそこから積み上げられていく経験と自信。そしてそこから一気に成功する確率が高まり、部門チーフとなる頃には、ほぼ100%の確率で成功するだけの、成功体験を積み上げていくであろう。

  そんな企業風土だけが明るい未来を創造できるのである。

  





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食品商業12月号が発売されました。

202312
当方の執筆は以下の通りです。

1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
    一時限目 ~ ファイブマネジメント
    二時限目 ~ 52週MDマネジメント

今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。



PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。

  「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから


競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 

52週MDマネジメント(12月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(11月編)のダイジェスト版をアップ致しました。


AJSオール日本スーパーマーケット協会主催「第12期店長塾」(2023年9月13日~14日にて講演を行いました。
 
 昨年に引き続き、第12期店長塾の第三回目の講師を担当
  講演テーマ「組織マネジメントにおけるストアコンセプトの効果と実践」
  *今年は組織マネジメントの根幹を為す「ストアコンセプト」の重要性を学び、
        自店におけるストアコンセプトの作成と実践手法を学び、店舗として52週MD
        のPDCAを回すことをテーマとして研修を実施


農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。

基調講演の内容
 ①ファイブマネジメントの概略
 ②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
 ③競合対策としての顧客の五感の実践
 ④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。


AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。

40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表


農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
   一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
   二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
   三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
   四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義


イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。




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コメント

hatadoさん、コメントありがとうございます。

我々も大いにチャレンジして失敗して多くを学び、今に至って居るわけですから、同じ成長過程を本人なりに歩んで欲しいですね。

それが仕組み化されて、本人も挑戦に対して、組織から背中を押されるというプレッシャーも重要かと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2023年12月 1日 (金) 11時25分

チャレンジさせてあげられる環境づくりが大事ですね。
チャレンジさせながら、見守り、相談に乗り、PDCAを回す。
失敗も本人にとっては貴重な体験、失敗がなければ前に進めませんからね。

投稿: hatabo | 2023年12月 1日 (金) 07時42分

k,kさん、コメントありがとうございます。

そこまで責任感というか責務を感じながら仕事をしている人間もいるんですね。パッケージ破損なら直ぐに巻き直せばいいと思うのですが、そういう育ち方をしてきたのでしょうか。

共同企画としてパートさんと組ませる。それもまたチャレンジですね。楽しみです。

投稿: てっちゃん | 2023年11月30日 (木) 20時56分

チャレンジ大事ですよねー 今どきの若者は失敗したくない。失敗しないように予備線を張って上の話をちょいちょい伺いながら。そういう子が私の近くには多いです。 ちょっと前にお客さんが適当にグロサリ棚に置いた鮭の切り身を鮮魚に持ってくる途中にパックの一部が破れてしまった。弁償します、だから怒らないでと。インストアで切ったばかりの商品なので直すから大丈夫だよと言いましたが弁償しますと。欲しいなら買って貰いたいけど別にいいよと言っても話を聞いてない💦 ミスを攻められるのが嫌なようです。そういう子もいるんだなーと。私にはない発想なので唖然としてしまいました。なので共同企画としてパートさんと組ませてチャレンジして貰おうと考えてます!

投稿: k,k | 2023年11月30日 (木) 20時37分

通りすがりの業界人さん、コメントありがとうございます。

10個のチャレンジなら他の商品に埋もれてしまう。
100個のチャレンジならようやく単品が見えてくる。
1000個のチャレンジなら店舗内でもピカ一の存在。

どんな売場を作りたいかでチャレンジ数量が決定します。そして1000個の売場を作るから500個黙って売れていく。
残り500個を売り切る力がその後の店舗の販売力として蓄積されていくことになりますね。

そして500個の在庫の売場があるから250個は黙って売れていく。やはりボリューム自体が販売力となることが理解できるようになっていくのではないでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2023年11月30日 (木) 09時26分

dadamaさん、コメントありがとうございます。

思えば、たった一品でその部門の業績を転がしてしまうのですから、チャレンジコスパは非常に高いのではないでしょうか。

人員不足の折に、チャレンジコスパを追及しながら業績を改善を図る。これからのトレンドになっていくでしょうね。

投稿: てっちゃん | 2023年11月30日 (木) 09時20分

社員A 闇雲に1000個売ります(๑•̀д•́๑)و ̑̑
店長 どこに根拠あんのよㄟ(๑•́ ₃•̀๑)ㄏ
社員A いや、売りたいんです(ฅ`・ω・´)ฅ
店長 じゃやりなさい(´−`) ションナカネー
✩.·。*.·゚✧.·。*.·゚✩ .·。*.·゚✧.·。*.·゚
1000個無理!じゃどーします?
お互いに悩み苦しみ壁を乗りこえることで信頼関係ができる(*´꒳`ノノ゙☆パチパチパチ
人、物、金のマネージメントのレベルアップに繋がるし、窮地に追い込まれた時の柔軟な発想が身につくことが、いろんな場面で役に立つと考えます٩(●˙∇˙●)۶
場面場面で失敗と考えず、1000個に挑戦して難局を乗り越えたサクセスストーリーを作るのです٩( 'ω' )و
私はチキンヤローなんで、1回目500個発注して様子見ちゃいますがꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)アハハ
これも、金(仕入)マネージメント(*´8`)デスヨネ-

投稿: 通りすがりの業界人 | 2023年11月30日 (木) 07時50分

チャレンジこそお互いの意思共有、信頼関係で成果は決まりますね。
信頼や期待を抱かれたメンバーは実力以上のモチベーションを発揮し結果は必ずついてくて真の実力となっていく。一品集中で良いのです。来店客数に対していくつ仕入れ売り切るのか?仮に1000人の部門客数に200個仕入れ完売すれば一人当たりの、買上げ点数は0.2個上がる。
自部門の買上点数を把握していればプラス0.2個のインパクトが如何に強烈かは理解出来る筈。
このようなシュミレーションを上司としっかりと打合せ徹底的に売り込み売り切る。結果に上司共々喜怒哀楽して次のチャレンジを打合せる。
これが出来てる店は押し並べて成績は良いですね。私も某店でカップ汁粉月間5000個チャレンジです(笑)。

投稿: dadama | 2023年11月30日 (木) 01時56分

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