ある店舗視察から②
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
本日も、昨日に引きつづき「ある店舗視察から」。
昨日は店舗としての荒利ミックス政策を記した。
今日は部門間異動について。
人事異動というと概ねは同じ部門での異動がほとんど。
青果部門であれば、同じ青果で他店への異動というのが一般的だ。
しかし数店舗の企業であればどうだろうか。
他部門への配置換えも結構有り得るのである。そうしなければ部門間の格差が広がってしまう可能性があるからだ。
グロサリーから鮮魚部門へ。
青果部門から精肉部門へ。
日配部門から惣菜部門へ。
等々、店舗数が少ない企業での人事異動では、上記のような人事異動もままあることではある。
“これじゃ人が育たないだろう”
そう思われる方もいるだろう。しかし私は逆の視点でこの人事異動を解釈したいと思っている。
要は一つの部門で習得した商売感を他部門へ活かすのである。
例えば、精肉チーフから惣菜チーフへと人事異動が発生した。
精肉と惣菜。
この関係は意外に濃い。
概ねの惣菜は肉料理だから。
だからこそ、精肉で習得した肉の知識や商品特性を以って、惣菜でのメニュー化や打ち出しによって、従来以上に支持のある商品化と売場レイアウトを構築することが可能となる。
意外に精肉バイヤーから惣菜バイヤーへ転身する人事はある。
更に、鮮魚チーフから惣菜チーフもアリだろう。
鮮魚の刺身の技術が寿司に活かされることになる。
こちらも、お魚屋さんのお寿司に近い展開が可能となり、寿司部門の支持の拡大に大いに貢献することであろう。
他には、生鮮チーフからグロサリーチーフへの転身も大いに有り得る。
これはもう店長候補の育成と言えるだろう。
生鮮で頭角を現した青果チーフが、グロサリー部門を経験することで、より広い範囲での販売力を身に付けられるし、これが鮮魚や精肉、惣菜であれば、バックヤード内での作業から、店内全体を見渡してのマネジメントを習得することで、単品の販売力から店舗レイアウトを考慮した店舗トータルでの販売力を構築できることになる。
そうやって店長候補者が育っていくのである。
店舗視察したお店では、現惣菜チーフが元々は精肉から異動してきたという。
だから製造だけでなく陳列技術も有しているのである。
そのお店の精肉部門の陳列技術は見事であった。スペースを有効に縦割りにて括り、更には顧客の視点に合わせるように斜めに陳列し、そして余分が空きスペースの無い無駄の無い陳列をしていたのである。
“この陳列技術が惣菜でも活かされているのか”
そう、関心したのである。従来以上にその日に売り込む商品を絞り込み、そして精肉の部位の特性を商品化に活かして、より美味しく精肉の部位を惣菜化してコトPOPにて提案して売り込む。
だから説得力のある商品化が進化するのである。
店舗数5店舗未満の企業は、このような人事の導入を検討してみてもいいのではないだろうか。
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食品商業10月号が発売されました。
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二時限目 ~ 52週MDマネジメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
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AJSオール日本スーパーマーケット協会主催「第12期店長塾」(2023年9月13日~14日にて講演を行いました。
昨年に引き続き、第12期店長塾の第三回目の講師を担当
講演テーマ「組織マネジメントにおけるストアコンセプトの効果と実践」
*今年は組織マネジメントの根幹を為す「ストアコンセプト」の重要性を学び、
自店におけるストアコンセプトの作成と実践手法を学び、店舗として52週MD
のPDCAを回すことをテーマとして研修を実施
農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。
基調講演の内容
①ファイブマネジメントの概略
②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
③競合対策としての顧客の五感の実践
④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
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二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
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コメント
K.S.さん、コメントありがとうございます。
店舗とはいろいろな要素の組み合わせによって顧客の支持が変化しますから、その視点を一つの部門経験で発見するのには相当な時間がかかりますからね。
部門の深掘りと部門間の横ぐし。そこをうまく調整しながら強い店舗を作り上げていきたいですね。
投稿: てっちゃん | 2023年10月 4日 (水) 07時25分
私も配置換えは効果の高い取り組みだと思います。
やはり一つの部門だけでは視野が狭くなりやすく、多角的な視点で店舗を見る力が養われにくいのではないでしょうか。
てっちゃん様、今後ともよろしくお願いいたします。
慣れ親しんだ部門を離れるのは不安感もあるでしょうが新しい気づきも得られる貴重な経験となると思います。
投稿: K.S. | 2023年10月 3日 (火) 22時21分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
出身部門から離れてみてわかる、出身部門で学んだ原理原則がどの部門で通ずるということ。但し、そこに部門が特性が加わるから尚更異なる強みの要因をいろいろな視点で捉えることが可能となりましたね。
そこが見えてくると、部門別に存在する職人達と意気投合していくことも分かりました(笑)。
投稿: てっちゃん | 2023年10月 3日 (火) 10時32分
hataboさん、コメントありがとうございます。
店長として自分の出身部門から外れて未経験の部門に関わると、従来からの囚われた常識感が消えていくのが分かりましたね。そしてスーパーマーケットの店舗の強みを考察するいいきっかけとなりました。
そしてそれは、組織として強くなるというマネジメントの部分でよりグローバルな視点が身に付いたとも言えます。
専門化も重要ですが、更に専門性を一個の店舗として部門の専門性の強みだけを抽出してまとめ上げる。その効果を知った時に店長の役割がよく分かりました。
投稿: てっちゃん | 2023年10月 3日 (火) 10時30分
青果からグロッサリー、あるあるですね(笑)。
野菜は目的買い、フルーツは衝動買い。だから売場展開も異なるはず。グロッサリーも一般食品は目的買い。菓子は衝動買い。これは部門PI値を見れば一目瞭然?だから売場はどうあるべきか?やはり現場は楽しいですねー(笑)。
投稿: dadama | 2023年10月 3日 (火) 09時14分
部門間移動は非常に効果が高いと思います。
他部門の良さを取り入れるには必要不可欠ですね。
ただマニュアルがしっかりしていないと、変わり始めで売上落としてしまう恐れがありますが。
私も青果しかやってきませんでしたが、店を変えるために入ったのがグロッサリーで、青果とは全く性格の違う部門で最初は戸惑いましたが、商品が違うだけでお客様に納得して買っていただくことは同じです。
むしろグロッサリーのほうが向いてるんじゃないかと思いました(笑)
投稿: hatabo | 2023年10月 3日 (火) 07時17分