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2023年10月10日 (火)

来店動機②

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


本日は、来店動機の2回目。

  昨日に続いてのテーマとなる。

来店動機。昨日は「目的買い」について記した。

  まずは来店の目的が明確かどうか。

それによって、その強い目的に由来する商品であったりサービスであったりを目的として、そのお店に来店する。

  どの顧客もまずは目的買いにて来店するのである。

それが無くて、ただ単にそのお店に立ち寄ってみようとするのは、我々業界人が興味本位でそのお店の特性を知りたいという欲求以外は有り得ないのではないだろうか(笑)。

  しかし100%目的買いの為の来店だけではない。

若干の期待値も存在するであろう。

  “あのお店に行けばお買い得品があるかもしれない”
  “あのお店は今頃は蜜入りの美味しいりんごがある”
  “あのお店にこの時間に行けば値下が始まっている”
  “あのお店はどこよりも早く新商品が売られている”

等々の期待を込めた意図を持って、来店される場合もあるだろう。しかし厳密に言えば、これも目的買いの為の来店動機と言えなくもない。

  明確ではないが目的買いの仲間である。

そう考えると、やはりそのお店に行く目的は、明確なのである。

  しかし上記のように「行ってみなければわからない」部分もある。

それが、後の「衝動買い」となって現れるのである。

  明確な目的以外の衝動的な買い物。

この衝動買いも、顧客の立場としては楽しみの一つではある。

  “行ってみないと分からない”

買い物好きな方にとっては、このような「宝探し」のような買い物も大きな魅力の一つなのである。

  それが見つけた瞬間に「私だけのお買得感」を得るのである。

これがまた買い物の楽しみの一つであろうか。そしてそれが得る機会が増えれば増えるほど、その方にとっての来店動機となっていくのである。

  “行ってみなければわからない”という目的。

そしてその中で、本来の目的買いではなかったのだが、心が動いて衝動買いをしてしまったが、それが次の目的買いへと進化していく場合も多い。

  衝動買いから目的買いへの進化。

ある意味、我々はこの構図である「衝動買い」をどう次の「目的買い」へと進化させられるかで、顧客の来店動機が高まり、日々の客数増へと連動していくのである。

  結果、衝動買いを通して目的買いを増やしていく。

考えてみれば、どのような新店でも、この構図の連鎖によって日販を拡大させて安定継続して営業できる基盤を作っていくのであり、それが地域で勝ち抜いていく大きな要因とも言えるのである。

  衝動買いを誘う売場とは?。

これも一言で表現できるようなものではない。

  が ・・・ 。

ここにも、顧客の五感が大いに関係するのである。顧客の五感とは?、

  「鮮度感」
  「季節感」
  「安さ感」
  「安定感」
  「親近感」

この五感である。

それが各部門毎に明確に競合店を凌ぐ展開がされていて、その感度に応じた売場作りが為され、思わず衝動買いをしてしまうほど顧客の心に響くのである。

  それを店舗責任者の店長がどう理解するか
  そしてその理解をどう売場に表現するのか
  更にはその商品が次の目的買いを誘うのか

このような連鎖で、次の目的買いを誘う仕掛けが至るところに為されており、そしてついつい衝動買いをしてしまい、その衝動買いした商品がまたリピート買いしたくなる魅力的な商品であることが重要となる。
 

  目的買いをしに来たお客様を衝動買いへ誘う販売力。
  衝動買いの品を再び目的買いへと移行させる商品力。

この二つの店舗力が、

  「衝動買い」 ⇒ 「目的買い」

へと誘い、そしていつしか上昇スパイラルを描いて客数増、点数増、単価増へと連動させていくのである。

  これが「目的買い」と「衝動買い」の関係である。

いつまでもこの関係を維持継続していくのも、我々の使命なのである。 






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食品商業11月号が発売されました。
202311
当方の執筆は以下の通りです。

1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
    一時限目 ~ ファイブマネジメント
    二時限目 ~ 52週MDマネジメント

2.「POP大賞」における優秀賞作品等へのコメント

今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。



PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。

  「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから


競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 

52週MDマネジメント(10月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
  
  52週MDマネジメント(10月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメント(9月編)ダイジェストの視聴はこちら


AJSオール日本スーパーマーケット協会主催「第12期店長塾」(2023年9月13日~14日にて講演を行いました。
 
 昨年に引き続き、第12期店長塾の第三回目の講師を担当
  講演テーマ「組織マネジメントにおけるストアコンセプトの効果と実践」
  *今年は組織マネジメントの根幹を為す「ストアコンセプト」の重要性を学び、
        自店におけるストアコンセプトの作成と実践手法を学び、店舗として52週MD
        のPDCAを回すことをテーマとして研修を実施


農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。

基調講演の内容
 ①ファイブマネジメントの概略
 ②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
 ③競合対策としての顧客の五感の実践
 ④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。


AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。

40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表


農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
   一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
   二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
   三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
   四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義


イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。



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コメント

hataboさん、コメントありがとうございます。

ここ数年、客数減が大きな課題となっていますが、やはりリアルなお客様の来店動機をしっかりと再考する時が来たのかと思います。

安定した5感による来店動機に加えて、リアルに行かないとわからないお得感の打ち出し(演出)は客数増の大きな役割を果たしているのではないかと思います。

そちらで毎月開催の「来てみないとわからないお買い得市」的な催しも重要な来店動機になっているのではと思います。

特に「こだわり的品揃え」を売りにする店舗は特に来店動機を高める工夫が重要でしょうか。

投稿: てっちゃん | 2023年10月10日 (火) 07時24分

dadamaさん、コメントありがとうございます。

今日のブログは結構長かったですね。失礼しました(笑)。

dadama家も旦那は「快楽」派、奥様は「義務」派でしょうか。おそらく旦那様の目的はアルコールに関わる食材の宝探しかと思われますので、そちらでの買い回りで小一時間を要するのではと想像致します。

いずれにしても、店内をうろついていて思わず立ち止まってしまう売場は参考になりますね。

投稿: てっちゃん | 2023年10月10日 (火) 07時19分

ワクワク感のある売り場、商品が衝動買い、また今日だけ、とかご来店されたお客様限定、などの特別感の積み重ねが目的買いに繋がっていくんでしょうね。
そこに顧客の5感も用いてお客様の買いたい心理をくすぐっていきたいと思います。

投稿: hatabo | 2023年10月10日 (火) 07時16分

k,kさん、コメントありがとうございます。

買い物が「義務」なのか「快楽」なのか。個人差は大きいのではないでしょうか。

私はどちらかと言えば「義務」女房は「快楽」かも。
だから、私の買い物時間は短く10分程度、女房は小一時間粘ります。

しかし逆に自分が目的とする買い物は長い。そして女房は来ない(笑)。

そのギャップをどう埋められるかが売場作りのポイントかなぁと思っています。

投稿: てっちゃん | 2023年10月10日 (火) 07時15分

朝から論文を凌ぐ高尚なブログに頭がついて行きませんが(笑)。
鬼●と今日の夕飯は何にする?と言うと、ぐうたら亭主の給料じゃ●●特売で豚肉か鶏肉しか買えないから(牛なんて論外)とか、あそこに行くなら地魚色々あるし安いから一瞬に行こうかなかと。私も売り手のみで買物客の気持ちを理解しているかと言えば甚だ疑問ですが、おつかいする時はやはり良品廉価の生鮮品があるスーパーに行きますね。安いだけで良いか?と言えばそうでも無いしと言って無い袖は振れない(笑)。
特に衝動買いが起きる商品は一発で目に留まり、何故オススメなのかが一瞬で解らねば買う気が起きませんし、これは生鮮品のがより強いと思いますし部門支持率からも裏付けられますね。
通常時と企画時の部門支持率と総買上点数からも色々と見えて来ると思います。勿論ベテランになれば売場の動きを見てれば分かりきってる事ですが若い世代や店長はデータに置き換え客観的目線で見る事も良いかと思います。

投稿: dadama | 2023年10月10日 (火) 06時49分

買い物は楽しみなのか義務なのか。私はおっさんですが楽しみです(^∇^) 目的はありますが、それは普通の方が望む食材ではない。うちのかみさんは買い物は義務です。だから帰りに◯◯買ってきてのLINEがよくきます。目的買い、宝探し、そこにワクワクがあるのか?多少雑でも安定感なくてもワクワクできる店を選びます。義務の人はここにあれがある、手短にさっさと買い物してレジに向かいストレスなく帰る。コンビニのような感覚です。だからレジが年配者で混むとイライラ、セルフレジ、スマホ決済大歓迎な人も結構いるんですね。色々考えないとなりませんねー

投稿: k,k | 2023年10月10日 (火) 04時52分

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