自由と縛り
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
店舗での販売活動。
企業毎にその販売手法は異なる。
ある程度店長任せで自由に売場作りが任されている企業もあるだろう。
逆に全てがコテコテのマニュアルにて運営している企業もあるだろう。
現場に自由に営業させている企業。
現場を縛って営業させている企業。
そう言う視点で言えば、現場を縛る企業は現場の自由度が無く、現場が非常にやりづらい印象を受けると、本当にそうなのだろうか。
縛るということは枠組みを決められるということ。
枠組みが決められた段階で、その枠組みを飛び出したいというのが人間の性(さが)ではある。
しかし枠組みが無ければ路頭に迷うのも人間の性(さが)。
だから難しいのである。
組織としてどのような道筋を立てるのか。
そこに組織自体のマネジメントが存在するし、そのマネジメントも時代や企業規模、そして企業理念に応じて変化させていくことも必要になるであろう。
自由であるということは膨大な情報から選択するということ。
縛るということはより限定された範囲で選択するということ。
自由にやっていいと言われて、なんでもかんでもやろうとして全てが中途半端になってしまうケースもよくある。
縛られてはいるが、現場はその縛りの範囲で思いっきり自由にダイナミックに売場作りをするケースもよくある。
そして売場はお客様に伝わってナンボの世界。
どのような経緯でその売場に辿り着いたとしても、そこから先はお客様にしっかり伝わる売場の展開に連動しなければ、顧客の購入という行為には連動しないのである。
何を強みとするのか。
これもある意味「縛り」である。自社や自店の強みをある分野に限定して強化しようとする。
強化しようとするということはそこに絞るということ。
ある分野に絞るということは、それ以外を捨てて、その分野に特化するということであり、組織の方向性を明確にするということでもある。
現場でそれをどう判断するか。
その分野で徹底して自由に実践できる、と捉えるか、その分野に縛られてしまった、と捉えるか。
どちらの視点を持つかである。
但し、縛りを付けた分野で更に具体的なマニュアルから一律の商売に限定されていくことで、どんどん現場の自由度が削がれてしまうと大きな負のスパイラルに陥ってしまうことにもなるのであるが。
株式会社「てっちゃん塾」へのお問い合わせはこちらからお入りください。
研修会やコンサル等のご相談を無料にて承っております。
お気軽にお問合せください。
株式会社「てっちゃん塾」のホームページはこちらからどうぞ↓
食品商業11月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
2.「POP大賞」における優秀賞作品等へのコメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。
「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(11月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(10月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメント(9月編)ダイジェストの視聴はこちら
AJSオール日本スーパーマーケット協会主催「第12期店長塾」(2023年9月13日~14日にて講演を行いました。
昨年に引き続き、第12期店長塾の第三回目の講師を担当
講演テーマ「組織マネジメントにおけるストアコンセプトの効果と実践」
*今年は組織マネジメントの根幹を為す「ストアコンセプト」の重要性を学び、
自店におけるストアコンセプトの作成と実践手法を学び、店舗として52週MD
のPDCAを回すことをテーマとして研修を実施
農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。
基調講演の内容
①ファイブマネジメントの概略
②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
③競合対策としての顧客の五感の実践
④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
| 固定リンク
「マネジメント」カテゴリの記事
- 女性店長の視点(2024.10.11)
- Amazonの方針転換(2024.09.24)
- 低いハードルから始める(2024.09.12)
- ウォーキングに学ぶ(2024.08.24)
- バックヤードから見える課題(2024.08.10)
コメント
通りすがりの業界人さん、コメントありがとうございます。
確かにカリスマ店長を育てようとしても、そんな店長の出現に期待できる時代ではないですね。
組織が目指す方向性を外れない範囲内で自社の商品政策内での自由さを、個店の店長がコミュニケーション能力を活かして、チームで創意工夫によって数値達成を図る店舗の出現が理想でしょうか。
但し、自由度の高さと業績達成責任の裏表の関係性が明確になる事が前提でもありますが。
投稿: てっちゃん | 2023年10月16日 (月) 09時38分
縛りがあっての自由かなと思っております。
縛りとは、お客様にご迷惑をお掛けしないこと
法律を守らなければならないこと
自由とは、創意工夫や新たなるチャレンジ
それをコントロールするのが店長ではないでしょうか?
仮に店長が法律無視でやっちまえ!なんてことになったら店はめちゃくちゃになります。
ガチガチの縛りもダメ、自由すぎるのもダメ
店長の経験値と倫理観が必要で、そして何よりも重要なことはどんな組織であってもコミニケーションがいちばんだと言うこと、関わる人全てが理解納得して物事を進める。
もう、敏腕店長とかカリスマ店長の時代ではないと常々感じている次第です。
投稿: 通りすがりの業界人 | 2023年10月16日 (月) 09時03分
hataboさん、コメントありがとうございます。
男性と女性の感覚の違い。そこをどう穴埋めするかも組織学だと思います。
やはり、大枠の利益獲得枠を構築したうえでの、自由という枠組みを現場に提供できるかどうかでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2023年10月16日 (月) 08時29分
うちは縛るという感覚があまりないので方向性だけ伝えて、それに沿っていればいいよとなっています。
ただこの最近の原価高騰などによる世の流れのスピードについていけてない瞬間も見えてきました。
売り場を自由に作らせるのはいいが、非効率ではないか?
限られた人員で回していくには?
これをストレートに女性従業員に伝えたら、今までやってきたことが否定された、と言われました。
否定してないんですけどね(笑)
女性の感覚だと数字は二の次だそうです。
ここらへんが男と違うので難しいですね?
投稿: hatabo | 2023年10月16日 (月) 07時22分
k,kさん、コメントありがとうございます。
この業界ではよくある話ですね(笑)。
鮮魚は青果と違って毎日の相場に応じて売価や売るものが異なる部分(生物類)とそうでない部分(塩干類)がありますから、後者の販売が得意な担当者は変化を嫌い、事前計画に重点を置く。よって当日の送り込みにも対応しない。
重要なのは、下が育つマネジメントであり仕事の仕方。そして鮮魚部門の特性を強みとして店舗が認識されるにはその特性をどう強みとして社内で達成できるのか。これからの中小が模索する部分かと思われます。
投稿: てっちゃん | 2023年10月16日 (月) 06時57分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
確かにレールと言う表現は分かりやすいですね。
同じ方向へ進むレール。
しかし、何を積むのか、どんな速度で走るのかは自由。しかし到達点は同じ。
枠組みと自由度、そしてそこからの結果に対しての責任と評価。全てが自らのモチベーションに繋がれば、一人一人の実践力が高まりますね。
投稿: てっちゃん | 2023年10月16日 (月) 06時52分
数年前のチーフ研修で若いチーフの悩みが発表されました。売場レイアウトが完璧に本部から上がってこないと仕事が出来ないそうです。今迄についたチーフが皆、自分が休みの日のレイアウトを完璧に作っていたのでしょう。急に生の送り込みも否定的でした(^_^;)せっかく丹念に時間をかけて作り上げたレイアウトを崩さねばならないからだそうです。逆に定番もスポットも全くレイアウトが無くて当日の感覚で決めるチーフもおりました。どちらも極端ですね~ でも粗利取れていたのは後者チーフです。先に副店長に上がったのは前者の若いチーフです。上に可愛がられるとばこういうメリットがあるんですね(笑)
投稿: k,k | 2023年10月16日 (月) 06時03分
縛ると言うよりレールを引いた方が脱線するリスクも無く結果安全に目的に辿り着けますね。
どのようにレールを引くのか?過去の経験値も重要でしょうし、最新の状況も大切。更には多少の遊び(ハンドルの遊びのような許容範囲)もないと意外と簡単に脱線転覆してしまう。ガチガチの規則やお山の大将上司ではモチベーションも上がらない。一兆円を目指すとある企業は店長に売上予算と純利益予算達成の二本のレールを外れなければどのように走行しようと構わないらしいです。ルールはシンプルながら達成の為に否が応でも店長は自力で勉強せねばならないし他店の情報を共有したり盗んだりする事で実力を付けていく。結果組織全体が強くなる。私の好きな1+1+1>3の理論ですね(笑)。=を最適とする企業と=以上の期待値を持たせる企業。どちらが良いかは会社形態や仕組みで異なりますが仕組作りの弱い中小スーパーは人のモチベーションを失ってはならないと思いますね。
投稿: dadama | 2023年10月16日 (月) 00時32分