「V字回復の経営」から
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
ある人の勧めで読んだ本がある。
「V字回復の経営」三枝匡著
このブログの右側の「てっちゃんのおすすめ」にも掲載した。最近は「月刊食品商業」をメインにお薦めに掲載していたが、久しぶりに単行本を掲載した。
V字回復。
従来は絶頂期にあった企業が、いろいろな要因から低迷を極める。しかしそこからあるきっかけによってV字の如くに業績(売上)を回復させていく。
不振企業からすると夢のような実話。
しかし、この本に書かれている内容はほぼほぼ実話であるという。そして久しぶりにこの内容に、今自分が関わっている業務と連動して参考になる部分が多かった。
“もしかしれこれコンサルの教科書?”
そう思えるような内容である。特に組織内の幹部やトップに方以上に、我々のような外部からその組織の活性化を要望されるような方に大いに参考になるような内容ではないだろうかと思う。
それだけ内部に人間だけでは難しい業務かもしれない。
その組織に長年従事し、そこで培われたDNAを以ってその組織内で成長してきた人間にとってみれば、そのDNAを捨てて新たな枠組みで今の組織を作り変えることが求めらえる「改革」という業務に、どこまで踏み込めるかが課題であろう。
この本は物語風に進められている。
よって、考え方のフォーマットや順序、進め方等をマニュアル的に纏められてはいない。
極力現場での実践体験風に進められている。
だから非常に現場感を感じ、共感してしまうのである。そしてその物語の合間に、筆者の考え方が随時含められているようなまとめ方である。だから尚更、物語を読み進めていく中で、重要な部分に筆者の注意書きが入り込み、なるほどと思えるのである。
「創って、作って、売る」
この物語に登場する重要なフレーズである。従来は「開発~製造~販売」が、大きな縦割り組織の中で、開発部門、製造部門、販売部門と縦割りで分断されていた。よって末端の社員は現場での取引先とのコンタクトに対しての課題を、自らの組織の上層部に挙げるのに、
自分→課長→部長→社長
これだけの壁が存在した。それを、「創って、作って、売る」という連鎖を商品特性毎に分割して、横割りの組織に作り替えるという大改革を行い、そこからスモールチーム化された組織で、創って作って売る、を組織内の全従業員が把握できるマネジメントに変えていった。
そこから末端の従業員の意識と行動が変わった。
そのようなストーリーである。
これを我々小売業で考察しみると、
創って作って売る
⇩
創って作って造る
こんな風に解釈しなおしてみたのである。
創る → 顧客を創る
作る → 売上を作る
造る → 利益を造る
店舗という現場は上記のような構図ではないだろうか。確かに現場は「売る」ことが最重要課題だと思われがちだが、誰に売るのかという大前提が無ければ商売は存在しない。
我々の顧客を創造すること。
そこから始まるのであり、その最前線にいるのが現場の店舗なのである。
そして来店された顧客に売れる売場を作ること。
要は、売場での販売力である。
最後は、結果としての利益を造る。
売れたら利益が付いてくる時代ではない。如何に売れることを利益と連動させられるか。
そこには競争も存在する。
だからこそ、競争に勝つ抜きながら利益を造らなければならない。
そんな連想をさせてくれた一冊である。
「V字回復の経営」三枝匡著。
株式会社「てっちゃん塾」へのお問い合わせはこちらからお入りください。
研修会やコンサル等のご相談を無料にて承っております。
お気軽にお問合せください。
株式会社「てっちゃん塾」のホームページはこちらからどうぞ↓
食品商業11月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
2.「POP大賞」における優秀賞作品等へのコメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。
「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(10月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(10月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメント(9月編)ダイジェストの視聴はこちら
AJSオール日本スーパーマーケット協会主催「第12期店長塾」(2023年9月13日~14日にて講演を行いました。
昨年に引き続き、第12期店長塾の第三回目の講師を担当
講演テーマ「組織マネジメントにおけるストアコンセプトの効果と実践」
*今年は組織マネジメントの根幹を為す「ストアコンセプト」の重要性を学び、
自店におけるストアコンセプトの作成と実践手法を学び、店舗として52週MD
のPDCAを回すことをテーマとして研修を実施
農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。
基調講演の内容
①ファイブマネジメントの概略
②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
③競合対策としての顧客の五感の実践
④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 出版のご案内②(2024.06.29)
- ブログの振り返り(2024.06.07)
- 著書の出版案内(2024.05.30)
- 「V字回復の経営」から(2023.10.12)
- 食品商業4月号の案内(2022.03.11)
コメント
k,kさん、コメントありがとうございます。
遠吠えも大切(笑)。
下から見ると、組織幹部の動きがよく見える、見せすぎる。だからこそ襟を正す必要があるということでしょうか。
自分を守るという行為は、周囲から見ると相当の距離感を感じてしまいます。逆に部下を守るというスタンスは確実に組織に浸透していくし、マニュアル等での論理的な指導以上に、内面の結束力を高めてくれるもの。
いろいろと学べるものですね。
投稿: てっちゃん | 2023年10月13日 (金) 06時21分
hataboさん、コメントありがとうございます。
この物語は事実を基に作成されているようですので、大いに参考になると思います。
考え方、ストーリー、そして人材の役割投入、実践と継続。
この業界にも大いに役立つと思われます。
投稿: てっちゃん | 2023年10月13日 (金) 06時17分
強力な販促頼みも終演、当社もV字回復を望みたいところです。改革者は現れるのでしょうか。派閥争いしてる場合ではないです(笑) 役員様も自分が可愛いらしく目の前の問題だけで長期的に考えているとは思えません。下っぱが言う話ではありませんが過去の栄光でのぼせてる場合ではありません。けれどもサラリーマン。私は何もいえないし遠吠えしてるだけ( ̄□ ̄;)!!
投稿: k,k | 2023年10月12日 (木) 19時18分
V時回復…
めっちゃ気になる内容ですね。
改革と名ばかりでお客様や従業員に伝わらなければ意味がないですね。
末端の意識と行動が変わった。
これが全てですね。
改革…
します(笑)
投稿: hatabo | 2023年10月12日 (木) 18時07分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
意外に自社の本当の強み、弱みを理解している方は少ないのかもしれませんね。更には従来から受け継がれてきた強みが、現在では陳腐化して競争に勝てない現実も受け入れられない方も多いと思われます。
しっかり現実を把握して早急に手を打つことが見えない明日を明るくなることを信じて実践することが大切ですね。
投稿: てっちゃん | 2023年10月12日 (木) 07時40分
誰に売るのか?大切な切口だと思います。
勿論、地域の顧客。カテゴリーキラーなら広域集客も有りでしょうが一般のSMは地元のお客様。
シェア率を上げねばならない。
井の中の蛙では有りませんが社内だけの意見では自社の長所が陳腐化している事も多い。
客観的な目線で自社の強みを再発見させる事もコンサルの醍醐味なのでしょうね。
投稿: dadama | 2023年10月12日 (木) 01時21分