あるべき売場の維持
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
コンサル仕様の売場。
よく聞く話ではある(笑)。
普段はボロボロなのだが、月一回のコンサル来店時には組織として総力を挙げて売場を作る。
「問題の無い売場ですよ」
コンサルにそのようなコメントをされて安堵する店長の姿。よくみる光景である。しかしこれに対しては賛否両論があるだろう。
『その時だけで問題解決になるのか?』
当然、その通りである。その時だけということは、普段はその真逆で欠品だらけ、前出しも無しという基本のキの字も感じられない売場であれば、当然業績の改善には程遠い。本来見るべき目の前の顧客を無視して、月一度のコンサルに褒められることを目的として仕事。
本末転倒とはこのことである。
しかし、また別の意見もあるだろう。
『あるべき売場が見えただけでも進化』
コンサル仕様の売場、そしてコンサルが認める売場を月一回でもいいから作れるという事実。これもまた評価の対象となると私は考える。
コンサルによって月一回のあるべき売場が作られる。
この、あるべき売場の頻度をどう上げていくかが課題なのである。
月に一回 ~ コンサルによる指導
週に一回 ~ トップによる指導
日に一回 ~ 店長による指導
このような流れで、月一回のあるべき売場作りが、組織のトップや販売部長の指導によって週一回の出現となり、週一回の出現から店舗の店長の行動によって毎日一回はあるべき売場が完成するところまで進化していくことで、大きな進歩ではないだろうか。
要は月一回を毎日一回へ進化させること。
あるべき売場とは理想の売場であり、その売場をとにもかくにも作れることがまずはスタートラインだと考える。しかしそこには相当の時間と苦労が伴うもの。
しかしあるべき売場が店舗全員で共有できるのは大きな意義がある。
全ては、そこからスタートしていくものだからだ。そして月一回でもあるべき売場を作り、その売場を店舗全員で確認する事で、店舗としての大きな自信が湧いてくるのである。
“自分達でもできるんだ!”
そんな感動が、月一回から販売部長の後押しもあって週一回の頻度に拡大していく。週一回がルーティン化してくると、あるべき売場が特別なものではなく、52週MDと同様に感じられるようになってくるもの。
ここまで来たらしめたもの。
後は、店長の存在が大きな鍵となる。私はそれは日々の売場の写真撮りで部門担当者と意志疎通していた。
必ず一日一回はあるべき売場を各部門が作る。
その為に、そのあるべき売場を写真で記録に残すのである。それが52週MDの実践として共有掲示板に張り出すのである。それがルーティン化してくると、各部門毎に時間の差こそあれ、一日のどこかのタイミングであるべき売場が実現されるようになってくるのである。
青果なら開店直後
鮮魚なら午前11時
精肉なら午後2時
惣菜なら午後4時
グロなら閉店間際
そのように、各部門毎にあるべき売場の完成する時間は異なれど、一日に一回は最低でもあるべき売場が完成されるようになる。
ここまでくればしめたもの。
最後は、一日一回が一日を通して継続されるようになっていくものである。
株式会社「てっちゃん塾」へのお問い合わせはこちらからお入りください。
研修会やコンサル等のご相談を無料にて承っております。
お気軽にお問合せください。
株式会社「てっちゃん塾」のホームページはこちらからどうぞ↓
食品商業10月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。
「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(10月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(10月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメント(9月編)ダイジェストの視聴はこちら
AJSオール日本スーパーマーケット協会主催「第12期店長塾」(2023年9月13日~14日にて講演を行いました。
昨年に引き続き、第12期店長塾の第三回目の講師を担当
講演テーマ「組織マネジメントにおけるストアコンセプトの効果と実践」
*今年は組織マネジメントの根幹を為す「ストアコンセプト」の重要性を学び、
自店におけるストアコンセプトの作成と実践手法を学び、店舗として52週MD
のPDCAを回すことをテーマとして研修を実施
農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。
基調講演の内容
①ファイブマネジメントの概略
②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
③競合対策としての顧客の五感の実践
④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
| 固定リンク
コメント
hataboさん、コメントありがとうございます。
その某会(暴会?)の方達のインパクトも凄いものですね。御社トップよりも影響力をもつということでしょうか(笑)。
そのインパクトを利用して、せめて週一回のあるべき売場が作られていくのが当面の理想でしょうか。それが実現してくると、毎日一回のあるべき売場まではあと一歩と迫ってくるのではないかと思います。
まずは店長の行動が大きいかと。
投稿: てっちゃん | 2023年9月30日 (土) 15時01分
うちも某会の方たちが来店するとなるとその日は気合の入った売り場になりますね。
この心理をうまく使えば毎日とは言わないまでも立派な売り場ができることでしょう。
逸れが店長に褒められたい、とかそういう考えになっていくのが理想ですね。
店長という存在の難しさであり、楽しさの形ですね。
投稿: hatabo | 2023年9月30日 (土) 14時15分
K.S.さん、初のコメントありがとうございます。
企業の幹部の視察時の緊張感と意志。その時だけでもあるべき売場が作れたという達成感は大きいと思いますよ。
それを維持しながら、作業改善にて安定させていくのか、それとも作業改善からスタートしてあるべき売場の回数を増やしていくのか。それはその組織毎にいろいろな階段の上り方はあると思います。
その瞬間にリーダーとしてきちんと評価してやることで個人のモチベーションは一気に変化していくのではないでしょうか。
K,S,さん、今後ともよろしくお願い致します。
投稿: てっちゃん | 2023年9月29日 (金) 18時18分
以前から拝見しておりましたがコメントするのは初めてとなります。
私もスーパーで働いておりますが、確かに幹部の巡回時はピリついております(笑)
普段から理想的な売り場が維持できれば良いのですがなかなかうまくいかないですよね
やはり作業割り当ての見直しなど仕組み作りが必要なんでしょうね。
投稿: K.S. | 2023年9月29日 (金) 17時39分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
同じチェーンストアで、同じ教育、同じ価値観、同じDNAを有しながら、個人で腑に落ちる人と落ちない人がいるのでしょうね(笑)。
とは言っても私も含めて現役時代に全ての方針や具体的事項に腑が落ちたかと言えばそうでもない(笑)。
そこには、介在する人の人間力がモノを言うということでしょうか。
そんな人間力をいろいろな場面で発揮したいものです。
投稿: てっちゃん | 2023年9月29日 (金) 07時01分
当社でもやらされ感漂う店舗と自律的な店が存在し店長のモチベーションと比例してる気がします。同じ方針でも腹に落ちるか落ちないかでメンバーへのアプローチも違いますから。
有るべき姿が腹に落ちて自律的な運営が出来れば顧客にも伝わり絵に描いた餅がリアルな美味い餅にと変わりますよ。
投稿: dadama | 2023年9月29日 (金) 06時45分