作業性と生産性
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
作業性が高まれば、生産性も高まると思われている。
しかしそこにリスクも伴うものである。
作業性が高まるということは、売場自体が単純になり、お客様から見た時に魅力の無い売場になってしまうリスクが伴うということである。
売上が下がれば生産性も下がる。
そこに、作業性と生産性との微妙な関係が存在するのである。
更にそこに従業員の意志が売上に大きく関わるのである。
だから、単純に作業性の追求のみに走ることは、売上へのリスク拡大へと繋がることを意識しなければならない。
作業性とは具体的にどのようなことなのか?。
例えば、売場に品出しに行ったとする。
10アイテム品出しに行って5アイテム残が残った。
残り5アイテムを持ち帰ってきて、再びバックヤードに収納する。通常はこのような作業の繰り返しをするのであるが、
10アイテム品出しに行って全て売場に出し切れた。
そうすると、再びバックヤードに戻った際に、出しきてなかった残整理が無いため、そのまままた別の商品の品出しに行けるのである。
残整理の無い作業が続けば作業性は大いに改善される。
しかし、中小スーパーの売場はせいぜい200坪程度であろうか。そうすると品揃えが豊富になればなるほど、品出し時の残の確立は高くなる。
その関係をどう乗り切るか。
ここに、売上と作業性の相互関係が隠されているのである。生産性の高い企業やお店ほど、上記の関係改善に常に前向きに捉えていると思われる。
ここが改善されれば在庫は激減する。
在庫が激減するということは、大いに作業性が良くなるということでもある。
逆に売上は?。
そこに、適正な品揃えと発注精度という課題改善項目という認識が生まれ、常に現場サイドからの適正な品揃えの改善と、それと同時に入荷品が全て売場に出し切られる発注精度の改善が同時並行的に現場において実践され続けていくのである。
定番の品揃えは適切か?。
常に、この視点から定番の品揃えが見直されているかどうか。
当社は本部陳列台帳が全てだから。
そうやって現場サイドが作業のみの企業は、適正な品揃えと作業の効率化に対してアンバランスな部分が発生するのである。
定番品出しの作業効率の改善。
これによって、フリースペースでの衝動買いを誘う売場作りに時間を費やし、定番安定と同時に特設やエンドでの点数改題を図る時間が増加する。
目的買いと衝動買い。
そのような小さな取組みの積み重ねが、地道な点数増を生んでいくのではないだろうか。
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食品商業10月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。
「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(10月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(10月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメント(9月編)ダイジェストの視聴はこちら
AJSオール日本スーパーマーケット協会主催「第12期店長塾」(2023年9月13日~14日にて講演を行いました。
昨年に引き続き、第12期店長塾の第三回目の講師を担当
講演テーマ「組織マネジメントにおけるストアコンセプトの効果と実践」
*今年は組織マネジメントの根幹を為す「ストアコンセプト」の重要性を学び、
自店におけるストアコンセプトの作成と実践手法を学び、店舗として52週MD
のPDCAを回すことをテーマとして研修を実施
農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。
基調講演の内容
①ファイブマネジメントの概略
②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
③競合対策としての顧客の五感の実践
④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
作業性や生産性に対する整備を、店舗の現場に一律に投げるのではなく、そこはあくまでも本部や組織として改善して、現場の環境を整備することが大切でしょうか。
その整備された環境の中で、現場が伸び伸びと「売る楽しさ」「売れる喜び」をメインに働きがいを持って毎日のルーティン業務をこなしていく。
そんな環境整備がされた段階で、組織は大きく前進していくのでしょうね。
投稿: てっちゃん | 2023年9月21日 (木) 07時49分
hataboさんの「お客様に迷惑をかけない」
それが全てなのだと思います。
作業性であろうが生産性であろうが会社都合で動いた結果お客様に迷惑をかける事になれば本末転倒ですね。売上が頭打ちとなり利益に走ると短期的には利益は上がってもお客様に迷惑をかける=客数が落ちる負の構図になる事が多く、事実前企業はそれでひっくり返りました(笑)。
客数を如何に増やすか、更には店舗客数と部門客数差を縮めていくのか?その為の手法としての作業性、生産性であり従業員のモチベーション向上に繋がらねばですね。
投稿: dadama | 2023年9月19日 (火) 09時51分
hataboさん、コメントありがとうございます。
2024年問題から大きな溝が出来てくるのではないでしょうか。
その為にも、こだわりで差別化を図り集客の目玉とする企業や店舗は、更に発注精度を高めて在庫の課題をどう解消していくのか。
極力、多面展開と合わせて一回の補充で出し切れる仕組みも同時に検討しておく必要はあるでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2023年9月19日 (火) 06時55分
うちはこだわり系の商品が多いため在庫が多くなってしまう、という悩みを抱えております。ロットがNBよりも大きく、それを出し切るために他箇所展開しざる得ない、これから2024年問題で、納品回数が減ると在庫の問題はさらに深刻になっていくと思います。
お客様に迷惑をかけない発注精度、データを活用しながら挑戦していきます。
投稿: hatabo | 2023年9月19日 (火) 06時48分