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2023年9月14日 (木)

スイッチ~顧客編

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


目的買いと衝動買い。

  店内で買い物をするときの買い物動機。

目的買いは来店動機でもあり、そのお店へ買い物に行く動機が明確であり、その強い動機に動かされてそのお店を選択するのである。よって、多くの顧客は「目的買い」による動機によってそのお店へ行くのがほとんどではないだろうか。

  特売日の日替わり商品価格。
  毎週恒例販促品の商品価格。
  毎日恒例夕市の掘り出し品。
  他店に無い特定商品の購入。
  愛想のいい従業員との会話。
  競合店以上の五感の優位性。
  
五感とは顧客がお店に対する「鮮度感」「季節感」「安さ感」「安定感」「安心感」の存在感である。
顧客は上記に挙げた目的買いと同時に、その他諸々の目的で特定の店舗へ買い物へ行く。

  そこで出会った目的品以外の商品。

目的外の商品ではあるが、買いたいスイッチが入ってしまい、思わず購入してしまった。

  これが衝動買いである。

衝動買いとは、

  「食べてみたい」
  「作ってみたい」
  「使ってみたい」

その売場で思わずそのような感覚に襲われ、衝動的に買い物かごへ入れてします買い方である。

  本来の目的買い以外の衝動買い。

そのような衝動買いを誘うような商品展開が、店内の至る所で展開することで設定されることで、最終的な顧客の買い物点数や売上金額が高まっていくのである。

  しかし重要なポイントがある。

まずは、高い来店動機がそのお店にあるかどうか。そこが明確になっていなければ、これだけ競争の激しい時代にそのお店に足を向けられることは難しい。

  しいて言えば「近いから」。

確かに以前のお店への来店動機で一番高かったのは「近いから」である。しかし、これだけ交通手段が発達し、店舗もより自宅から近いところに出店している現代において、「近い」というのは決して決定的な来店動機にはならない。

  それより重要なのは「来店目的」。

それがまずは明確になって初めて、客数という数値になっていくのである。それでもまだ1客数というデータでカウントされることは無い。来店した顧客が、一品でもレジを通って商品購入した段階で初めて客数が1しとしてカウントされるのである。

目的買いをクリアした段階でようやく衝動買いのステージに登れるのである。

  よって目的買いと衝動買いをどうレイアウトするかである。

ここが間違えると、目的買いのみに終始されてしまう。目的買いを極力最終コーナーに配置して、客動線の始まるからどんどん衝動買いの売場が登場することで、目的買いに至るまでに買い物かごを満たす工夫が重要となろう。

  それが販売力強化の「配置による販売力強化策」となる。

目的買いと衝動買いの融合。

  これもクルマの両輪の位置づけとして重要視すべきであろう。


  



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食品商業10月号が発売されました。
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当方の執筆は以下の通りです。

1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
    一時限目 ~ ファイブマネジメント
    二時限目 ~ 52週MDマネジメント

今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。



PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。

  「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから


競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
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52週MDマネジメント(9月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
  
  52週MDマネジメント(9月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメント(8月編)ダイジェストの視聴はこちら


農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。

基調講演の内容
 ①ファイブマネジメントの概略
 ②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
 ③競合対策としての顧客の五感の実践
 ④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。


AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。

40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表


農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
   一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
   二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
   三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
   四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義


イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。




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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。

→ついで買いから使い分けの時代に入った事が数値的にも見えるかと。
企業の業績を見ても、雑貨、酒等のドラッグが強いカテゴリーは軒並み業績不振が加速度的になってきましたね。

そして、グロサリーも来月以降は右肩下がりが予想されるとのこと。

愚直に単品で点数拡大を図り、客単価アップを図り続ける方向性を間違えてはいけませんね。

投稿: てっちゃん | 2023年9月14日 (木) 07時18分

hataboさん、コメントありがとうございます。

→値段が出せない企業にとっては生命線です
価格という単純で分かり易い集客手法を敢えて捨てて、価値という来店動機を選択し実践し、そして結果に繋げている。

逆に我々が学ぶべき商売の仕方ですね。特に地方中小の今後の方向性だと思います。その為の人材マネジメントをどう活かし続けていくか。どの企業にも課題の解決によって存在していけるのですから、徹底度合いが重要でしょうか。

投稿: てっちゃん | 2023年9月14日 (木) 07時14分

物価高で顧客の生活防衛は高まってますから現場で何が起こっているのか?コロナボケしたデータ分析のたがを締める時ですね。売上=客数✖️一品単価✖️買上点数。これを店舗数値と部門数値に分けて比較する。店舗客数と部門客数差。客単価差、買上点数差・・・ここから現場に何が起きこれから何が起きえるかをある程度見えて来ます。
グロッサリーは売上だけ見てると来月以降は右肩下がりになる事でしょう・・・インフレ=値上がりによる客単価上昇と部門客数、買上点数を見比べれば自ずと答えは出てきます(笑)
更には日用品の数値も要注意でしょうか。日用品の数値はドラックストアの影響度に関連してますから。ついで買いから使い分けの時代に入った事が数値的にも見えるかと。

投稿: dadama | 2023年9月14日 (木) 06時59分

来店動機はお店によって様々でしょうか、店のコンセプトがお客様にとって魅力的かどうか。
いかにお客様に伝えるかがポイントですね。
他でやってないイベントなどがあると商圏が広がるのでいかに差別化できる企画、商品というのも大事ですね。
特にうちのような値段が出せない企業にとっては生命線です。

投稿: hatabo | 2023年9月14日 (木) 06時57分

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