事例の共有スピード
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
個店毎に売場が作られ顧客が来店。
それに伴い個店毎の業績が積み上げられていく。
そして当然ではあるが、個店毎に業績が異なるのである。
同じ売場同じ品揃え同じ売価同じレイアウト。
なのに、業績が異なるのは何故か。
多少の外部与件(競合・客層・商圏・店舗規模)はあるだろう。
しかし、同じような外部与件にも関わらず、販売金額等の業績(特に売上昨年比)が異なるのである。
そしてそれが「人」に付いて回るのも事実。
要は、店長が変われば店舗の業績が変わり、チーフが変われば部門の業績も変わる。いや、売上という業績以外にも「荒利額」「生産性」「退職数」等の諸々の数値も変化する。
“商売とは人に付いて回るもの”
そうタカを括ってチェーンストア経営をしているのであれば、それはそれでいい。
しかしもったいないのは人に付いて回る「実践法」である。
せっかく、業績が付いて回る店長や部門チーフの業績獲得の知恵や実践法がその人だけの暗黙知(頭の中だけの知恵)に終始していることである。
その暗黙知が組織内の公開されれば組織全体の業績が良くなるのでは。
そう思うと残念でならない。
特に中小の地方スーパーにそのような現象が多い。
10店舗以下の企業は、個人経営から多少有能な創業者の側近が外に出て店長職を担ってきた経緯がある。よって、創業者同様にその店長独自のスキルによって店舗運営がされているのである。しかしそれはどんなに大企業となった組織も初めはそうだった。
そこから一気にチェーン拡大していく過程で運営手法が変わった。
巨大化していけばいくほど、同じ方針で同じ手法で同じ店舗運営をしていくことで、そのチェーン化のスピードが速まり、更に加速していく。
その過程で標準化が定番化していくのである。
標準化とは、暗黙知を持つ有能な店長や販売力のあるチーフから、その暗黙知を解放させて、その手法を全員が実践できるように文字化していったのである。
要は成功事例の共有化とも言える。
そうやって、有能な人材のノウハウがどんどん共有され、経験の浅い未熟な担当者でも店長でも、初めての経験でもそのノウハウが共有されたマニュアルによる手本が、有効に働いて似たような業績を創造できる組織が出来上がったのである。
しかし中小ほどその意識が少ない。
そこが実は大きな課題なのである。
個人のスキル発揮をヨシとしながらも、そこに強みを持つ個人のノウハウの集大成を共有することで、よりスピードある業績達成、そしてその為の売場作りが共有されていくのである。
またそれを推奨して共有化する統括が不在なのかもしれない。
まだまだチェーン化も多くない中小の店舗。よって、その中での成功事例や売れる売場作りのノウハウの共有も大手以上にスピーディに実践できるはずであり、そこを最大の強みとしていかねばならない中小小売店。
その共有化を実務的に実践できる存在。
そんな存在が今一番問われているのではないだろうか。
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食品商業10月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。
「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(10月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(10月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメント(9月編)ダイジェストの視聴はこちら
AJSオール日本スーパーマーケット協会主催「第12期店長塾」(2023年9月13日~14日にて講演を行いました。
昨年に引き続き、第12期店長塾の第三回目の講師を担当
講演テーマ「組織マネジメントにおけるストアコンセプトの効果と実践」
*今年は組織マネジメントの根幹を為す「ストアコンセプト」の重要性を学び、
自店におけるストアコンセプトの作成と実践手法を学び、店舗として52週MD
のPDCAを回すことをテーマとして研修を実施
農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。
基調講演の内容
①ファイブマネジメントの概略
②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
③競合対策としての顧客の五感の実践
④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
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コメント
hataboさん、コメントありがとうございます。
→人員不足のため店として、会社としてお披露目して共有する時間が取れなくなってきてしまっているのも事実
それもまた事実でしょうか。但し、成功事例をお披露目する時間が取れないという「伸び代」が見える分、まだまだ有利かなと思います。それすら見えない組織人が多いと思いますよ。
投稿: てっちゃん | 2023年9月17日 (日) 11時25分
成功事例のマニュアル作り、店の基準を上げていくために必要なことであり、他部門の成功事例であっても活用できることもたくさんありますね。
これがなかなか人員不足のため店として、会社としてお披露目して共有する時間が取れなくなってきてしまっているのも事実です。
この時間や拾い上げて共有するリーダーになっていきたいですね。
投稿: hatabo | 2023年9月17日 (日) 07時36分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
目的買いと衝動買い。
そしてそれは、どちらも重要だと思いますが、まずは店舗にどれほどの目的買いの要素があるかどうか。そしてその目的買いによって来店されたお客様が、ようやく衝動買いを積み重ねてくれて店舗売上が決まっていくのかと思います。
そしてその衝動買いの買い物体験が次の目的買いへと進化していく。
長い長い道のりですが、上昇スパイラルに持ち込めるかどうか。それは商品政策と販売技術の両面からスイッチを入れていく事が大切かと。
投稿: てっちゃん | 2023年9月16日 (土) 15時19分
ナンバーワンも捨て難いけど先ずはオンリーワン。総花的スーパーから専門性の顧客ニーズが高まった昨今。価格、価値、便利、楽しさ、美味しさ、安心安全、健康、私の苦手な映え(笑)。
拘りスーパーも良いですが地域に拘りを求める顧客がどれだけ存在するのか?どのポジションで地域シェア率を高めていくのか?
先日の途中下車&怪しいカレーうどんから何かヒントを見出して頂ければ幸いです。
良品廉価、言うは易し行うは難しですが顧客に具現化出来るスーパーは地域に永続的に支持されるのだと思います。大手チェーンストアやディスカウンター、ドラックストアは思い切り喧嘩してもらえれば良いですが、その土俵に乗らない経営判断も有りだと思いますし、中小スーパーが成長、存続し得る道だと思うのです。
投稿: dadama | 2023年9月16日 (土) 13時26分