商品力と販売力
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
以前にも記した内容。
「商品力」と「販売力」。
商品力と販売力とは、クルマの両輪であると記した。
どちらも重要な役割である。
暮らしに必要な便利で美味しい商品の品揃え。
リアルに店内の品揃された商品を売り込む力。
商品部の役割と販売部の役割とに分割されようか。
しかし、商品力と販売力は、組織内においても微妙に異なる性質を持つ。そしてクルマの両輪という役割分担で考えると、
商品力 = ハンドル
販売力 = エンジン
そのような役割が、商品力と販売力各々に求められる要素となろうか。
“商品力こそがクルマのエンジンじゃないの?”
そう思われる方もいるだろう。商品という存在こそが実在する物体であり、それ自体が力を持っているのではないだろうか?、という疑問。
しかしそれは違う。
エンジンはアクセルを踏む人間の力加減によって、高回転にもアイドリングにも成り得るのである。
人間の踏み加減で大きく異なる力。
だからこそ、現場の人間の販売技術という能力によって、左右されるのである。
逆に商品は暮らしの変化に対応していく要素が強い。
だからこそ、クルマの中での役割として、品揃えというハンドル捌きによって暮らしの変化へ対応していかねばならないのである。
それでは商品力のハンドルを誰が捌くのか?。
それはもちろん店舗という現場の人間である。
商品の販売計画の立案。
それこそが店舗における商品のハンドル捌きである。商品部と販売部という大枠での区分けでは、
商品部 = 商品力 = 組織のハンドル捌き
販売部 = 販売力 = 組織のエンジン動力
このような大枠で論じなければならないだろうが、こと現場(店舗)に話を向けると、自らのハンドル捌きで販売計画を立案し、自らの販売力で計画数量を売り切るという一連の行為が求められることになる。
とは言っても販売計画は本部提案品からの選定。
本部選定の品揃えや提案品から、現場がそこからセレクトして(ハンドル捌き)、現場のオペレーションにて販売力を駆使した調理、陳列、販売へと連動させていくのである。
現場ではこの一連の流れの精度が店舗力として評価される。
しかし、上記に記した通り、ハンドル捌きとなる商品自体の品揃えを現場が変えることは出来ない。それはあくまでも商品本部が時代に合わせ、自社のコンセプトに合わせて品揃えを決定するわけであるから、基本的には商品本部の品揃えは企業としての大きなハンドル捌きを担うことになる。
それらから52週に応じた最適な商品提案にてハンドル捌きとなる。
それを受けて現場(店舗)が、自らの販売力を駆使して、投入された商品、発注した商品の調理、陳列によって仕入れた商品の売り切りにて、高い販売力からの売上・利益へと転換していきながら、その一連の流れによる顧客からの高い支持によって、安定したリピーターを作り続けていきながら、企業として永続していくのである。
商品力と販売力。
お互いの役割を連動させながら、それが地域の顧客を安定して来店動機となれるよう、創意工夫をしていくことなのである。
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食品商業9月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。
「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(8月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(8月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメント(7月編)ダイジェストの視聴はこちら
農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。
基調講演の内容
①ファイブマネジメントの概略
②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
③競合対策としての顧客の五感の実践
④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
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コメント
hataboさん、コメントありがとうございます。
ラリーを引用してきましたね(笑)。
たしかに、ドライバーとナビゲーターが良い関係になれば、ドライバーは運転に、ナビゲーターはマネジメントに集中出来ますね。それも隣同士で顔に見える関係。おそらくそれが店長という役割なのではないでしょうか。
ナビゲーターも、同じ車に乗って、お互いの苦労が見える、そしてアドバイスできる関係。それが現場力なのではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2023年8月15日 (火) 06時48分
ハンドルとエンジンである以上、一番いいのは一人の人間が操縦するのが一番安全ですし、思うように運転できますね。
これはチェーンストアではできないことですが、一流のハンドルさばきの方が現場にその意思を伝えられたなら、エンジンをコントロールする方も安心してアクセル踏めますね。
うちは小さいので一人に運転させることを選びましたが、ラリーのように助手席に乗って進むべき道をアドバイスしていきたいですね。
投稿: hatabo | 2023年8月14日 (月) 22時02分
k,kさん、コメントありがとうございます。
お互いに心を持った人間ですからね。心情的に感情に左右されてしまうのは当然の事。それを否定してしまうと体に良くない副作用が出ますから、ストレスの無い行動になってしまうのは致し方無いのではないでしょか(笑)。
私は、送り込まれる前にこちらからバイヤーへ送り込みを要請していましたので、どんな場合でも被害者というよりも加害者的な立場で本部と交流していたような気がします(笑)。
投稿: てっちゃん | 2023年8月14日 (月) 20時51分
商品部の提案もワクワクするような商品もあれば力業で売れ!っと上から強引に送られる品、大人の事情でディベートありきで体のよい解説付で送ってこられる商品。こちらも売りたくない理由もないので、頑張って売りますが、上から押さえつけるように言われると安く強引にバッタ売りしてしまいます(笑) もっとうまく巻き込む方法はないんですかね~ 話題の中古車両販売会社と同じような当社でしょうか。
投稿: k,k | 2023年8月14日 (月) 19時24分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
クルマへの例え。
これも進化させねばですね(笑)。
当方は相変わらず、
クルマ = マニュアルシフト
の想定ですが、おっしゃる通り昨今はオートマと同時に自動運転の時代。意志を持ったアクセル踏み込みも許されず、ひたすらAIの判断に任せて最適な運転に終始する。
クルマも商売も同じスピードで進化?しているのでしょうか?。
投稿: てっちゃん | 2023年8月14日 (月) 06時47分
車に例えるなら運転制御もAIによるナビや自動運転の精度も加えられる時代でしょうね。最適なコースや燃費効率、衝突回避等の高精度なAIがより快適な運転に繋がる・・・マニュアル運転は資格が無ければ運転出来ない時代。楽しい、スリリングな商売は周りの刺激にはなれど誰でも安心安全に目的地に辿り着ける事が求められるのは車も商売も同じでしょうか。
投稿: dadama | 2023年8月14日 (月) 06時41分