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2023年8月31日 (木)

「買いたい」スイッチ

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


お客様の購買動機。

  価格or価値or両方(笑)。

当然、価格的魅力で購入される方もいれば、同じ方が価値を認めて購入される場面もある。

  価値と価格。

両方の魅力が必要であろう。それが同一商品でその両方を満たしていれば最高であろう。が、それはまずない。

  価格が安いか価値が高いか。

そして、価格は比較しやすいから売る方も買う方も楽である。

  楽であるということは機械的である。

絶対的な安さを比較して、安いお店で購入するという構図。比較しやすいということは、NB商品がそのほとんどであろう。

  だからNB主体のグロサリーは競争激化なのである。

それを企業として店舗としてカバーするのが生鮮3部門、そして惣菜、更には地域性の高い日配であろうか。

  しかし上記カテゴリー商品でも比較されやすい場面がある。

NB的な商品やNBそのものである場合は、価格比較が容易である。

  日配のNB商品での価格比較。

これなどは、グロサリーのNBと同様に、顧客は価格比較が容易である。だから自店と他店で価格比較により評価がされていく。

  それでは生鮮は万全か?。

いや、生鮮部門でも価格比較される場面はある。

  同じ量目・価格帯での商品比較。

結構、このような比較によって生鮮の強いお店と弱いお店のに識別されているのである。それはどういうことか?。

  比較されやすい量目や価格帯で下段商品を展開している場合。

これが意外に多いのである。競合店と同様のトレイ容量で同様の価格帯の商品を販売している場面。このような場面は結構多いのではないだろうか。

  そのような品揃えであれば価格比較は容易である。

そして、大抵の食品スーパーは従来からの量目、価格帯にて何気なく商品化をしているから、顧客の価格比較も容易にされてしまうのである。

  重要なのは顧客の「買いたいスイッチ」なのである。

同じ量目や価格帯の商品化のみであれば、同じ量目であれば安い方購入するし、同じ価格帯であれば量目の多い方を購入する。これは当然の事である。そしてそれを容易にしているのが、同じ量目同じ価格帯の商品化なのである。

  わざわざ競合他社と比較されやすい商品化で品揃えしているのである。

こうなったら、顧客の価格比較が容易となり、いずれ一極集中されていくであろう。だからこそ、顧客の買いたいスイッチの入る商品化を目指すのである。

  顧客の買いたいスイッチの入る商品化とは?。

上記のような比較されやすい商品化ではなく、商品を見た途端に価格に目が行かずにその商品から美味しさや食べたさが優先的に伝わってくる商品である。

  その一つが大容量の商品化。

大容量化はコロン禍においての買い溜めという環境が生んだ商品化であるが、買い溜めという環境は今後も継続していくであろう。これだけガソリン高や物価高騰が続けば、顧客はお買い得日に合わせてのまとめ買いを選択するであろう。

  グラム単価ではお買得
  1切れ単価ではお買得

このような部分で商品価値を打ち出し、より多く購入することでより価格的なメリットが出る商品化である。そしてそれはもう一つの商品価値を打ち出しているのである。

  大容量化が美味しさ感を打ち出しているということ。

少量やパック単価に合わせると比較対象となってしまうが、大容量は比較されにくい特性を持つのと同時に、大容量により美味しさ感が高まり、食べたいスイッチが入ってしまうのである。

  焼肉セットやスィーツの大容量化。

それらによって、美味しさをもたらす商品のパーツがより目に入り、それが思わず食べたいというスイッチを押してしまうのである。

  スイッチが入ったら最後。

購入は時間の問題。だからこそ、価格比較以上に美味しさ感をアップさせた商品化が生鮮部門の鍵を握るのである。

  魚のカマを大切りで商品化。
  魚の腹身を大切りで商品化。
  肉を厚切ステーキで商品化。
  希少部位を大容量で商品化。

いろいろな商品を大容量で商品化することで、比較されにくくなり、食べたいスイッチが入ってしまう商品としてリピーターが増加するという構図。

  この構図をどう呼び込むか。

だから、生鮮惣菜はますます商品のプロ、調理のプロ化が望まれるのである。






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1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
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基調講演の内容
 ①ファイブマネジメントの概略
 ②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
 ③競合対策としての顧客の五感の実践
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将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。


AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。

40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表


農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
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   三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
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コメント

hataboさん、コメントありがとうございます。

→夏バテのせいかブログのスピードについていけません
いやいや、単車に乗る野心があれば、毎日のコメントなどたやすいものかと😎。

視点を外に向けて初めて、自社や自店との買いたいスイッチという視点が生まれるものかもしれません。やはり比較対象があるからこそ自店の商品の魅力度が明確になるのでしょうね。

そこから、自店ならどう買いたいスイッチを入れる売り方に出来るのか、という創造力が生まれていくのだと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2023年9月 1日 (金) 11時43分

最近、夏バテのせいかブログのスピードについていけません(笑)
まとめてコメントします(笑)
同じ量目、同じ価格帯での商品化、スーパーばかりに目を向けているとなかなか変えられないですね。
コンビニを見てると焼き魚、煮魚のレンジアップ商品があり、よく酒のつまみに買うのですが、高いですね(笑)
だけどうれてるんでしょうから、スーパーはもっとお買い得に売っても儲けられるなと。
外食にしても色々なヒントが眠っていると思います。
安く売れないなら価値が価格を上回ればいいだけですからね。

投稿: hatabo | 2023年9月 1日 (金) 09時36分

dadamaさん、コメントありがとうございます。

1日に数千人のお客様が来店される食品スーパーですから、当然価格を目的とする顧客もいるでしょうし、品揃えの独自性を求めてリピーターが来店する顧客もいるでしょう。

但し、店舗で最優先に大切にしなければならないのがリピーター。月額で3万円以上購入される優良顧客ほど他の競合店に吸引されるわけにはいきませんから、その方の購入目的を知ることは重要かと。

それと同時に個店で商品製造が可能な鮮魚、精肉、惣菜ほど価値訴求は可能かと思います。そして希少部位とは高質な商品でなくてもいくらでも商品化が可能ですから、やは生鮮のプロ化は必須でしょうか。

投稿: てっちゃん | 2023年8月31日 (木) 10時56分

k,kさん、コメントありがとうございます。

そうです。プロ化です。生産性や人材不足から逆の方向に進めている企業も多いと思いますが、調理技術を要する部門はプロ化の方向に進めなければ、いずれ大手に吸収されていくのは自明の理かと感じてます。

希少部位の強化も取組み当初は違和感のあるお店もあるでしょうが、そのような品揃えがいずれ目利きのある顧客のリピーターに繋がるのかと思います。

k,kさんもそんなお店での買い物を楽しんでいるような(笑)。

投稿: てっちゃん | 2023年8月31日 (木) 10時49分

私は生鮮音痴(笑)なので主婦目線に近いかも知れません。ですからPI値の高い商品は価格で見てしまう。たまご、マグロ、サーモン、鶏モモ肉、ミンチ肉、ブロッコリー(笑)。事実ディスカウンターはそれら商品を地域一番価格で集客している。目的買い商品はやはり価格なんだろうなー、美味しいとか産地とかに拘って選ぶのは田●調●や芦●に住まれるセレブだけなのではないか?と思うのです。特に最近の物価高、家内の愚痴や買物行動を見てると庶民の縮図が見えてくる(笑)。とは言え美味しくて健康的な食生活は誰もが望んでいるはず。●梨県や愛●県の某スーパーが安心安全や美味しさを看板に上げてアピールされて支持されてますがその理由はお客様に明確に価値や差別化を訴えてるから。消費者も賢くなってますから的確な価値判断をする時代、コモディティ商品はお値打ちに提供しながら琴線に触れる価値を品性(笑)を交えて訴求する事で利益担保を取らねばと感じますね。

投稿: dadama | 2023年8月31日 (木) 06時46分

プロですか?知識や経験積んで認めてもらえるなら結構ですが、そういう企業さんは都内にいかないとないのかな~っと。趣味では活かせてますけど(笑) これからそういう若手を育てようと思ってますが、ありがた迷惑じゃないかなと感じることも。やはり大型店舗、小さいけど回転が良い都内店舗じゃないと活かしきれない?以前、大きなカマ等作りましたが切ってちょうだい、又、面倒になって切るのやめたんだよ。だからでかいんだよとお客様の会話が聞こえてきました。場所を選びますね💦でもそういうコンサルタントの先生が増えるのは嬉しいことです(^∇^)

投稿: k,k | 2023年8月31日 (木) 05時18分

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