視点の違い
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
店長目線と部門目線。
微妙に異なることは知っていた。
それは、店舗を一個の商品として捉える店長目線と、部門を商品回転のサイクルで捉えるバイヤー目線の違いでもある。
店長は店舗トータルで店舗力を高めようとする。
バイヤーは商品回転を最優先に部門全体を見る。
基本的には一致するのであるが、店長目線はあくまでも顧客目線とイコールであり、バイヤー目線はあくまでも商品販売側の目線とイコールとなる。
そこに店長目線とバイヤー目線のギャップが生じるのである。
そして、その目線のギャップが以下の視点の違いを生む。
店長目線は店舗レイアウトの客動線に現れる。
バイヤー目線は部門内のあるべき姿に現れる。
バイヤーはどうしても、自部門を縦割りで捉え、その縦割りの括りの中での起承転結を図ろうとするのである。
それは当然の事であろう。
部門の数値責任を負う役割のバイヤーでもあるわけだから、部門内でのレイアウトによって、起承転結による仕入れ、陳列、販売、売り切りの過程での課題を解決する為に縦割りに拘るのである。
しかし店長目線は異なる。
それは、店舗を一個の商品として見る訳であるから、更に大きな店舗レイアウト上での顧客の買い物動線に沿った課題の解決の視点で売場を見る視点を持っている。
よって顧客優先での売場配置に視点を移すのである。
その壮大な視点からもたらされる部門の合同展開や関連販売、更には客動線に合わせたレイアウトの変更案がどんどん出てくるのである。
店舗レイアウトを活かしたより有効な客動線の獲得策。
それによって、部門内でのあるべき姿としてのレイアウトを、更に大きな枠組みで捉えたレイアウトに変更することもあるであろう。
それだけ部門の枠を超えた視点がそうさせるのである。
以前のブログで、商品力と販売力を記した。
商品力 = ハンドル ~ 常に変化対応
販売力 = エンジン ~ 常に普遍の力
そして、店舗で商品力のハンドルを捌くのは、店長であり、そのハンドル捌きからのアクセル操作は各部門の力量によって加速力が異なることになる。
販売力は店舗の部門の点数拡大力でもある。
来店されて顧客一人当たりに対して、どれだけの点数を購入して頂けるか。それが部門の販売力であり、その販売力を一個の商品力として結集させるのが、店舗のリーダーのハンドル捌きとなって、顧客の次への来店動機の高まりを喚起させるのである。
そのような目線が明日の顧客を獲得していくのである。
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食品商業9月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。
「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(8月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(8月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメント(7月編)ダイジェストの視聴はこちら
農協流通研究所主催「全国部門主任サミット」(2023年7月27日~28日)にて基調講演を行いました。
基調講演の内容
①ファイブマネジメントの概略
②4つのハードルを越えて安定成長を目指す
③競合対策としての顧客の五感の実践
④部門特性を活かした販売力の強化
将来的に店長を目指す部門サミット故に、上記の内容で目の前の実践と同時に、店長候補としての店舗運営者としてのマネジメント力向上の二つのテーマでの講演。
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
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コメント
hataboさん、コメントありがとうございます。
人材不足に対する対応は個店毎に異なりますが、それでも全店舗の現実はそこに尽きるのではないでしょうか。
よって、店長だけではなく、組織としても人材活用法、作業効率の模索による売場の安定を図ることへの取り組みは今後更に重要となっていくのかと思われます。
店長自身の役割も重くなっていくのかと思いますが、だからこそ店長自身の報酬も合わせた自己改革が必要でしょうか。
投稿: てっちゃん | 2023年8月20日 (日) 10時47分
私は両方経験しましたが、店長でないと部門の壁は破れないですね。
これだけ人手不足になってしまっているので、部門を超えた仕事をしていかないと回らなくなってきてしまいました。
その分人時売上高は上がりましたが。
バイヤーのときは他の部門のことなんか知ったことではない、うちの売り場に商品を邪魔だから並べるな、そんな考えでしたが、店長になって後も変わるのかと自分でもびっくりしています(笑)
投稿: hatabo | 2023年8月20日 (日) 07時42分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
上振れ、大いに結構ではないでしょうか。
それも基本の土台(本部提案)があるからこその安定した上振れという関係でしょうから。
そしてお店全体で個の個性を強みに転換出来た店舗は大いに上振れしているようです。
投稿: てっちゃん | 2023年8月19日 (土) 08時10分
k,kさん、コメントありがとうございます。
→商品部は幹の中で・・・
そうですね。見えない幹の中でもお店の花を綺麗にさかせて散り際まで見えない幹の中で大活躍?する。
そのような全体像を皆で共有しながら一本の木を毎年綺麗に咲かせ続けていきたいものです。
ちなみに、k,kさんの奥様、凄い事を言いますね(笑)。
投稿: てっちゃん | 2023年8月19日 (土) 08時05分
同じMDや商品を販売していても数字がブレる現実。数字のブレ=個のスキルのブレとも言えるでしょうか。私的にはブレる会社のが好きなのですが(笑)。企業的にはレール内を安定して走れる組織が良いのでしょうね。いよいよ秋、新米を切口に色々と仕掛けられる絶好のタイミング。個のスキルを認める企業は大いに上振れして頂きたいですね。
投稿: dadama | 2023年8月18日 (金) 16時02分
店を一本の木として見たときに太い枝に各部門があり、その先に細かい小枝。そこが鮮魚なら刺身、切身、塩干等に分かれる。その木の集まりの林を視るのがエリア部長、森を視るのが役員でしょうか。商品部は根を廻したり、季節によって葉を芽生えさせ秋に枯らして冬に備える。枝先ぶりを整える役割でしょうか。以前、かみさんに言われた言です。メイン刺身のパートさんの休み前に翌日担当するパートさんに細かすぎる指示を出して逆キレしてました。視る世界が小さいから細かい。チーフはちょっと広い、店長→部長→役員→経営者と広がるのでしょうね。商品部は木の状態を整えながら幹の中で大活躍なんでしょうね。
投稿: k,k | 2023年8月18日 (金) 07時05分