社長交代
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
企業の親会社の変更。
いわゆるM&Aによる企業買収。
これによって、社長が交代した途端に店舗内の売場作りや品揃えがガラッと変わってしまうのは通例であろうか。
成功する場合もあれば客離れの原因となることもある。
なんとも難しいことではあろうが、多くの場合は、従来からのリピーターや古い顧客を失う要因となっていることは間違いないであろう。
そのような現象が各地で頻発しているらしい。
中小が大手GMSに買収される。
中小がドラッグに買収される。
中小が地域SMに買収される。
中小が外食産業に買収される。
看板がかわり、内装が変わり、更には売場や品揃えがガラッと変わってしまう。
いろいろな形態で企業買収が生まれ、そして従来からのその企業の独特の存在感が抹消されていく。
先日もそのような現象を目のあたりにした。
地域の食品スーパーとして成長し、価格訴求型のSMとして知名度を上げ、更に高質タイプの店舗運営を目指して独特の存在価値を維持していたSMが、社長交代とともにガラッと店内のイメージを変えて改装を推進しているようだ。
完全に従来のイメージを一新しようとしているのが明らか。
また別のエリアでも、大手GMS傘下に入り、従来の地域密着型の店舗スタイルを一新して、完全な大手GMS側のマネジメントの管理下に置かれた店舗運営に変わってしまった。
そのエリアに毎年一度訪れた時に立ち寄るお店であった。
そこは地域性の高い品揃えが特徴的で、更にその地域性を活かした惣菜の品揃えが独特であり、毎回お土産として立ち寄り、珍しい商品を購入して帰ったものである。
しかしここ数年で大手の買収された。
ドラッグに買収されて、かっての独特な品揃えが無くなったお店もある。そのお店は酒の品揃えに関しては間違いなく地域一番を誇っていた。だから、そこでの日本酒の買い物は楽しみの一つでもあったが、ドラッグ買収後は何の魅力も無くなってしまった。
“ここまで変えるかぁ~”
従来からそのお店を知る人間にとってみると、そう感嘆してしまうような激変ぶりである。
そしてそこに一番の不満を持つのが周辺顧客であろう。
しかし逆に言いうと、その拘りが仇となったという見方もあろうだろうか。
拘れば拘るほど利益が食われていく。
その相反する関係をどうトレードオンの関係に転換できるか、それが中小が直面する課題ではないだろうか。
逆に言えば自社の強みを利益に転換する術。
これをどう磨いていけるのか。それが当面の中小の課題ではないかと思うのである。
顧客の喜ぶから自社の強みと判断する。
その強みに惹かれて顧客はリピーターとなっていくのである。しかし意外にその強みが利益を生んでいるとは限らない。
意外に無償のサービスに陥っている可能性すらある。
そこをもう一度見直してみる必要はあるだろう。本当に自社や自店の強みと認識している部分は、利益頭になっているのかという確認。
一般に自店の強みで利益を獲得する。
それが一般的な利益獲得の常識であるが、中小ほど自社が認識している強みが利益に転換されていないケースがままあるのではないだろうか。
利益とは独自性や差別性があって初めて獲得できる領域。
しかし、意外に企業トップは、強みと評価されているだけで満足しているのかもしれない。
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食品商業8月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。
「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(7月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(7月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメント(6月編)ダイジェストの視聴はこちら
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
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コメント
hataboさん、コメントありがとうございます。
売りずらいものを、どう売切るか。
この答えを身に付けたものだけが獲得できる独自性と利益。この価値は大きいですよ。
但し、その独自性もいずれ他者でも獲得されていく。だからこそチャレンジの積み重ねによって進化し続けていくことが求められるし、それがまた仕事に楽しさでもある。
とは言っても、だからこそ「T&T理論」を実践しつづけることが重要でしょうか。
投稿: てっちゃん | 2023年7月 8日 (土) 12時33分
うちももし買収されてしまったら、差別化商品なんてできなくなってしまうでしょうね。
そうしたら私の存在価値も無くなるので転職だろうな、と考えております。
期待に答えくてはいけない重圧と利益の重圧。
売りづらいものでどう利益を出していくか、答えはわかってるんですけどね(笑)
投稿: hatabo | 2023年7月 8日 (土) 12時10分
k,kさん、コメントありがとうございます。
画一化されていく品揃えと店舗レイアウト。そして失われていく個性という独自性。
そして同時に、個人の従業員も同様に画一化されていく。それが自分にとってどうなのかは、それこそ個人の自由でもある。
その結論はこれこそ自分にあり、自由に選択できるから、その結果としてのその後にも自分の選択が付いて回るもの。
そして私は今、自分が選択してきた過去に後悔していません。というかしたくない(笑)。
そんな人生を送り続けたいものですね。
投稿: てっちゃん | 2023年7月 8日 (土) 11時18分
大手の傘下に入った当初より今現状PBの売場面積が益々増えております。魚もそうです。しかも競合はその親会社(笑)お客さまもつまらないでしょうね。その他競合地場スーパーも他の大手の小会社になりつつあります、魅力的な品揃えも変わってきました。なので道の駅や市場に買い出しに行く機会が増えました。そこだけは変わらないで欲しいです(^_^;)
投稿: k,k | 2023年7月 8日 (土) 09時53分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
一部メンバーで昨年視察した時と今回との差。競合は砥石といわれますが、まさにその通りなのかもしれませんね。更にそれにたいして如何に自店を磨き上げるかという具体策を捻出する情報も重要。
競合店との交流が如何に大事かということでもあるでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2023年7月 8日 (土) 06時52分
奇しくも今回の幕もその事例検証となりましたね。大規模改装による主顧客層のターゲットを変えた事により売上は大きく伸びたものの、離脱した顧客も相当数おり競合店の売上も伸びた現実。
勿論、同じ客層を持つ競合店はかなりのダメージを食らった事でしょう。同質化と差別化の良い事例であり更に差別化に磨きをかける事と今まで築き上げてきた顧客の信頼を裏切らねば競合は自店を磨く砥石となり得る事を証明しましたね。
メンバーが経営理念をしっかりと腹に入れ真摯にお客様と向き合えば価格だけではないニーズも見えてくるでしょうし今回のクリニックで更なる飛躍する事を楽しみに見守りたいですね・・・T&T最高(笑)。
投稿: dadama | 2023年7月 8日 (土) 00時59分