前出しという基本
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
売場の手直し。
時間帯別に場所を決めて実施しているであろうか。
作業割当表等にて、そのような時間を決めて割り当てられた従業員が実施している企業もあれば、気付いた幹部が前出しをしている企業もあろうし、逆に全く無関心な企業もあろうか。
売場の手直しは基本中の基本。
しかし、徐々にそのような基本の徹底が崩れてきているのが現実なのかもしれない。
それでは、なぜ売場の手直しが基本なのであろうか。
それは現場で行える点数拡大策の基本だからである。
特に菓子部門などは、前出しのしっかり出来ている売場を作るだけで、売上が5%拡大できると言われてきた。
そして現実にその通りの結果が出せた。
そのような過去の経験が、マニュアル作成においても日々の基本として作業割当表に落とし込んででも徹底させることを実践してきたのである。
特に売場が乱れやすいカップ麺や飲料、ビール等の売場。
これからの季節であれば、夕方の飲料やビールの動きは急激に高まる。そこの補充と手直しは基本中の基本であろう。
更に重要なのは特設売場の底上げ。
前出しというと、定番売場での陳列棚の奥から手前に引き出す「前出し」を連想されるが、同時に特設売場での箱積み商品の底上げも重要である。
特に底上げは効果絶大である。
何故か?。
特設売場ほど商品が隠れてしまうからだ。
定番はある程度売れても、商品が奥に陳列されているのが見えるが、特設売場では箱積みの為、売れれば売れるほど商品が段ボール箱の底に沈み込み、横から見ると商品が見えなくなるのである。
商品が見えるか見えないか。
これは、売れるか売れないかを決定づける重要なポイントなのである。
それも顧客の五感として重要なポイントとなる。
単品量販で商品を大陳するのは、商品自体で圧倒的なボリューム感を演出し、それがお客様から見た時に「お買い得感」を刺激し、買ってみたい食べてみたいというスイッチを押してくれるのである。しかし、上記のような状態になってしまったら、お客様から見た時の売場は段ボール箱しか見えない売場となってしまっており、買ってみたい食べてみたいというスイッチは全く入らないであろう。
この差は決定的である。
だからこそ、特設売場ほど圧倒的なボリューム感を維持しなければならないし、目標を持って仕入れた数量を早々に達成する為にも、底上げを徹底して売場のボリューム感を維持し続けることが重要となるのである。
これを徹底するだけで間違いなく5%の点数拡大は図れるのである。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
→今日はグロッサリーに熱いですね
最近少しばかりグロサリーに興味を持ち始めまして(笑)。
冗談はさておき、グロサリーほどこのような手直し、前出し、底上げによる数値効果は生鮮出身の人間が考えている以上に効果大ですね。
やはりこの業界は地道な日々の基本の積み重ねによって、待ちの商売が成り立っているということですね。
投稿: てっちゃん | 2023年6月 6日 (火) 06時47分
hataboさん、コメントありがとうございます。
そうは言っても、担当者はとにかく欠品している商品の品出しに追われますから、最後のコメントしている通り、どこかの時間で決め事としての前出しの時間を取ることが重要でしょうか。
それによって、意識が一気に高まると思いますし、違う視点で自分の売場を見る視点が付くのでは、と思います。
投稿: てっちゃん | 2023年6月 6日 (火) 06時42分
今日はグロッサリーに熱いですね(笑)。
定番前だしは見栄えだけで無く商品管理や売筋把握には欠かせない情報源ですね。前だし中に「こんな商品があったんだ!」と興味を持ち定番からサイドネットやフェスアップするだけで10倍以上売上は変わりますし鉄筆(コト)POPを付けると更に伸び売上激変の楽しみも見つけられますね。
前だしと面合わせはグロッサリーの常温販売売場はお客様の視点に晒されますから管理が悪いと店全体の鮮度イメージに影響する事も意識したいですね。購買動機7対3の法則に則れば目的買いはお客様は定番に買いに行かれますし事実必需性の強い特売商品はエンドに山積みしてあっても定番がすっからかんになる事が茶飯事に発生します。
だからこそエンドは衝動買いを誘う鬼積み単品量販&鉄筆殺し文句コトPOPで買上点数を上げるべきだと思いますし、この売場をやり切る為には部門客数、部門買上点数、部門支持率、部門上位販売SKUと単品構成比は最低頭に叩きこまねばなりませんがこれらを知る事で売場の在り方が大きく変わりお客様にも欲しい商品が沢山ある売場になっていく事でしょう。
投稿: dadama | 2023年6月 6日 (火) 06時34分
売り場を見ているとダンボールで出している商品があり、商品が少なくなりダンボールしか見えない、なんてことがよくあります。
担当者にはダンボールを売ってるのか(笑)?と聞きます(笑)
お客様からどう見られているか?
前出しもしていなければ商品が無いように見えたりで、売れるものも売れなくなりますね。うちは時間を決めたりしてませんので計画して実践したいと思います。
投稿: hatabo | 2023年6月 6日 (火) 06時34分