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2023年5月29日 (月)

ストアコンセプトの進化

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


ストアコンセプト。

  毎年年度初めの年間店舗計画。

名称は違えど、毎年本部方針を受け、更に店舗運営部(販売部)方針から降りてきた方針を、自店にアレンジして今年の店舗方針をまとめた指針がストアコンセプトとなる。

  年度初めであるから3月又は4月スタートが多いであろうか。

または、企業によっては7月スタートや9月スタートといった企業もあるかもしれない。

  そしてそれは毎年更新されて継続されていくもの。

更に一番の課題は、店舗方針やストアコンセプトは提出されるものの、そこから店舗内で一向に共有されないという課題である。

  店舗内で共有されるからストアコンセプトなのである。

しかし、そのお店のパートさんに聞いて見ると、「聞いたことが無い」「見たことが無い」「何の話か分からない」と言った声が多く聞かれるのである。

  店長やチーフや共有しているつもり。

しかし、つもりであるから、本気で末端のパートさん達にまで共有しているという確信はないのであろう。店長自身が確信を持てないのであるから、パートさん達には全く伝わっていないという認識の方が正しいと思われる。

  ストアコンセプトは店舗内で共有されて初めて価値を持つ。

そして共有した段階から、ある種の責任が店長、チーフ、担当者、そしてパートさん達にまで伴っていくのである。

  責任とは関わりであり共有なのである。

そして、ストアコンセプトの共有から初めて本質的なコミュニケーションが店長とパートさん達で交わされることになるのである。

  この効果は絶大だ。

だからこそ、自ら作成した店舗方針やコンセプトを共有してほしいのである。

  “てっちゃんそんな余裕はないよ”

という言い訳は、この場合は聞かない。時間の問題ではなく店長自身の店舗運営への意志も問題だからである。

話は基本的なところに行ってしまったが、そんな記事を何度も載せてきたように思う。そして今日の話題は、そのストアコンセプトの毎年の進化である。

  惰性で作られたコンセプトには進化は無い。

店舗内で共有されたコンセプトだからこそ、そこに振り返りと反省が生まれ、そして更に有効な共有としての新たなコンセプトが毎年更新されていく。

  昨年の取り組みから構築された基本。

毎年目標として掲げた方針は多少なりとも積み上げられていく。そしてその積み上げからの店舗力、そして新たに競合店や商圏を振り返ってみると見えてくる、今年の積上げする部分。

  今年の積上げ部分がコンセプトに変わるのである。

だからこそ、毎年更新されるストアコンセプトは毎年進化していくのである。それもそのお店の店舗力を高めるために進化されて新たな店舗目標となっていくのである。

  例えば初年度は「52週MDの構築」とした。

しかし、その52週MDを掲げたからには、ちょっと派手にやり過ぎの感もあるような52週を実践してみた。

  結果大きな反省が残った。

やり過ぎてロスを生んだ部分。もっとやればよかったという部分。競合店では別の視点でイベントを捉えていたという自店との比較。いろいろな部分が見えてきた。そして翌年も52週MDを実践していくこととした。しかしそれはあくまでも継続というレベル。初年度からの反省から特別にコンセプトに乗せるほどの力の入れ方から外したのである。

  それ自体が大きな進化なのである。

そして、前年に取り組めなかった「単品量販」というテーマを翌年のストアコンセプトに掲げた。初年度の52週MDがある程度効果を生み、そして競合店との差別化にもつながってきたという一定の効果を鑑みての、次年度の新たなテーマ設定である。

  そうやって店舗としての力が積み重なっていく。

店舗力とはあくまでも店長としての関りと共有が全てではないだろうか。






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食品商業6月号が発売されました。
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当方の執筆は以下の通りです。

1.「生産性を高める 作業割当表の活用法」

2.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
    一時限目 ~ ファイブマネジメント
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今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。




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AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。

40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表


農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
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イプロス「都市まちづくり」に、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。






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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。

義務と思うか権利と思うか。
確かに、義務と思っている方がほとんどかもしれませんね。

おそらく、取り組み始めた当初の店長はほとんどが義務感からのスタートだったかと思います。

私自身の経験ではストアコンセプトを実践して数年後には、権利と言う認識以上に自分自身とメンバーにおいて、なくてはならないツールとして受け止めるようになりました。

それ以降は、上司から言われなくても独自に実践するようになりましたね。

投稿: てっちゃん | 2023年5月29日 (月) 10時41分

ストアコンセプトの立案も店長の義務と思うか権利と思うかで中身は大きな違いを生じますからね。1年を楽しめるようなドキドキワクワクのストアコンセプトにしてもらいたいですし、そのような店長が陣頭指揮を取るお店の業績が良いのはこの集まりが証明してくれてますから。
先日神出鬼没したあのお店も生鮮素材が絶好調との事です。

投稿: dadama | 2023年5月29日 (月) 09時16分

hataboさん、コメントありがとうございます。

まずはひとりでも多くの方に共有して頂くという意志を持つことでしょうか。

おっしゃる通り、説明しているつもり、でもそのつもりという認識のうちは相手にもそれが伝わるもの。

そして継続してストアコンセプトに則った軸の通った売場つくりを意識してコミュニケーションし、実践し、検証していくことの継続が、店舗に大きな力を生んでいくのかと思います。

投稿: てっちゃん | 2023年5月29日 (月) 08時19分

説明してるつもりでも、全員に理解してもらい共有する、とても難しいことですが、一人でも多くの人に共有してもらいたいですね。
せっかく仕事として頑張ってくれているので方向性をちゃんと示し、各々の力を一点集中して色を出していけるように頑張ります。
昨日の差別化と平準化の話に興味を持ってもらいありがとうございます(笑)

投稿: hatabo | 2023年5月29日 (月) 06時38分

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