単品量販の効果
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
単品量販。
業界用語である。
企画コーナーに、いろいろな商品を品揃えして全体的な品揃えをして、トータルで売上を稼ぐという販売手法ではなく、その中から数品もしくは一品に絞って、その絞られた単品でトータル売上を高めるという販売手法。
昔から取り入れられてきた手法である。
しかし、とは言ってもそんな単品に頼った売場がこの業界でどれほど存在しているであろうか。
リアルに店舗視察をすると意外に少ないのである。
なぜか?。これもまたいろいろな理由があるようだ。
単品に絞るのに自信が無い。
その単品に絞るのがこわい。
送り込みが多くて絞れない。
以前失敗して在庫になった。
やってみたが結果悪かった。
まさにいろいろな理由や課題が存在し、単品に絞り込まれていないようである。
単純に単品だけには絞れない理由はあるだろう。
しかし、業績の良いお店とそうでないお店の差はどこかということが理解出来てくると、上記の課題を克服しながら、単品量販での効果の高さを活かさなければならないと思うようになっていくのである。
その効果とは?。
例えば菓子の売上が二桁増のお店の上位10品の構成比と、全社平均のお店の上位10単品の構成比はどの程度の差があるのであろうか。
120%増の店舗の 上位10単品の構成比 14%
全店平均の 上位10単品の構成比 9%
同様に上位20単品の売上構成比の比較では
120%増の店舗の 上位20単品の構成比 9%
全店平均の 上位20単品の候施肥 6%
特に上位10単品での構成比の差が甚大である。
要は「単品量販」の効果が絶大であることが示されている。
この数値からも、上位10単品での単品量販による菓子カテゴリー計での売上を底上げしていることは明白なのである。
後は実践あるのみ。
とは言っても、絞れば絞るほどに、別のリスクも高まることも事実である。
どう絞ればいいのか?。という問い。
効果は分かった。しかしそれは効果的な力を発揮する単品に絞ったから、その結果がもたらされるのであって、逆に言えばそのような効果を高める単品をどう選択すればいいのか、という問いである。
それでは、単品の絞り方はどうか?。
売上が期待できる。
利益が期待できる。
競合他社に勝てる。
今が正に旬である。
等、であろうか。売れる見通し、利益貢献度、差別化、旬、等の需要増が見込まれる商品を選択するという選別眼も重要であろうか。
しかし誰もが100%間違いない商品。
それは、結局は誰でも売れる用品に偏り、結局は店舗規模や売れるお店に集中したり、価格的に安価な企業に集中したりしてしまうもの。
そこから先は販売力に移行するのである。
なかなか売れない商品を、単品に絞ることで圧倒的に売ることが出来る販売力。
要は売る力があるかどうかというステージ。
そこに持ち込んで、自らの販売力を信じて実践していくことになる。
いや逆にそのようなステージに引きづり込む必要がある。
そうしなければ、その店舗がその用品に絞る意味が無くなってしまうからである。そしてそうやって売る力が備わっていくものでもある。
しかし単品量販の効果はやはり絶大であることを忘れてはならない。
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コメント
k,kさん、コメントありがとうございます。
根底にあるのは、「仕事の楽しさ」。
売るという楽しさ、売れるという喜び。
これは人間が本来求める本質であり、だれにも阻止できない人間の欲求。それを刺激してくれる上司と仕事が出来るわけですから、自らのスキルを磨こうという意識に自然になっていくと思います。
是非、成功事例という引き出しを増やしてください。
投稿: てっちゃん | 2023年5月12日 (金) 06時26分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
→人間力の最大化と人時生産性の対峙
人時生産性とは、分子の売上が上がれば生産性自体も上がるもの。
そこには人間力の最大化が有効に働くと思われます。それを全く別物と捉える考え方もあることは事実ですが、現場で個性を磨くことでそのような人材が企業を救うのではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2023年5月12日 (金) 06時22分
鮮魚で単品量販というと袖で塩海藻や鮭ブレーク辺りですが生でもやれますね。魚種を絞ってSKUを作り料理方法の提案、試食で売りを作る。私は恥ずかしながらあちらの会との交流がなければ単品量販もコトポップもやっていませんでした💦今は施策を考えるのが楽しくて楽しくて(笑) 現在はパートさんに火をつけてチャレンジしてもらってます、コトポップも段々と上手になってます。嬉しいことですね。会に感謝です(^^ゞ
投稿: k,k | 2023年5月11日 (木) 19時22分
GWにシュークリームを3日間で1200個販売した担当者の事例検証をしましたが単品部門構成比5.3%で牛乳に次いで2位の部門売上でした。
部門買上点数も112%と目的買商品に衝動買商品を1品徹底的に売込む事で部門全体を押し上げる事も確認致しました。部門売上も109%と平均値より5%高くほぼシュークリームの売上が上積みされた結果となっております。
然しながらこれは個のスキル要素と感性による事が多く、マニュアル化、標準化され難いのがデメリットでありリスクですね。人間力をひとつのスケールに合わせようとする弊害である人間力の最大化と人時生産性の対峙、共存を是非ともてっちゃんにご教授頂きたく存じます。
投稿: dadama | 2023年5月11日 (木) 12時37分
hataboさん、コメントありがとうございますね。
リーダーの思いを毎朝の朝礼で伝え続ける、大切ですね。
そして単品量販。
この機に自社や自店の弱みを洗い出し、その中でも強みに徹底して変えていく。それが大切でしょうか。
やはり小売りはお客様に来て頂いてナンボ。そこから先にこだわりがあって評判になっていくもの。
そのバランスは永遠に続くのでは。
投稿: てっちゃん | 2023年5月11日 (木) 07時40分
単品量販はなかなか勇気が無いとできません。
NBでは大手の値段の下は潜れず、差別化だと回転率が悪い。
度重なる値上げで差別化商品の売上の鈍化が課題です。
売る力をもっともっと磨いていかないと本当にきつくなってきました。
今がいいからとあぐらをかくのではなく、しっかりと取り組んでまいります。
朝礼で毎日言って洗脳しながら(笑)
投稿: hatabo | 2023年5月11日 (木) 06時55分