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2023年4月10日 (月)

食品エンド

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。



フリースペース。

  読んで字のごとく自由な売場。

青果なら入口での特設売場、日配なら定番以外の冷蔵平台、鮮魚なら多段ケース以外等々。

  そして食品菓子雑貨ならエンド・特設。

そう、グロサリーのエンドとは本来はフリースペースなのであるが、企業や店舗によっては定番化しているお店も多い。

  定番スペースが少ない為のエンド活用。

企業によっては店舗規模が大きく異なるお店を有し、800坪と300坪のお店に同様の品揃えをしなければならない状況もあるかもしれない。そうすると、必然的に小型店のグロサリーエンドは定番化させなければ必須品揃えが不可能となろう。

  結果としてのエンドの有効活用が不可能となる。

グロサリーのエンドとはご存知のように、主通路側に定番とは別にフリースペースとして設置され、その通路に定番化されている商品の中で、特に強調したい今の旬や、話題性の商品、更には売り込みたい商品をピックアップして通路側に目立たせて、購入頻度を高めようとする目的で設けられているのである。

  それは店舗規模の大小とは関係ないのである。

しかし、現在の概ねの傾向としては、

  大型店 ~ 単品量販型エンド
  小型店 ~ 定番品揃型エンド

そのような区分けがされてるように思えるのである。

  “大型店ほど売場に余裕があるからなぁ~”

おそらく、そのような事情があるのであろう。よって、同じ企業でも店舗規模の小さい店舗ほど「定番品揃型エンド」になっているのではないだろうか。

  果たしてそれでいいのだろうか。

20年も昔であれば、それでも通用したであろうが、昨今の競争の世界において、特にグロサリーの価格競争は激しさを増している。当然、同業他社との戦いもあるが、ドラッグ、ディスカウンター、そしてネットとの競争において、比較されやすいカテゴリーの代表格であるグロサリー部門は、売上にも増して利益という観点で見ても相当厳しい状況に追い込まれているのである。

  要は他業種に競争で負けているのである。

とは言っても、未だに店舗内での売上、荒利のウェイトは50%程度を占める部門でもある。

  食品SMにおけるグロサリーでの底支えは必須。

そう捉えると、如何にしてグロサリーでの利益を確保できるかという課題は重要である。

  そういう観点で捉えたグロサリーエンドの役割とは。

最近は、そのような視点で売場を見る機会が増えてきている。

  グロサリーを真剣に見始めたのは直近でもある。

従来の店舗視察は、重点的に生鮮・日配が中心だった。ここを差別化しなければ、まずもって生鮮食品スーパーの競争には絶対に勝ち残れないからである。そして、そのような取り組みが軌道に乗りつつある現在、店舗内での食品、菓子、雑貨での底上げが急務となってきているのである。

  それでも答えは現場が見つけるもの。

それは、現場であり店舗や企業の目指す方向性が異なるからである。

  価格で攻める企業スタンス。
  価値で攻める企業スタンス。

これによっても、エンドの役割は異なるのであり、そこから「提案型」のエンドなのか「量販型」のエンドなのかが分かれるところである。

  「提案型エンド」は即数値には現れない。
  「量販型エンド」は効果が数日後現れる。

しかし、提案型エンドは買い物の楽しさに溢れている。

  そこからのエンドの役割と効果を検討していく。

いずれにしても、グロサリー部門ほど差別化が難しい部門となってきているのは確かである。





食品商業5月号が発売されました。
20235
当方の執筆は以下の通りです。

1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
    一時限目 ~ ファイブマネジメント
    二時限目 ~ 52週MDマネジメント

今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。




PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。

  「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから



AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。

40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表



農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
   一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
   二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
   三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
   四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義



競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 


52週MDマネジメント(4月編)のダイジェスト版をアップ致しました。

  52週MDマネジメント(4月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメント(3月編)ダイジェストの視聴はこちら
  



イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。








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商売」カテゴリの記事

コメント

k,kさん、コメントありがとうございます。
ちなみに最近、K,kさんは、
k,k → K,kに変名されたのですか(笑)。
以前は、k,kだったような。
無駄話はこれくらいにして、グロサリー部門。鮮魚の人間からするとまったくの他部門でしょうか(笑)。私も店長時代には、基本の部分だけ関わりながら、あまり売上の要因について入り込まなかった記憶があります。よって、鮮魚同様の視点で単品拡売の売場作りだけ見ていたような(笑)。しかし競合関係の激化から、「どうするグロサリー」を問わなければ店舗力へは転換出来ない状況となってきています。
是非、アドバイスを(笑)。

投稿: てっちゃん | 2023年4月10日 (月) 10時10分

グロサリ。他部門なのでちょっかい出しにくいのでみるだけです(+_+) 色々スーパーで買い物してみると会社の考え、個店の考えが読めます。最近凄く感じるのはPBを押し付けるかのように大陳してる店ありますね。あー粗利対策かなぁ、上から数字あげろと言われてるのかなぁと勝手な妄想をしています。そこにコトポップがあればみますがなんか大人の事情丸出しなエンドは敬遠してしまいます(笑) これは鮮魚にもいえるので気を使ってます🎵

投稿: K,k | 2023年4月10日 (月) 09時59分

hataboさん、コメントありがとうございます。
ようやくリアルな記事に追いついてきましたか。長かったですね。当方も「つなんねぇ~」の嘆きを受けない記事を模索してまいります(笑)。
お客様の自店への来店動機を考察することは重要だと思います。但し、来店してくれるお客様の数も重要。そのバランスを取りながら、より多くの来店客数があって初めて、自店の楽しさも拡大していくのかと思います。店舗の業績の一番のポイントは売上昨年比で○○%という数値。あくまでも昨年との比較の中で、より多くの方の来店動機による業績を、どうバランスを取って達成していくのか。
更なる成功事例を作り上げていってください。

投稿: てっちゃん | 2023年4月10日 (月) 08時51分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
早速、25幕への提案、ありがとうございます(笑)。
食品エンドについても、各企業毎、てっちゃん会で言えば各個人ごとに異なる見解が出てくるのではと思っております。要は、企業毎に正解は異なるのかと。但し、その正解に一方的に邁進するのか、それともいろいろな見解を把握したうえで、それでも自社は、目指すメリットを追求しようと、その選択をするのか、そしてそれが全従業員に伝わっているのか、そこが重要なのかと思うのです。
hataboさんのお店は、そのメリットを十分に従業員が理解しての売場作りだからこそ、伝わるものが多いのではと思います。
但し、伸びてきている量販店ほど、単品での打ち出し方が圧倒的になってきていますね。そういう意味でも、価値と価格、提案と単品という二極化はエスカレートしていくのかと思います。

投稿: てっちゃん | 2023年4月10日 (月) 08時46分

やっとタイムリーに拝見できるように追いつきました(笑)
いつまで続くかわかりませんが(笑)
グロのエンドは単品量販だと個性がなくなり、提案型だと個性が出るように感じますが、売上も大事なので単品量販に挑戦中です。
お客様目線で見たときに、うちに何を求めているか?ということは常に頭に入れながらやろうと思います。
楽しさを求めるお客様が他の店に比べたら多いと思いますので、単品量販に楽しさをプラス(パネル、コトPOPなど)した、ハイブリッド型の売場を作っていこうと今思いつきました(笑)
期間を決めて目標数値も作り回していきます。

投稿: hatabo | 2023年4月10日 (月) 07時24分

グロッサリーこそ店長が入り込むべき。これが自論ですから(笑)。某スーパーの店長はグロッサリーを兼任する事実もありますから。
グロッサリーは店舗利益の根源=生産性が高いですからデータ分析等でサポートする事で店舗数値、特に利益面での効果が見込まれますね。
ポイントは衝動買いによる参加率。買い上げ点数アップ。更には利益商品でなければならない。
今月より開催される食品商業のコトPOP大賞はその観点からもチャレンジの格好の場かと。店長も入り込み担当者と商品選定、売場作り、検証と修正、気合い(笑)を共有する事で数値改善と賞金のダブル獲得を狙って頂きたいですね。
坪数の大小によってエンドの方針は変わるでしょうが北関東の某?暴店長は小型店ながら単品量販信者で実績も上げてます。
25幕はグロッサリー売場の有るべき姿について語り合いますか(笑)。

投稿: dadama | 2023年4月10日 (月) 06時40分

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