安さ感の考察
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
「安い」と「安さ感」の違い。
この違いは大きい。
そして多くの場合は、この違いを誤解して「安い」ことにこだわり、絶対的な「安い」を突き通して競合対策を実践し、結果的に何も残らずに敗北していくことになる。
安い ~ 絶対的に安いこと
安さ感 ~ 相対的に安いこと
このような表現でも、現場には伝わりにくいかもしれないが、ニュアンスを上記のような違いである。
絶対的に安いとは、売価比較して安いこと
相対的に安いとは、リアルな売場での感度
このような表現にもなろうか。
要は「安い」という事実と「安い」という感覚である。
安いという事実なのか、安いという感覚なのか。
ここが決定的な違いである。
だから、安さ感とは、安いという事実ではなき、安いという感覚を来店されたお客様に感じて頂けるかどうかなのである。
安いという感覚。
そこが今日の本題となろうか。安さ感とは二つの前提があると思ている。
事前情報からの安さ感。
売場展開からの安さ感。
事前情報とは、事前に「あのお店は安い」という情報を通して、リアルに来店するという来店動機の事である。
売場展開とは、現実に「安いに違いない」という売場を通して、リアルに来店された顧客が購入する事である。
事前情報とは自分がリアルに比較した事実。
同時に安いという他者の口コミによる情報。
この二つの事例から、来店動機が生まれ、安さ感を以って来店し、その商品を購入することである。
売場展開とはリアルな売場から伝わる感度。
同時に事前情報とリアルな売場からの確信。
これによって、リアルに来店されたお客様が、事前情報と合わせて「安い」を体験し、そして安心してその商品を購入していくというストーリーなのである。
ということは、事前情報の段階で「絶対的な安さ」を体験していることが前提となる。
その体験を積ませること。
そして、その体験を意図的にどのタイミングでお客様に提供するのか。
それが現場の担当者の腕となるのである。
更には、どの商品をどのタイミングで「絶対的な安さ」を顧客体験して頂き、どのタイミングから「相対的安さ」で来店購入して頂くのかを実践していくことが、単品販売力となるのである。
商売とはその連続のことである。
だから、常に「相対的安さ」を体験させながら、「相対的安さ」で実績を作っていくことを、52週MDに盛り込まれていることが前提となる。
52週MDとはこのような側面もあるのである。
単に、イベントや旬、季節に応じて販売計画を立案していく事だけではなく、上記のように52週毎に「安い」を体験し「安さ」を購入していく商品を設定して、実践し、顧客満足に繋げていけるか。
だから商売は面白いのである。
食品商業5月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。
「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(4月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(4月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメント(3月編)ダイジェストの視聴はこちら
イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
安さ感の提案がこの業界の一番のポイントかと思います。だからこそそこの捉え方が企業によっても個人によっても異なり、そこからお客様の受け取り方も異なるのではと思います。企業として明確な、安さ感の発信も従業員にとっては重要課題でしょうか。
投稿: てっちゃん | 2023年4月14日 (金) 06時22分
hataboさん、コメントありがとうございます。
この部分は個人の感度は大きいかなと思いますが、人間が共通に所有する「楽しさ」への追求という部分は共通のものだと思います。そこに個人個人が共感してモチベーションを高めていく。そこからマニュアル習得という意欲も高まっていくのではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2023年4月14日 (金) 06時19分
hataboさんへ・・・
ありがとうございます。パワポ300枚修正した甲斐がありました(笑)。御社では僧侶扱いだそうで(笑)。量子力学のご加護がありますようお祈り申し上げます😇
投稿: dadama | 2023年4月13日 (木) 21時26分
安いは基準があっての判断ですから至ってシンプル。だからこそ競合売価を意識しなければならないし目的買い商品に価格志向が高いですから客数の担保に避けて通れない。安さ感=利益が取れるのが肝でここを太くする事で荒利ミックスが出来る。生産性を追求し安さをウリにし徹底的に無駄を排除し従業員をロボット化するか?感性を信じお客様の波長に合う商品を従業員が一丸となり取り組むか。スーパーは楽しくなきゃ!(笑)。
投稿: dadama | 2023年4月13日 (木) 20時17分
まさに商人の醍醐味ですね。
マニュアル化するのが非常に難しく、マニュアル化したとしてもお客様に伝わるのが薄れてしまい伝わりづらい、経験、感覚的なものが非常に強く、教えるのが難しいところではありますが、チャレンジしての成功体験、そこには数字という共通する言葉を使って裏付けをしていくことが重要になりますね。
感覚…まさに量子力学。
dadamaさんのお話を聞けてほんとに良かったと思います。
投稿: hatabo | 2023年4月13日 (木) 06時44分