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2023年4月14日 (金)

販売力とは

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。



販売力。

  非常によく使われる業界用語である。

それでは、販売力とは何か?。

  “てっちゃん、なにを今更?”

そう思って、この記事を読んでおられる方がほとんどではないだろうか(笑)。

  いままでさんざんぱら言ってきた「販売力」。

今更それを問う?。と思った方は多いであろう。しかし、敢えて再び問いたい。

  販売力とは?。

売る力?。

  一言で言えばそうなる。

ならば、売る「力」とは?。

  売る数量のこと?。
  売る金額のこと?。
  売る割合のこと?。
  儲け金額のこと?。

具体的に割り出そうとすると、上記のように「売る力」にもいろいろな要素が存在することになる。

  一般的には売る量を指して販売力と言うが。

ならば、それぞれが所属する店舗の立地とか規模とか商圏とかでも、単純比較の量が異なってくるであろう。

  同じ能力を有する二人の店舗での違い。

そこから、

  A君は100個売った。
  B君は300個売った。

このような格差が生まれるのである。

  そこからPI値での算出が生まれた。

来店客数1,000人に対して、何個売れた、という算出法。それによって、店舗の違い、立地の違い、商圏の違いを修正して、同じ客数1,000人に対して、いくつ売ったのかという平等性を加えたのである。

  そうなると意外に絶対客数の少ない店舗が有利になったりする。

このようにいろいろな評価基準を作って、不平等性を解消して再評価しながら、販売力の順位を付けて重点商品の途中経過や総評をする企業は多い。

  しかし販売力のある人間は常に数量でも上位に位置する。

それは、売れるお店、売れないお店、どちらに所属しても決まって単品販売数量で上位に位置するものである。

  店舗規模の大きいお店の時は常にトップ。
  店舗規模の小さいお店の時でも常に上位。

あいつが行くと、必ず店舗規模に関係なく、上位に位置する担当者。

  それが販売力なのである。

そして、その中でも特質なのは、「売れない商品」を売る力である。売れない商品ほど店舗規模に関係なく、常にトップを位置するのが販売力のある人間である。

  お店の勢いとかではない販売技術。

それは、売れない商品を売る力であり、その件については明らかに№1であることを周囲も認めるだけの実績を残しているのが、異論の無いところとなるのである。

  売れない商品。

売価的に高い商品、見たことの無い商品、新商品、不味いとされている商品?、等々、一見すると売れないであろうと想像される商品であり、それはお客様も同様の感想を抱いているものである。

  だから絶対に売れない(笑)。

担当者も売れないであろうから売れる陳列をしないし、お客様も買いたいと思わないから購入しない。

  しかし販売力とはそのようなデメリットを打ち消す技術なのである。

販売力とは、全てここに集約されているのではないだろうか。

  商品とはいろいろな条件が重なって売れていくもの。

その条件を一つ一つ重ねて商品と売場に積み上げていくのである。決して一つ二つではなく、大なり小なりいろいろな条件を売場と商品に注ぎ込み、常に売場で光る存在として位置させ続けていくことで、期間計で大きな格差となって№1となるのである。

  それが販売力である。






食品商業5月号が発売されました。
20235
当方の執筆は以下の通りです。

1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
    一時限目 ~ ファイブマネジメント
    二時限目 ~ 52週MDマネジメント

今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。




PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。

  「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから



AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。

40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表



農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
   一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
   二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
   三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
   四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義



競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 


52週MDマネジメント(4月編)のダイジェスト版をアップ致しました。

  52週MDマネジメント(4月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメント(3月編)ダイジェストの視聴はこちら
  



イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。





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コメント

hataboさん、コメントありがとうございます。
成功体験の積み重なね、それが一番重要な部下育成ではないでしょうか。ですからこの業界は、毎日の地道なPDCAの積み重ねと、それを支える従業員のモチベーションがあってこその継続力かと思います。
ベースの基本の徹底と、そこから個人の販売力。そして個人の販売力を組織内で共有する情報力。ボスが知らないうちに学んだ販売力を実践している、素晴らしい部下達だと思いますよ(笑)。

投稿: てっちゃん | 2023年4月15日 (土) 00時04分

売る力持っている人はPDCAを回して経験値を蓄え、なおかつ固定観念にとらわれず、他業種の販売方法なども取り入れてるんでしょうね。
なかなかマニュアルではできない内容なので教えるとこも難しくうちは完全に人間力に頼らざる得ません。
一人でも多くの従業員に成功体験をさせるのがうちの生命線です。

投稿: hatabo | 2023年4月14日 (金) 12時45分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
販売力という視点も、企業毎に大きく異なるかと思います。
本部主導を現場が徹底することも組織的には販売力でしょうし、個人の感性からの瞬間的な売場作りも販売力だと思います。やはり基本は組織としての販売力に、個人の感性がどう積み上げられるか、両面での販売力という捉え方を、日々追求していくことが大切ですね。

投稿: てっちゃん | 2023年4月14日 (金) 06時27分

グロッサリーに関して言えば、決められたゾーニングにマニュアル通りに商品を並べPI値を安定させチャンスロス、見切りロスなく計画販売数量通りに商品回転させる事が理想であり店と本部が為すべき職務では無いですかね(笑)。
販売力と言っても全ての商品に関わる訳には行かないですし個人の力量で積み重ねられる売上はやり切っても部門売上の5%未満でしょう。
それを承知で量子力学まで担ぎ出して販売力の大切さを鼓吹している訳をお察し頂ければ幸いです。私ゃ血の通った温かい人間の力を信じていたいですから。強いて言えば先日MRしたような、開店したら店がパンクして急遽バイパス店を作るような生産性と顧客支持を得られる仕組を構築出来るなら其れも良し。出来ないので有れば人間力=販売力を極めねばですね。

投稿: dadama | 2023年4月14日 (金) 00時24分

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