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2023年4月27日 (木)

戦略と戦術の関係

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


今週のテーマ。

  それは「継続」。

この業界自体が、毎日ほぼ同じレイアウトの店内に、毎日同じアイテムを陳列して来店されたお客様の購買によって売上、荒利が生まれる商売である。

  あくまでも「待ち」のスタンス。

お客様が来店されて初めて売上のチャンスが生まれるが、それも必ずそうとも限らない。

  お客様は平均10点未満の買い物しかしてくれない。

その平均10点を如何に11点に伸ばすか、更には12点に伸ばすかということを日々試行錯誤しながら創意工夫しながら売場を維持していくのである。

  しかし漫然と売場を維持しているわけではない。

毎年本部等で作成される今年の企業方針という戦略が存在し、そこから本部の各部で更に具体化された戦略となり、店舗段階で戦術として作成され、店舗内の各部門で作成された部門コンセプトが作成され、そこから各社員やパートさん達へと共有されていく。

  その戦術に沿った毎日の売場作りが継続されるのだ。
 
基本的には。

  そう、基本的には(笑)。

店舗や現場で作成した戦術が、店舗の部下達と共有され、そして店内で愚直に継続されるかどうかは、店舗のリーダー次第であるからだ。

  愚直な取り組みをバックヤード掲示板で共有するお店。
  愚直な取り組み計画の立案を店内の誰も知らないお店。

このように、一度は本部が承認して実践していくはずの店舗での戦術がそのまま店長の引き出しに眠ったままのお店も少なくはない。

  これが現実なのである。

しかしこれでは、毎年年度当初に戦略を立案し、それを具現化して店舗や現場で実践するという行為が店長段階でストップしているのであるから、現場力や店舗力に活かされないことになる。これはどこに問題があるのであろうか。

  ずばり戦略に問題があるのである。

私は戦略に優位性などないと思っている。

  重要なのは現場で実践しなければならない戦術なのである。

戦略のは固有名詞は入り込まない。だから理想論であるべき姿を描くことが出来るが、戦術として立案する場合には、そこに必ず固有名詞が入り込んでくる。

  誰が・いつ・どこで・何を・どのように

全てが現場や店内での固有の名詞が付いて回るのである。

  だからこそ現場の戦術は重要なのである。

そしてそれは、戦略以上に精度の高い実践計画でなければならず、だからこそ現場や店舗の全員が周知しておかなければならないものである。

  それを先導徹底させるのがトップの役割。

私はそう確信している。そして、私の知る仲間達は、確実のそのような実践手法で店舗運営しているからこそ、確実な実績をたたき出しているのである。

  戦略は一流の戦術に分解されて実践されていくもの。

よって、戦略は一流でなくてもいいと思っている。一流であるべきは戦術であり、現場で実践可能な、そして現場が継続可能な納得性を持った明文でなければならない。

  年度初めの今こそ共有したい組織行動である。






食品商業5月号が発売されました。
20235
当方の執筆は以下の通りです。

1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
    一時限目 ~ ファイブマネジメント
    二時限目 ~ 52週MDマネジメント

今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。




PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。

  「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから



AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。

40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表



農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
   一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
   二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
   三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
   四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義



競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 


52週MDマネジメント(5月編)のダイジェスト版をアップ致しました。

  52週MDマネジメント(5月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメント(4月編)ダイジェストの視聴はこちら
  



イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。





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店長の仕事」カテゴリの記事

コメント

hataboさん、コメントありがとうございます。

まずは、毎朝の朝礼の実施が見事ですね。やらないところはやりませんからね。そこから店舗というチーム感が皆無になっていくのでしょうね。

是非、名将目指して日々の愚直な実践をお願い致します。間違っても新〇監督のような派手なパフォーマンスに終始することなくお願い致します(笑)。

投稿: てっちゃん | 2023年4月27日 (木) 09時28分

毎回、朝礼の度に戦術を言い続けています。パートさんにもわかるようにかみくだきながら。
パートさんのほうがそういうのは響きますね。
社員は…まぁ課題です(笑)
スタンドプレーに走りがちで。
全員が4番バッターでは勝てませんからね😅
名将と呼ばれる監督目指して頑張りまーす✨

投稿: hatabo | 2023年4月27日 (木) 08時57分

dadamaさん、コメントありがとうございます。

現場にいるから見えてくる、自らが率いる組織の特性。その特性は組織毎に全く異なるもの。そんな特性の実力を有効に引き出せるかどうかがリーダーの実力ではないでしょうか。

しかし店長の上司からすれば、それは組織的に離反しているように見えるのも事実。

やはり大切なのは戦略からの戦術の一貫性を現場に如何に導入できるかという手腕でしょうか。

投稿: てっちゃん | 2023年4月27日 (木) 08時22分

k,kさん、コメントありがとうございます。

戦略からの戦術、そして結果としての売上。
いい店長に恵まれましたね。そういう意味では、現場は店長といリーダー次第。そしてそんな店長は率いるチームに合わせた臨機応変な対応が出来るもの。

どちらを向いてリーダーシップを発揮するかで、まったく異なる結果が待っているのではないでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2023年4月27日 (木) 08時18分

一流の戦術とは誰でも理解して即実践出来るものでは無くてはですね。インテリ(頭でっかち)が打ち出した戦略を如何に分かり易くメンバーに戦術として伝えるのか。上ばかり向いている管理職はこれが理解出来ないのですねー(笑)。
現場の実力を知り戦術を変える柔軟性や作戦のポケットを持たねば絵に書いた餅ならまだしも鏡開きに食えないカビだらけの餅ですよ・・・
今日は何故か辛口コメントの心境でした(笑)。

投稿: dadama | 2023年4月27日 (木) 06時35分

本部の今年のスローガンに沿って店の方針を店長から発表されてます。しかし現状は人手不足となかなか覚えられない人の教育が上手くいかず四苦八苦してます。障ガイを持つ方も以前より多く働いてもらってます。やっと店長から [小さな改善を積み重ねよう。] これを待っていました。やはりマニュアル守らないと駄目だよねというパートさんが多いので基本はぶらさずに時間を短くできる、省略、割愛できることは無理せずやって行きましょうとミーティングが終わった後にそっと他部門のパートさん方を集めて話をしました、鮮魚が人員不足でも残業なしで切り抜けている内容を教えてみました。少しでも心を前向きにしてもらえれば退職者も減るかなと。パートがサービスしたり休みに出てきて補助作業するのを見てられません。戦術は売り上げだけではないですよね?

投稿: k,k | 2023年4月27日 (木) 04時55分

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