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2023年4月29日 (土)

店長の役割

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。



食品スーパーの店長という存在。

  企業によってもその役割期待は大きく異なると思われる。

ある企業は、店長に全ての権限を委ね、業績評価のみを最大の役割と期待されている企業があるかもしれない。

ある企業は、店長に対して店舗運営のマネジメントのみを最大の役割と期待している企業があるかもしれない。

ある企業は、店長に対してグロサリーチーフとの兼務を最大の役割と期待されている企業があるかもしれない。

ある企業は、店長に対して夜間の金庫番としての業務を最大の役割と期待されている企業があるかもしれない。

  店長への役割期待はそれだけ企業毎に大きな違いがある。

しかし、店舗全体の業績に関しては店長という店舗のリーダーの行動自体で大きく変わっていくものである。そんな中で、私が最も店長の存在意義を発揮しなければならないのは、部門責任者とは異なる視点で売場という店内の場を見ることであると思っている。

  部門責任者とは異なる視点。

それは、部門責任者としての視点とは販売側に重点を置いた視点であることは致し方ないと思っている。

  何故か。

それは、部門責任者としての数値を背負っている故に、売場の維持であり作業性であり従業員の就労管理という視点を重視している点からである。

  しかし店長の視点も同じ角度からその売場を見てはいけない。

店長が最も重視しなければならないのは、お客様視点である。

  “そんなの当然だよてっちゃん”と思われるであろう。

そう思われるであろう。しかし私が思うのはお客様視点で売場を見て、もう一度販売側の視点から如何に販売側の視点をお客様に伝わっているのかという視点で再度、売場を振り返るということである。

  要はお客様に伝わっているかどうかということだ。

そして、ほとんどの売場は従業員の想いがお客様に伝わっていないのが現実なのである。

  担当者はしっかり売場を作っているから伝わっていると思っている。

しかし、お客様と言う視点で売場を見ると、その意図であり意志であり、もっとさかのぼって生産者の想いが全く伝わっていないのである。

  それをフォローするのが店長の最大の役割である。

と私は考える。

  担当者が頑張って作った売場。

逆に言うと、そんな大切な売場を、店長としてもっともっとお客様にしっかりと伝えたい。

  そんな想いがあれば店長の行動も変わるものである。

そして、販売計画の打ち合わせの段階から、その売場における自分の役割をある程度イメージしているものである。

  “この売場ではこんな媒体を用意して演出しよう”
  “この売場では自分がレイアウトを考えておこう”
  “この売場では手書きPOPで美味しさを伝えよう”

等のようなイメージをあらかじめ意識しながら当日を迎えることによって、スピーディな売場が開店前から完成させることが出来る。

  店長がひと手間かけて関わった売場。

それは、おそらく部門責任者も想像できなかった売場が完成されるのである。そうやって、いろいろな人間がその売場に関わり、その売場を積み上げていくから、誰も想像できなかった「伝わる」売場が出来上がるのである。

  多くの人間が関わることで誰も想像出来ない売場が完成する。

もっというと、そこにパートさん達の知恵も加わると、更に爆発的な売場が完成し、お客様の足を必ず留めてくれる売場となるのである。

  そんな売場作りをし始めたら。

そこに参加した誰もが、楽しくてやめられなくなってしまうものである。





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食品商業5月号が発売されました。
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当方の執筆は以下の通りです。

1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
    一時限目 ~ ファイブマネジメント
    二時限目 ~ 52週MDマネジメント

今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。




PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。

  「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから



AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。

40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表



農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
   一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
   二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
   三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
   四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義



競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 


52週MDマネジメント(5月編)のダイジェスト版をアップ致しました。

  52週MDマネジメント(5月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメント(4月編)ダイジェストの視聴はこちら
  



イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。





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店長の仕事」カテゴリの記事

コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。

最近、dadama化が加速しているようで毎日のコメント返しも楽しく😢てなりません。

dadamaさんが隠居されたらそれこそ、毎日40字詰め原稿用紙10枚程度のコメントが寄せられるのかと思い、今から代筆屋を検索しております😎。

投稿: てっちゃん | 2023年4月29日 (土) 15時00分

顧客の波長に合わせる。大事ですねー(笑)。
自店のお客様の期待値(波長)はどこなのか?
波長に合わせる売場を担当者と構築する。
コトPOPの役割も量子力学で説明出来ますよ・・・AIDMAの法則=量子力学に相通じますから。
最近、水戸の暴れん坊さんや房総の暴走店長(笑)が毎日コメントを入れてくれて嬉しい&ありがたいですねー。私の隠居後は宜しくお願い致しますm(_ _)m

投稿: dadama | 2023年4月29日 (土) 14時22分

hataboさん、コメントありがとうございます。

11時からの取り組み、素晴らしいですね。
見る方も見られる方も新たな気づきになり、それが再び自部門や自分の売場に多いに活かされると思います。それが直接の数値には現れにくいものですが、だからと言って決し手無駄でない。

そして毎日の朝礼と11時からのミーティングによって、店長というリーダーの基に店舗一丸となれるのでしょう。

現職の目線と同時に、一歩引いて、その上の職位の目線を経験させるという部下育成は、部下の昇格意欲を引き出し、それが現在の目線を打破するきっかけになるのではないでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2023年4月29日 (土) 07時32分

お客様目線での売場チェックはまさにそのとおりですね。
うちのKツナさんが売り場を作ったあとに、動線から歩いてきて確認してます(笑)

自己満足の売り場にならないように彼女は考えているようです。
数字と確認というところは女性より男性の方が優れているように感じますが、売場づくりは圧倒的に女性のほうが優れています(笑)

売り場を作ったときに一歩引いて見なさいって言っただけなんですけど、ちゃんと内容を理解し、実践してます。

店長目線を養ってもらうために11時に各部門の社員、パートさんに集まってもらい他部門のあら捜し(笑)

今日はこの売り場どう思う。

今日は野菜の鮮度を見てこよう。

などなどお題を決めて実践中です。

私が店長になって一番苦労したのが、他部門の商品や売り場、値段など全く分からなかったことで(笑)、部門担当のうちからそういう目を持てればのちのち楽になるかな?と始めてみました。

意見を言わないといけないので、真剣に見ますし、いろんな意見が出て面白いです。

投稿: hatabo | 2023年4月29日 (土) 07時13分

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