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2023年4月12日 (水)

惣菜の位置づけ

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。



昨日は「コンビニに学ぶ」を記した。

  コンビニに学びコンビニからの顧客を吸引する。

それが客数増へ繋がり、特に中小スーパーの業績改善を図る有効な手法であることを記した。

  そして今日は「惣菜の位置づけ」。

昨日の中で、コンビニが閉店して一番数値が伸びる部門が「惣菜」「日配」「菓子」「酒」と記した。

  特に惣菜の弁当の伸びは顕著である。

それだけ、弁当とはコンビニで購入する頻度が高かったのであるが、とは言ってもこの原価高騰の折、コンビニ弁当もその原価を売価に確実に上乗せして売価設定している。これがお客様に伝わり、コンビニから食品スーパーへ弁当購入を切り換えられているのである。

  しかし惣菜の伸びはそれ以外にも多くの理由があろう。

核家族化、ダブルワーク比率の拡大、昨今の食品素材の高騰、等が挙げられよう。

  そして惣菜の美味しさ感が増したことも大いに影響がある。

これは素材の厳選もあろうし、冷凍技術の向上による冷凍素材の美味しさ向上もあろうし、更には、新商品開発による美味しさ感のアップも大きく影響していると思われる。

  惣菜の商品開発。

このブログでも何度か取り上げたが、惣菜も価格比較の対象となる商品がある。

  「唐揚げ」
  「おにぎり」
  「弁当」

等は、価格比較の対象となる商品である。なぜなら、主力商品であり、どこでも品揃えしている商品であるから、お客様からの比較が容易になるのである。

  競合店では「のり弁」298円。

これに対して自店の「のり弁」の売価は398円。これでは競合にお客様を吸引されても致し方ないであろう。だから、いつまでの「のり弁」で勝負するのではなく、敢えて商品開発をして新たな比較対象とならないような、そして食べてみたいという思えるような弁当の商品開発が重要なのである。

  商品開発によって比較対象外の新商品が品揃えされた。

その商品は従来には無い商品であるから、一度は食べてみたいと思わせる要素が高い商品と言えるであろう。

  更に重要なのは売価比較されにくいというメリットがある。

要は、売価自由に設定できるが故に、値入も入れやすいというメリットがある。それが新商品開発の最大のメリットであると言える。

  そのような新商品の構成比を高めていく事。

そこに、惣菜の売上と利益の創造領域が増えていくのである。

  新商品開発こそが利益の根源。

そう言い切ってもいいのではないだろうか。だからこそ、大手は工場を設置してでも、自社開発商品を一気に強化し始めているし、売場面積も拡大し続けているのである。

  そしてそのような取り組みが結果的に競合対策となるのである。

それは、コンビニを対象として対策とも成り得るものであり、そして周囲に張り付くコンビニからの吸引が、大きな数値効果を生むことになっていくのである。






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40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表



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競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 


52週MDマネジメント(4月編)のダイジェスト版をアップ致しました。

  52週MDマネジメント(4月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメント(3月編)ダイジェストの視聴はこちら
  



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コメント

hataboさん、コメントありがとうございます。
あの販売スペースですから、改廃は必至でしょうね。弁当もそうですが、インストアの強みを前面に押し出すこと。そして生鮮のように旬であったり、季節であったり、新商品の開発であったりと変化も重要でしょうか。但し、従業員のレシピ習得も無視はできませんから、そこがインストアの課題とも言えますね。

投稿: てっちゃん | 2023年4月14日 (金) 06時16分

k,kさん、コメントありがとうございます。
従業員が最大の顧客ということも、情報収集には大きな強みとなると思いますよね。その情報を如何に本部や現場で活かせられるか。
そして、生鮮との連動も小型店にとっては強みとしてほしいところです。

投稿: てっちゃん | 2023年4月14日 (金) 06時11分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
小型店に限定すれば、惣菜部門の荒利額がもはやトップの企業も多いと思います。よって、尚更コンビニとの競合関係を重視する必要があると思います。そこで惣菜の弁当類や揚げ物類に関しては、何と言っても手作りと作り立てという強みを更に特化して、押し出していく必要があると思うのです。

投稿: てっちゃん | 2023年4月14日 (金) 06時06分

最近コンビニでお弁当を食べましたが、改廃がすごくて美味しかったものでもなくなってしまうことが多々あります。
スーパーの惣菜との最大の違いはそこにあるような。いつも代わり映えしないでは淘汰されていってしまう。
インストアだからこそ作業性を重視してし待っていることを反省しなきゃいけません。

投稿: hatabo | 2023年4月12日 (水) 20時11分

ペンネームはたまに間違えます💦すいません。 我々従業員はデリカで一番の顧客でしょうか。なにせ毎日食べてますからね~ だからほぼ全アイテム食べてます。出来れば日替わりを作って欲しいのは本心です(^O^) コンビニ弁当は北海道系のセ○マ以外はめったに買いません。昔の印象が強く風評被害? まだボンネットの上に半日置いても腐らない(^_^;) 半分信じてます。添加物の項目があまり多いのは買い控えしますよね。旬の打ち出し、健康志向、地場の魚使用、ボリューム感等飽きさせない商いが簡単なようで一番難しいですね🎵 

投稿: k,k | 2023年4月12日 (水) 16時42分

素材、高熱費高騰。少子高齢化の流れを受けここ暫くは惣菜の支持は高くなるでしょうね。
惣菜も企業の差別化が進んでいく事でしょう。
安さ、ボリュームを売りにする企業。美味しさ、鮮度、安心安全、健康、医食同源を目指す企業。
何れにせよストアコンセプトをより明確にする事が求められる時代ですし、コンビニの牌を取りに行くのであれば小型SMに勝機は沢山有りますね。

投稿: dadama | 2023年4月12日 (水) 08時23分

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