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2023年4月18日 (火)

点数拡大策

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。



売上対策。

  業績低迷時の全般的な本部主導の対策。

概ねの場合、それは売価設定やポイント加算、更にチラシにおける日替わり価格等による来店客数増。そのような主導によって顧客増を見込み、そこからの売上増を見込んでの対策がメインとなろうか。

  そして確かに速攻で結果は出るであろう。

しかしほとんどの場合は、その結果の良さから、現場ではそこから先の対策すら考えないということがほとんどではないだろうか。

  結果とは魔物である。

結果をもたらす要因を考えるのではなく、結果そのものが自企業や自店の実力と判断し、今のままを維持しようとする。

  そして当然のことであるが何の進歩も無く販促頼みの経営に陥る。

数値とはいろいろな要因の積み上げによってもたらされるものである。だから、何か一つやったからといって、大きく数値が伸びることは有り得ないのである。

  最終的には全ての実践の結果としてのわずかな伸びでしかない。

そう思わなければ、一つ一つの積み上げをしようとも考えないし、その継続すらしようとも思わない。

  例えば点数拡大という課題。

それは、課題として考えるのか、普段の基本として考えるのかで異なるものかもしれない。

  課題としての特設での売場の状態。
  基本としての定番での売場の状態。

このように、点数拡大策として捉えていけば、従来からの売場の姿から今後どのように魅力ある売場作りに変更していくかを思索していく事が大切であろう。そして従来からの継続とこれからの対策として実践していくことになる。

  要はプラスの行為が生まれていくのである。

とは言っても、その土台となるのは普段からの基本の継続であることは当然である。それは皆が頭では理解しているハズの事である。

  その「ハズ」が曲者なのである(笑)。

新たな事をはじめようとすると、従来からの基本の積み重ねに異常をきたしてくるのである。

  定番の前出しが疎かになる。
  特設の底上げが疎かになる。
  商品の製造力が疎かになる。

等々の解決できない基本が更に疎かになりながらも、新たな施策が増加してくることになる。

  しかし実際は基本の崩落に拍車が掛かり始めるのである。

そして、徐々に基本の徹底の目的が現場から薄れ始め、売場のあるべき姿からかけ離れてメンテナンス不足の売場が目立ち始め、いつしか点数拡大が望めない売場となってしまっているのが現実なのではないだろうか。

  もう一度基本の見直しが重要であるが、・・・ 。

なぜ、その基本の徹底が重要なのか。その徹底が何をもたらすのか、の理解が必要なのかもしれない。

  しかし理解しても速攻性は少ない。

継続して継続して、ようやく3か月後に数値が少しづつ向上していくものだからである。

  チラシは即効性はあるが継続性は無い。
  しかし基本は必ず3か月後に現われる。

そこに、小売業という「待ちの商売」の本質が隠されているのである。

  売場のメンテナンス。

特に、夕方6時以降からのメンテナンスは重要だ。特に、売場の商品がお客様にしっかり伝わっているかどうかが重要なのである。

  要は、商品がお客様に見えているかどうか。

その時間帯での売場の格差が顕著になってきているのも事実。もう一度、6時以降の売場のメンテナンスという基本を見直す必要があるのではないだろうか。

  それが5月以降に数値として現れてくるのである。







食品商業5月号が発売されました。
20235
当方の執筆は以下の通りです。

1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
    一時限目 ~ ファイブマネジメント
    二時限目 ~ 52週MDマネジメント

今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。




PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。

  「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから



AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。

40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表



農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
   一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
   二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
   三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
   四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義



競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 


52週MDマネジメント(4月編)のダイジェスト版をアップ致しました。

  52週MDマネジメント(4月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメント(3月編)ダイジェストの視聴はこちら
  



イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。



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商売」カテゴリの記事

コメント

k,kさん、コメントありがとうございます。
確かに丸魚のバラ売りは鮮度感のアップには効果大かと思いますが、冷凍品や塩干品は保存が効くからやはりある程度の量目を入れて買い溜め需要の喚起の方が効果は出ますかね。鮮魚は丸魚の相場も落ち着いてきていますので(生いか以外は😢)、どんどん今日すべき時かと思います。かれい関係は大きな伸びを示しているようですよ。

投稿: てっちゃん | 2023年4月18日 (火) 19時59分

hataboさん、コメントありがとうございます。
まさに、素人だから出来る極端な発想😨。
しかし、従来の考え方と常識的な商売が時代の変化に合わないのであれば、素人だろうが玄人だろうが、最先端の現場からの発想が重要かと思います。
結果を楽しみにしております。

投稿: てっちゃん | 2023年4月18日 (火) 19時55分

最近、鮮魚は点数は上がってますが売り上げはさほど変わりません(^_^;) バラ販売が少しずつ復活させてます。だから98円均一の日に伸び伸びしますが売り上げは?やはり上に良い顔したくて?バラをやれと言われてますが肝心の売り上げにつながらなければ意味がありません。バンドルもしきりにやってますが粗利が汗汗汗 衝動買いを増やす為にコトポップは重要ですね🎵

投稿: k,k | 2023年4月18日 (火) 19時08分

うちの食品は私を含めて素人しかいないのでセオリーがわかりませんが(笑)
点数アップとして、主力商品300アイテムの値入を5%でやってみようと取り組み始めました。とりあえず5%にして、粗利がどう変わって点数、一品単価が影響するかチャレンジ中です。だめだったら違うこと考えればいいだけなんで(笑)
あとは定番の品切れの数値化めこちらも穴のない管理になればこの2つで点数の改善につながると仮説を立てて検証中です。
PDCAを回してて数字が変化してくると最高に楽しいですね♪

投稿: hatabo | 2023年4月18日 (火) 19時04分

宮崎さん、コメントありがとうございます。
先日はお疲れ様でした。
やはりあのお店の店長との会話から、いろいろな気づきと学びがありました。その一つでもいいからスピードを持って早速実践することが、その後結果が明確に分かれていくところでしょうか。
私も、早速実践しようと思います。

投稿: てっちゃん | 2023年4月18日 (火) 18時47分

みやです。
点数拡大。まさに今取り組むべき課題ですね。
現状は買い上げ点数減を一品単価増でカバーしていますが、いつまでも続きません。昨日の夜の売場はガタガタで、それは酷い有様でした!調子のいい今、基本に戻らないと後でツケが回ってくることになりますね。
レベルの低い話ですが、当店の場合、Aランク商品の品切れ防止が最優先課題です。早速午前中にミーティングでその事を伝え、意識付けさせます。
宇都宮遠征のご案内ありがとうございました!

投稿: 宮崎 | 2023年4月18日 (火) 07時57分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
ご存知の通り、最近のブログ記事の内容が生鮮主体からグロサリー主体になってきています。それだけ、食品スーパーにとってのグロサリーの位置づけが企業毎に店舗毎に試行錯誤していると思います。特に地方の中小スーパーにとっては異業種競合の脅威にさらされ、グロサリーでの利益確保が非常に厳しい状況になってきている様子。地方の200坪~300坪クラスのグロサリーのあるべき売場を今年は模索していこうと考えております。

投稿: てっちゃん | 2023年4月18日 (火) 07時01分

私はスピリチュアル信者ですが(笑)、意外とデータに基づく根拠や証拠から売場を見回します。
数ある競合の中からお客様は自店に何を望まれいるのか?お客様が「買いたい欲しい」の見えない気持ちを売上数量、金額と言うデータに数値化する事で曖昧から具体的な指導が出来ますから。
更には支持率、参加率、単品売上&利益比率等をデータで見える化する事で更にあるべき売場の形が見えてくる。売上が悪いと何でもかんでも出せば売れると思うのは大間違い(笑)。何故なら本来売るべき商品が目立たなくなるから。
売場に起きている事をデータで知り対策を立てる。これを繰り返す事でお客様に優しい売場に近づいていくと思いますし、データが見えて来ると衝動買い動機のインパクトと構成比を上げるためには量子力学的考察が使える事も理解出来るかと思います(笑)。

投稿: dadama | 2023年4月18日 (火) 06時46分

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