競合店との共存
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
ある店長研修会に参加した時のこと。
女性店長が参加していた。
店長研修会に女性が参加。
このような表現がパワハラとなるのであろうか。
とは言っても、この業界では店長研修会に女性店長が参加するという現実は無かったし、私が参加した研修会でも皆無であった。
しかし現在では女性店長が増えてきているのであろう。
そして過去2回の女性店長の参加によって、私の店舗運営での考え方が少しずつ変わってきてることは事実である。
一度目は共有というスタンス。
二度目は共存というスタンス。
過去二度の店長研修会で講師を務めた時に感じた、女性店長の店舗運営に対するスタンスである。
一度目の時は、研修会後のアンケートに記載されていた内容であった。
「今回の研修で学んだ事を部下と共有する」
そのようなアンケートへの回答を目にしたときである。確かにセミナー受講時の真剣な眼差しも目立っていたが、競合店視察時の視察店舗の店長のアドバイス等を聞いて自店のどの部分に活かすか等のやり取りにも女性らしい捉え方をしていたとは思っていた。そして最後に参加してのアンケートに記載されていたのが、上記のような回答であった。
部下と共有するというスタンス。
学んだ事を部下に指導する、とか教育する、とか実践する、とかの表現が多い中、彼女は「共有」というワードを使用した。私も「ファイブマネジメント」で使うワードである。特に人材マネジメントのキーワードは共有だと思っている。
部下と共有するから部下とのコミュニケーションが豊かになる。
そして、そこから部下との信頼関係が構築されていくのである。そのスタートラインが「共有」でなのである。
そこを直感的に吸収する視点。
共に、という視点が男性と女性との違いなのであろう。
二度目の時は、グループワーク中の意見交換の中で発せられた言葉である。
「競合店とどう戦っていくのか?」
そんなグループ討議だったと思う。そのテーマで他の男性店長との意見交換の中で出てきたワードが「共存」だった。
「競合店と如何に共存していくかという視点」
競合店が出店するということは、お互いに競争の世界に巻き込まれていく事になるわけであるが、そんな環境の中で、戦うというスタンスは短期決戦に持ち込んで、お互いに大きな痛手をうけながらバトルを繰り広げるということである。しかし実際には競合出店後も5年、10年、そして20年以上もお互いに共存しながら地域のお客様に貢献していくことになるのである。
「共存」というスタンスを持たなければ地域貢献も不可能。
競合店との関係は、最終的には「共存」という関係が永遠に続いていくことになるのであるが、そこに至らせるために、競合店とどのように顧客を棲み分けて行くのか、そんな店舗運営の立場を取るというスタンス。
この発言に他の店長は目から鱗であった(笑)。
だからこそ、全ての犠牲を払ってでも完璧を目指すのではなく、譲るところは譲るが、譲れないところは絶対に譲らないという決意となり、それを部下と共有するから、一致団結していけるのである。
私は、この業界は社員もパートもアルバイトも関係無いと思っている。
売る楽しさと売れる喜びの共有が全て。
そう思っている。だからこそ、それが競合対策にも通ずるし、他の存在に左右されることなく、自らの楽しさと喜びの追求は永遠に続くし、その追求がある限り、それがお客様にも必ず伝わると思っている。
店長とはその事に対して率先垂範することだと思うのだ。
食品商業5月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。
「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(4月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(4月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメント(3月編)ダイジェストの視聴はこちら
イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
最近読者の方の「dadama」化が激しいようで、コメント記載もやりがいがございます(笑)。
我々の仕事は、食卓に上る食材の提供。よって購入するお客様の目的は料理であり食事と言う視点。その視点の違いはどうしてもそこに詳しい人間であり、情報を持つ人間のほうが有利であるのでしょう。従来はどうしても川上視点と情報からの売り側の論理が前面に打ち出された売場やチラシから、買う側の論理も加味したバランスの良い視点が、お客様の共感を得て、来店動機になっていくのでしょう。
本部の女性に管理されながら男性は現場で汗を流す、店長の女性に管理されながら男性は部門で汗を流す、それが健全な関係なのかも(笑)。
投稿: てっちゃん | 2023年4月15日 (土) 07時51分
k,kさん、コメントありがとうございます。
男性と女性、やはり買い物をするという立場の違いは大きいのではないでしょうか。
売る立場と買う立場。そのような視点の軸の違いはお互いに情報共有するべきことが多いのかと。よって店内でも買う立場であるパートさん達が活発なお店ほど、臨機応変に個々の活躍による地域密着度が高いのかもしれませんね。
投稿: てっちゃん | 2023年4月15日 (土) 07時43分
hataboさん、コメントありがとうございます。
男性と女性との本能の違いは間違いなく存在し、それは人間の長い歴史でもあると思います。
→○○の店ぶっぶしてやろうぜ!
それはそれで、男も女も内部を団結させるワードだと私は思っています。内部を固めるには外部に敵を作る、という仮想の敵も必要かと思うのです(笑)。
投稿: てっちゃん | 2023年4月15日 (土) 07時39分
先日の当社の会議でもある方が「飯もロクに作れない野郎どもがチラシを作るからトンチンカンなチラシにしかならないんだわ!」と吠えておりました(笑)。男性と女性は人類的に似て非なるもの。よって出す波長も違いますから「波長が合わねーよ」とボヤくより耳を傾ける事で自らの見方にも幅が出来ると思います。
掃除に慣れている女性(店長)のお店は総じてご綺麗で商品もしっかり管理されてますし本能的にだらしない男性には痛い指摘をする事も多いですね・・・家庭と非で似てなるものかも(笑)。
投稿: dadama | 2023年4月15日 (土) 06時45分
当社には女性役員、店長は何名か在籍しています。副店長はかなりの数おります。知り合いの女性店長はかなり怖いです(^_^;) 論破できる男性は居ないんじゃないかなと思うほどです。根負けしますね。でもお客様目線が素晴らしく話すとためになる事ばかりでした。共有共感あっての商売がスーパーなんだなと昨日また確信しました、どこの家庭も同じような困り事あるのでコトを起こすのも肩の力を抜いて書けそうです🎵
投稿: k,k | 2023年4月15日 (土) 06時14分
女性の感性、考え方には頭が下がります(笑)
男は狩り(攻め)に女は家や子供を守る(守り)と本能的なものなんでしょうか。
朝礼での〇〇の店ぶっぶしてやろうぜ!は今後慎むことにします(笑)
パートさんは白い目で見てるのかも(笑)
投稿: hatabo | 2023年4月15日 (土) 05時39分