年度方針
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
今が年度方針を決定する季節であろうか。
今年一年の企業方針や店舗方針を打ち出す時期。
それを受けて、店舗としてのストアコンセプトを立案し、今年のお店の店舗方針の決定からの部門方針やカテゴリー方針が徐々に決定し、細部の具体的な行動指針が立案されていく時期である。
多くの企業は企業方針は決定される。
しかし、そこから店舗であり、更に具体的に部門に落とされ、そしてカテゴリーにまで落とされていく企業は少ない。
更に、それが一年間継続される企業や店舗は更に激減する。
当初、今の段階での店舗までの方針やコンセプトは店長が立案し、本部にて方針発表会において報告はする。が、そこから毎月の検証であり、毎週の実践であり、という継続が52週というスパンで継続されるという店舗は全体の4分の1程度であろう。
なぜ継続できないのか。
それは、店長が部門やカテゴリーまで深掘りした内容を部門チーフと共有していないからである。そして一度は共有したものの、そこから更に具体的なカテゴリーコンセプトまで部下と共有していないのが最大の要因である。
52週のMD継続とは上記のストアコンセプトの継続なのである。
ストアコンセプトが、年度初めの年頭に立案され、企業トップの承認を受けたのちに、今後は現場の担当者と更に深掘りして、
カテゴリーまで具体化する。
52週の毎週まで具体化する。
この2点を毎週、部門チーフと共有していくことの継続が、要は52週MDの実践と継続なのである。
それが継続されないのは具体性が無いから。
具体的に、52週のどの週から、どの単品を、重点的に販売強化して、実践するのか。
その具体的な共有が部下と為されているのか。
という行為。
それが店舗運営ということなのである。
が、年頭の立案とトップへの報告で終わった、とする店長がほとんどであるかだろう。
誰の為のストアコンセプトであるのか。
そう考えると、トップに対しての報告の為のストアコンセプトとみなしているから、そこで終わってしまうのである。
極端な言い方をすれば、トップへの報告などどうでもいい。
もっと重要なのは、店長自身が単独でもストアコンセプトを立案し、それを基に部門コンセプトを詳細に立案し、それを基に部門チーフと部門コンセプトを共有しながら、毎月のカテゴリーコンセプトと毎週の販売計画へ連動し、実践し、検証するという行為を、毎週継続し続けることなのである。
52週MDとストアコンセプトの両立。
これがあるからこそ、52週MDは店舗においてストアコンセプトを土台に継続されるのである。
そして、上記が連動するからこそ、部門チーフとの共有が図られ、部門において確実に実践されていくことになり、その継続がその年の部門の販売力を高め、翌年からの販売計画立案に大きな貢献を果たしていくのである。
そこから本当のPDCAが回っていくのである。
食品商業4月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.「ヤオコー宇都宮初出店」
ヤオコーとヨークベニマルの戦い
2.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。
「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(4月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(4月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメント(3月編)ダイジェストの視聴はこちら
イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
| 固定リンク
「店長の仕事」カテゴリの記事
- 置場・売場・買場④(2024.10.02)
- 販売報告のポイント(2024.09.18)
- 上位10単品を知る(2024.09.17)
- 店長の教科書として(2024.09.02)
- ファイブマネジメントの実践(2024.09.05)
コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
日本の(世界の)の人口推移から言っても、絶対客数は上がらないのは目に見えています。
よって業績対策は、
①競合店からお客様を吸引する。
②点数拡大して客単価を上げる。
この二つの対策をスピードを以って地道に推進していくことになるでしょうか。そしてそれらを実践し結果に転換できる引き出しを増やしていく事。それらを組織内で共有して、スピードある実践が企業課題となるのでしょう。
そういう意味では、まだまだ「共有」という部分に課題があると思われますよね。
投稿: てっちゃん | 2023年3月22日 (水) 07時59分
予想通り?不穏な売上動向が見え隠れする本年。
コロナ前を振り返ると各社生き残りを掛けて厳し戦いをして来た時代。今年はそれに比較にならない壁が立ちはだかる危機感を現場がどれだけ持ち指示を待たずに自信勇気を持って動けるのか。
コロナ対策に翻弄されたとは言え経営的には潤い商品や売場を蔑ろにしたとすれば今年は何倍ものしっぺ返しが来る。私は残り少ないスーパー人生ですが最も大きな危機感を感じています。値上により一品単価は上がれど買上点数、客数はどうなのか?コロナ禍では買上点数は上がれど客数は下がっていた。客数が更に下がると言う事は何を意味するのか。何が起きてるのかをしっかりと分析し自社自店の強みは何かを肝に入れメンバー一丸となれる指針方針を作らねばならない。店長の力量で大きく業績がぶれる年であり人のモチベーションをストアコンセプトに如何に取込み発信、共振させていけるのか?WBC如く痺れる試合も人間力から生み出される。お客様を如何に痺れさせるのか。顧客感動を得られない店は淘汰されていくでしょうね。
投稿: dadama | 2023年3月22日 (水) 06時49分