満額回答②
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
今年の春闘(しゅんとう)。
もはや春闘は死語であろうか(笑)。
春の賃上げ交渉をかっては「春闘」と称していたが、現在は春の賃上げ交渉と改名して表示しているのがネット上では目立つ。そんな春の賃上げ交渉が、2月より本格化し、会社側と労働組合側で妥結し、今年の従業員の給与体系がほぼ固まったのではないだろうか。
目立つのは満額回答。
満額とは、労働組合側が企業側に提示した今年の賃上げ要求額であり、それを昨年の年齢と同じ今年の年齢見た場合の賃上げ率で解答を頂いたり、支給総額で提示して、その要求通りの賃上げで妥結したときに、満額回答という表示となる。
私も一時労働組合側の幹部をしていた。
そして、毎年の要求に対して、満額回答という企業側の答えは一回も無かった(笑)。
しかし今年は満額回答が続々と生まれている。
トヨタや日産、ホンダ等の従来から春闘を牽引してきた企業が、今年は満額回答を牽引している。
概ねはトヨタの妥結に準じて組合側へ解答する順番となる。
よって、トヨタの妥結額がトップに来て、それ以降は、その妥結額や妥結率を参考に回答をしていくという流れ。
そのトヨタが満額回答であるのが今年の春闘。
そして、その満額回答を引き出したのが、岸田首相の「インフレを超える賃上げ」を企業側へ要請していたことへの回答でもあろうか。
それが我々小売業に直結するかといえばそうではない。
トップ企業が満額回答を受けて、従業員の収入が増え、それが日常生活においてカネが回り始めてから、ようやく小売業の業績へと連動し、そして最終的にサービス業へとカネが入り始めていくのである。
但し売上に連動する基礎は出来たとは思われる。
よって小売業界は、世間にカネが回り始めてきたことを受けて、どう商売を好転させていけるかというステージに入っていくのである。
とは言ってもコロナ禍で結構満額回答以上の利益を創出してきた業界。
よって、トヨタや日産以上に、本来であれば我々小売業界は満額回答が可能な業界なのではある。
それを積極的に世間に示していける絶好の年。
それが今年なのではないだろうか。そしてそれを一つの話題性として、従業員獲得に活かす。それもこのピンチをチャンスに展開していく手法ではないのだろうか。
それを積極的に活かそうという企業も出現し始めている。
小売業界では、その先陣を切ったのがユニクロではないだろうか。
初任給30万¡?。
驚きの初任給である。
はやり自社開発自社販売。
このことが、売上以上に利益創出を生むのであろう。我々小売業も自社開発自社製造を有する、生鮮惣菜で如何に利益を創出するかをもっと念頭においた視点を持つべきであろうと思う。
食品商業4月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
1.「ヤオコー宇都宮初出店」
ヤオコーとヨークベニマルの戦い
2.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。
PS
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。
40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表
農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。
第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(3月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメント(3月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメント(2月編)ダイジェストの視聴はこちら
イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
全ての業績は全て繋がっている、というのがてっちゃん流ですので、生産性向上へ繋げる為の、数値回転、そしてその回転の為の売場の在り方、それらをどう回転させていき、結果としての生産性向上による、営業利益の獲得という構図を知ることから始まるのかと思うのです。
投稿: てっちゃん | 2023年3月18日 (土) 10時53分
k,kさん、コメントありがとうございます。
生鮮人材を今獲得しておかないと、これからの5年で相当厳しくなっていくのがわからないのですかねぇ~。現場感覚ではあと5年ですかね。そしてその時の環境に合わせた品揃えになっていくのかと思うと、特に水揚げ産地に近い店舗は競争力を全く失うことになるのではと思うのです。
投稿: てっちゃん | 2023年3月18日 (土) 10時45分
経営側的には利益圧迫要因の嵐で頭が禿げそうですね(笑)。何れにしても今年は勝負けが明確になる年だと感じますし直近の売上を見ても明暗がハッキリしてきている。特にドラックストアの食品構成比増加傾向はSMには益々大きな脅威となるでしょう。生産性で優位なドラックストアに対して経費、特に人件費率が高く生産性の低いSMが如何に対峙していくのか?ベースアップ以上に生産性を高めるマジック、いよいよてっちゃん流手腕発揮でしょうか。
投稿: dadama | 2023年3月18日 (土) 06時37分
そうありたいですね🎵 でも自動車業界の半分以下でした(^_^;) 組合役員は徹夜で頑張ったみたいですが。当社も自社製造のPBを続々と出してますがヒット商品はあまりありません(笑) どうにか生鮮に人員を補填して欲しいですが減るばかり。上手くいきませんね
投稿: K,k | 2023年3月17日 (金) 19時17分