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2023年3月25日 (土)

商品価値

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


価格訴求と価値訴求。

  よく言われる対比である。

価格訴求は分かりやすいし、見えやすい。

  同じ商品を絶対的価格で一目瞭然。

しかし価値訴求となると、見える化が難しい領域となる。

  味で美味しい。
  健康に嬉しい。
  使って便利だ。
  今話題の商品。
  まさに今が旬。
  
等々、いろいろな切り口があり、そして受け手のお客様の判断が大きく左右する領域ではないだろうか。

  商品の価値。

それを、何を以って評価するかと判断は、受け取りてに委ねられることになる割合が非常に大きいということである。

  だからコトPOP等による価値訴求が重要となる。

しかし、大抵はメーカー側が作成した既成の媒体を設置して終わりということになっていることがほとんどではないだろうか。

  こだわり商品を品揃えするという姿勢。

それは大いに評価すべきであるが、自らが、そして企業がこだわりを以って品揃えするということは、まだまだ認知されていない価値ある商品をしっかりと受け手であるお客様に伝わらなければ、その価値は永遠に認められないまま、品揃えから消えて無くなっていくという運命にあるというのが、私が経験してきた価値訴求品であった。

  商品価値の一つに「作り立て」がある。

製造部門である鮮魚や惣菜、ベーカリーは、同時に鮮度落ちも早い商品群が多い。

  刺身。
  弁当。
  揚物。
  ピザ。
  パン。

等々、作り立てがそのまま「鮮度」「美味しさ」「食感」「暖かさ」等の美味しさ感を訴えるに十分な価値を有する商品群。

現役時代、あるベーカリーチーフが私に言った。

  「焼き立てパンは売価の2倍の価値があると思っています!」

彼が言うには、通常売価が250円の照焼きチキンパンがあったとする。その商品が作りたてて、焼き立ての照焼きチキンをほかほかのパンでサンドした商品が売場に陳列されたとする。

  その瞬間の価値は250円ではなく500円の価値。

というのが彼の持論だった。だから彼は焼き立てのパンが製造され、売場に陳列した直後に、必ずマイク放送にて店内のお客様に出来立て商品が今この瞬間に売場に陳列されたことを告知していたのである。それは他の従業員やパートさんも同様であった。

  惣菜やベーカリーの商品価値。

それは鮮魚の刺身類も同様であろう。

  作り立ての鮮度。

これは、この瞬間に最高の価値を持ちながら、時間と共に低下していく。

  だからこそ一番商品価値の高い時点で全力で売り込みをかける。

それが、味の評判に繋がっていくのである。

  彼は程なくして店長に昇格したのである。







食品商業4月号が発売されました。
20234
当方の執筆は以下の通りです。

1.「ヤオコー宇都宮初出店」
    ヤオコーとヨークベニマルの戦い

2.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
    一時限目 ~ ファイブマネジメント
    二時限目 ~ 52週MDマネジメント

今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。




PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。

  「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから



AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。

40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表



農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
   一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
   二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
   三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
   四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義



競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 


52週MDマネジメント(4月編)のダイジェスト版をアップ致しました。

  52週MDマネジメント(4月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメント(3月編)ダイジェストの視聴はこちら
  



イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。






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コメント

k,kさん、コメントありがとうございます。
いくら頑張って商品化しても、結局はお客様に伝わらなければ努力も報いられないもの。だからこそ、店舗のリーダーや部門チーフは部下の努力を如何に報いるか、その為の出来たてアピールは必須だし、それが部下にも伝わるのだと思いますよね。

投稿: てっちゃん | 2023年3月25日 (土) 08時20分

焼きたてのパンや作りたてのカツ丼弁当、旨いですよね🎵 やはり熱が感じる商品は別格です、刺身も卸したて切り立ての放送かけて販売しますがやはり熱が伝えられないから負けてしまいます。青果のカットフルーツも切り立てがジューシーで美味しいのになんで放送かけたりしてアピールしないのか? もったいないですよね~ いかにシズル感を出せるか、タイミングよく時間計算できるか。大事ですね🎵

投稿: k,k | 2023年3月25日 (土) 08時16分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
昔は十人十色と言っていましたが、今は一人十色の様相ですね。だからこそ、価格面を重視する場面もあれば心の豊かさを求める場面もある。その心の豊かさ、充実した現在を満喫する為に、自分のスタイルを通す生き方も尊重されていると思います。その自分スタイルに譲れない価値を貫く姿勢。その為に、価値ある商品にこだわる必要もあるかと思うのです。但し、それにははやりその価値を求めるお客様へ、しっかりと伝えるという行為も付随しなければなりませんね。

投稿: てっちゃん | 2023年3月25日 (土) 08時13分

価格感度が高い時であるこそ利益担保の価値訴求が大事ですね。それには売手が真剣に商品の価値をお伝えする気持ちを持ち如何にお客様の琴線に共振させていくのか。欲張らず一品で良いのです。その日の一品に対する商品価値の執着が参加率、買上点数に大きく影響しひいては売上利益に直結する事を理解共有せねばですね。
一品への執着=殺気=波動エネルギー=量子力学ですよ(笑)。

投稿: dadama | 2023年3月25日 (土) 07時56分

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