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2023年3月28日 (火)

虫の目を養う

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


魚の目~鳥の目~虫の目、そしてコウモリの目。

  各視点の重要性を説いた比喩。

当方のセミナーでもよく使用するワードである。

  魚の目 ~ 推移でありトレンド。
  鳥の目 ~ 概略でありダイジェスト。
  虫の目 ~ 現場でありフレッシュさ。

そんな区分けが出来ようか。そしてこれらの異なる視点で同じ課題を発見し、同じ課題を分析し、同じ課題の解決策を多岐に渡って実践するという問題発見からの問題解決への手法である。

  虫の目で問題を発見
  鳥の目で問題を整理
  魚の目で問題を解決

そんな流れで、課題を解決していくストーリーとなるのである。その為の課題解決の視点とその視点を持つ部署の役割を示した構図とも言える。

  上記のように課題解決にはそれぞれの役割がある。

企業として課題を解決していくことは、小さな課題ほど見えないものであり、それには現場の問題発見能力と、発見からのスピーディーな対策という行動が重要となるが、まずは現場で虫の目という視点で最先端の現状から課題を捉える必要がある。

  その為には最先端の鮮度が重要となる。

最先端の鮮度とは、店内に入店されたお客様の買い物行動そのものである。

  その買い物行動の把握こそ現場の強みそのものなのである。

店内で買い物されるお客様の行動を把握できるのは、リアルな現場でリアルなお客様の買い物行動を、リアルに観察している現場の人間以外には存在しないからである。

  “店内の防犯カメラがあるでしょ?”

そんなのは言い訳に過ぎない。

  なぜか。

買い物とは、来店されてからどのように買い物ルートを通り、どの売場で立ち止まり、どのような視点を経てからその商品に手を伸ばし、リアルに買い物かごへ入れたのか、という一連の流れを掴むことである。

  重要なのは売場作りをした人間が観察することにある。

自分が作った売場で、リアルにお客様が自分の意図に対して、どのように反応したのかというやり取りをリアルに掴む必要があるからである。

  それを掴むためにリアルに観察する必要がある。

そこには、販売側の意図がその売場に反映されているからだ。その意図を持つ販売者が、購買者であるお客様のリアルな反応を検証するから、次へのステップへと進めるのである。

  次へのステップとは課題解決へのステップとなる。

点数を伸ばすという課題、単価を上げるという課題、客数を伸ばすという課題、そしてトータル的な売上を拡大するという課題。それら全てがリアルに来店しリアルに購入するお客様の買い物行動に全てが隠されているからである。

  その検証が最先端の情報となるのである。

だから、現場で検証する虫の目とは、最先端の鮮度が重要なのであり、その情報を有することが現場の強みなのである。

  この強みは現場以外では有することが出来ない強みとなる。

だからこそ、現場の人間はバックヤードでデータをチェックするのではなく、売場という現場で顧客の動きや感情を掴むことが最優先なのである。そしてそこで掴んだ情報を自らの引き出しに納め、その情報を基に再び売場作りを修正し、検証を繰り返していくこととなる。

  その繰り返しが販売力へと昇華していくのである。

そしてその経験を積み上げながら、鳥の目、魚の目と連動させながら、より大きな商売の強み、店舗の強み、組織の強みへとステップアップしていくことが、個人の進化となる。

  入社3年目までは目の前のお客様から目を離してはいけない。


  


食品商業4月号が発売されました。
20234
当方の執筆は以下の通りです。

1.「ヤオコー宇都宮初出店」
    ヤオコーとヨークベニマルの戦い

2.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
    一時限目 ~ ファイブマネジメント
    二時限目 ~ 52週MDマネジメント

今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。




PS
部門別顧客の五感のダイジェストをYouTubeにアップ致しました。

  「部門別顧客の五感」概略編の視聴はこちらから



AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長研修会(2023年2月7日~8日)にて講演を行いました。

40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表



農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
   一時限目 ~ ファイブマネジメントの概略
   二時限目 ~ 52週MDマネジメントの継続
   三時限目 ~ 果実での52週MDの継続効果
   四時限目 ~ お客様の五感による競合対策
参加された店長が、42勝3敗の具体的実践手法を現場で即実践できる内容をメインに講義



競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 


52週MDマネジメント(4月編)のダイジェスト版をアップ致しました。

  52週MDマネジメント(4月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメント(3月編)ダイジェストの視聴はこちら
  



イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。





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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
どんな方針を出し、どんな出店計画を立案しても、なんだかんだ言っても現場で利益を生むのは事実。現場の一人一人の利益創出力を高める愚直な行動が、最後の勝ち組に繋がるのだと思います。そしてそれを支える活動をお互いにしていきたいですね。

投稿: てっちゃん | 2023年3月28日 (火) 07時50分

全ての答えは現場に有りき。その通りですね。
現場を知らない、現場が見えない、更には現場に興味がない管理者も散見されますね。こんな管理者の部下は悲劇ですよ(笑)。

投稿: dadama | 2023年3月28日 (火) 00時18分

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