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2023年3月15日 (水)

日本海の豊漁

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


なにかとテレビ等で話題となっている。

  日本海のいわしの豊漁。

お付き合いのある企業の鮮魚売場を見ると、やはりいわしが激安である。

  「いわし豊漁なんだって?」

鮮魚バイヤーの質問すると、

  「はい、激安です!」

私は聞いた。

  「どんな売り方してる?」

バイヤーは言った。

  「単に丸のまま売ってます」

やはり、浜での売り方は、新鮮な生魚は丸のままパック詰めで売るのが一般的なのであろう。これが内陸だと店舗側で調理をしてやって初めて購入動機が高まるのであるが、魚を知る浜のお客様は自分で調理をするから、店舗側が余計な手間を掛けなくてもいいのであろう。

しかし、売場を見ると大漁なのはいわしだけではなさそうだ。

  「赤がれい」
  「小あじ」
  「ひらあじ」

等の魚が浜から直送されて販売している。

  この日は「ひらあじ」が鮮度感よく大陳されていた。

浜の鮮魚部門の鮮度感とは、このように近場の浜で水揚げされた魚種がその日のうちに売場に展開され、売り切られることによって、毎日が新鮮な売場となるのである。

  それが漁師によって口コミとなって広まっていく。

だから、浜の鮮魚部門の優劣が明確に分かれていくのである。

  しかしやっぱりいわしだけでは売上には繋がらない。

どうしても、「かれい」や「さば」そして「あじ」のような高単価の魚種の水揚げによる販売が鮮魚の数値を引き上げるのである。

  全国的な鮮魚部門の不振。

そこにはいろいろな要因が重なっており、単純な理由だけではない。

  不漁による魚価高。
  いか秋刀魚の不漁。
  小骨の
食の複雑化。
  魚の調理の複雑化。

いろいろな課題によって、魚以外の食材の普及の一般化も魚離れの大きな要因であり、魚価高だけが要因ではないが、とは言ってもその発端に魚価高があるのは間違いない。

  特に内陸部における魚離れは著しい。

だからこそ、沿岸部での豊漁による鮮魚部門の回復は大いに喜ばしいことではある。

  お客様の五感。

その筆頭に来るのが、鮮度感。

  その鮮度感を牽引するのが丸魚である。

よって、都市部の新店における鮮魚部門も客動線の先頭には必ず「丸魚」を配して、店舗としての鮮度感の向上に位置付けようとしているのが特徴的である。それだけ丸魚とは、未だにお客様の五感に訴えるカテゴリーであり、その鮮度感の優劣がお客様の店舗選択に影響しているのも事実である。

  日本海の豊漁が太平洋側にも感染してほしいものである。






食品商業4月号が発売されました。
20234
当方の執筆は以下の通りです。

1.「ヤオコー宇都宮初出店」
    ヤオコーとヨークベニマルの戦い

2.「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
    一時限目 ~ ファイブマネジメント
    二時限目 ~ 52週MDマネジメント

今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。




PS
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40名近い参加者により、6つのグループワークにて活発な意見交換が交わされる
  講演テーマ「競合対策の視点」
各社の現役店長が数名ずつ参加し、大阪堺地区の店舗を視察後、自分が店長だったらという仮定の基に「自分だったらこう対策を打つ」を、グループ討議を経て発表


農協流通研究所主催「全国店長サミット」(2023年1月26日~27日)にて基調講演を行いました。

第13回を迎える全国店長サミット。コロナ禍で順延していたが今回3年ぶりのリアル開催
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  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 


52週MDマネジメント(3月編)のダイジェスト版をアップ致しました。

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イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。






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コメント

V店長、コメントありがとうございます。
あらお久しぶりです(笑)。
昨日も、あるお店で1kほどのかれいを1枚980円で大陳しているお店がありましたが、それでも儲かっているということですね。でも昨今では、それでも仕入れて販売しないお店が多くなってきているような気がしますが、そこの差がこれから益々格差が生まれていくでしょうね。
V店長さんは、これから益々、よだれたらしながら包丁研ぎが続きますね(笑)。

投稿: てっちゃん | 2023年3月16日 (木) 06時00分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
あのお店は青果も鮮魚も都市部から比べると安価に提供していますね。その勢いを今後は利益額の獲得という意識と実践に転換していくことが課題かと思われます。但し、まずは集客力の蓄積から始めねば、根本的な店舗力にはなりませんからね~。

投稿: てっちゃん | 2023年3月16日 (木) 05時53分

いわし、かれい共に相場安ですねー。

イワシは100g以上ないと捌く時の生産性が合わないので100g厳選!とか言って単価と生産性が合うようにします。笑

赤カレイはk/300円台の相場もでてきましたね、よだれがたれる相場、包丁研いどかないと。笑

投稿: V店長 | 2023年3月16日 (木) 00時00分

奇しくも昨日北陸に家族旅行に出かけとあるスーパーに立ち寄ったのですが家内が「安い安い♪」と色々魚を買い込んでましたねー。今宵はこれで失礼しましたー(笑)。

投稿: dadama | 2023年3月15日 (水) 19時59分

k,kさん、コメントありがとうございます。
全く不思議ですが、やはり日本海と太平洋。潮の流れも違うであろうし、気候も異なるもの。同じ海とは言え、地域によって魚の時々での好みがあるのでしょうか(笑)。
いわし10円での調理は哀しいかな、ですが、ガッチリ利益を稼いでほしいものですね。このような場合を考えると、無料調理承ります、のサービスも如何なものか、これからの技術を要しない商売の中で、調理技術はしっかりと技術料を頂くスタンスも必要かと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2023年3月15日 (水) 07時36分

不思議ですね~テレビで豊漁って報道してたぞ、高いよ!っと言われるお客様は結構いらっしゃいます(^_^;) サバもあるし太平洋側は安定ですね~ イワシが安いと大変です、ほぼ調理を求められます。昼ご飯もいけないし売り上げも上がらない。先日、浜沿いに住む親類の愚痴を聞いたのですが、小ぶりだけどイワシが10円だったから調理してと頼んだらやってくれないのよ、酷いと。理容業の叔母だったので1000円でシャンプーから髭剃りまで全部やれるかと話したら無理に決まってるでしょ!っと(笑) 同じ事なんですけどね~ 一度機会あれば日本海方面に勉強にいきたいですね🎵

投稿: k,k | 2023年3月15日 (水) 06時49分

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