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2023年3月 2日 (木)

バイイングの醍醐味

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


自分で仕入れて自分で売る。

  かっての仕入れは全てがそうだった。

しかし昨今はほとんどのチェーンストアではバイイングと現場での販売で役割を分担し、自分で仕入れて自分で売るという流れは分断されている。

  自分で仕入れたら自分で売る。

この当たり前の行為が小売りから消えると、そこには仕入れ担当と販売担当の間に大きな溝が出来てしまうことになった。

  かっては自ら仕入れて自ら販売していたのに。

それでは、なぜ自ら仕入れていたのか。

  本来の役割は仕入れて売るという分断が無かったから。

しかし、それだけだろうか。しかしバイイングにはそれ以外の醍醐味があったからこそ、売る側も一歩踏み込んで仕入れに赴いていたのである。

  その醍醐味とは?。

それは、市場にリアルに赴くと、掘り出し物に出会えたからである。

  掘り出し物。

そう、市場が意図して仕入れた商品以外に、産地が勝手に送ってくる掘り出し物である。特に水揚げが多かったり、間違って仕入れたりして在庫になってしまった商品である。

  それはリアルに仕入れに行った人間だけが知りえる情報である。

それも、リアルに行っただけではなく、その情報を一番早く知りえた人間からチャンスが巡ってくるのである。

  要は先手必勝なのである。

よって、それは事前情報には乗せられないものであり、だからこそ人知れずそんなチャンスが巡ってくるのである。仕入れと販売が分断されていない時代は、仕入れる人間が先手必勝で全てを仕入れ、全てを自社や自店で消費することが可能であった。

  だから尚更お買い得による売上と利益獲得が容易に出来たのだ。

今でも先手必勝は存在する。しかし、そのチャンスをものにできる店舗や企業が少なくなってきているのも事実であろう。それは、市場に直接買い出しに行く人間や企業が減少してきているからでもある。

市場にリアルに買い出しに行くバイヤーですら、そのような先手必勝的な商品に食いつくバイヤーも少なくなってきたようだ。

  現場が嫌がるからである。

日々のルーティン業務に追われ、必要以上の作業や商品をさばく事を嫌う傾向が顕著になってきたからでもある。

  だから先手必勝はごく一部に集中するようになってきた。

そうやって尚更、先手必勝を有効に活用する企業と活用しない企業の格差が生まれていくのである。

  中小ほど先手必勝を有効に活かしチャンスをモノにしてほしいものである。







食品商業3月号が発売されました。
20233    
当方の執筆は以下の通りです。

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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
仕入れと販売の分断にも量子力学が関係しているのですね。例のポーズだけではなく、内容も24幕でしっかり学ばねば😎。
 中小の強み=個店の強み。
そう捉えながら、店長育成が重要となっていくのではないかと捉えております。

投稿: てっちゃん | 2023年3月 2日 (木) 10時27分

仕入れと販売の分断=波長が合わない(笑)。
然しながらこれは売り手側の都合であってお客様には関係のない事。近年効率化や分業化のお題目の下、売り手都合をお客様に押し付ける事が多くなってきたのではないでしょうか。お客様目線で色々な視点からお店を点検しお客様の波長に合わせる事が柔軟に出来る中小規模のお店に利があると思います。

投稿: dadama | 2023年3月 2日 (木) 10時01分

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