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2023年2月20日 (月)

人時の使い方

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


人時。

  従業員の就業時間を人時という数値で表す。

一日、何人時で作業をして、いくらの売上を挙げるか。

  それによって人時生産性が決定する。

人時生産性が高いということは、従業員一人で一時間あたりの売上金額が高い、という評価になる。

  一般的には生鮮は低くグロサリーは高い。

作業が複雑で手間がかかり、商品化に時間のかかる惣菜部門やベーカリー部門は人時生産性が低く、商品出しのみのグロサリーは人時生産性が高い、という結果に結びつく。

しかし、部門の荒利率となると、手間のかかる惣菜部門やベーカリー部門ほど高く、手間をかけないグロサリー部門ほど低い。

  手間をかけない部門は絶対的な売上を追求する。
  手間をかける部門は絶対的な荒利高を追求する。

そうやって荒利ミックスを図り、店舗全体として利益を創出して、永久的に存在し続け、地域の食のインフラに貢献していくのがこの業界の使命である。

  理屈は上記の通り(笑)。

しかしなかなか理想通りにいかないのが現場であり店舗である。特に人時と売上のアンバランスが部門間で発生するのが常である。

  そこで部門間での人員のやりくりが行われる。

レジから部門に応援が入ったり、逆に部門からレジへの応援も入ったりしながら、お客様に迷惑の掛からない売場とレジの人員の往復が発生する。というより店長主導で意図的に人材の貸し借りが行われるのが常であろうか。

  とは言っても予算通りの人時生産性は難しい。

特に、人員過多の場合はどのようにして人時売上を高めるかは大きな課題となろうか。

  “人員に見合った売上を上げなければ”

そのような焦りも出ていくるものだ。しかし人員過剰を解決するには、早退して頂くか、退職して頂くかしかないであろう。しかし、人材不足の折、そのような対応は出来ない。それではどうするか。

  人員に見合った人時荒利高を高めることである。

要は、荒利率を予算以上にたたき出す工夫をすることであろう。

  人員を単純作業に回す。

という発想から、

  人員を利益創出に回す。

そのような発想に切り換え、人時余剰分を、如何に利益獲得にむけた仕事の仕方に切り換えることである。

  余剰人時を売上増から荒利増に切り換える。

このことによって、単純作業よりも手間をかけて利益高を創出できる商品化に回すことにより、人時荒利高を高めていくという視点で人材育成であり人材活用を進めていく事で、より商品価値の高い売場構成に出来るであろうし、そこから競争力のある部門であり店舗へ成長させていくことが可能となる。

  特に製造部門は上記の視点が重要となる。






食品商業3月号が発売されました。
20233    
当方の執筆は以下の通りです。

「店舗視察の実践法」
  首都圏店舗で学ぶべき項目とは。

「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
  一時限目 ~ ファイブマネジメント
  二時限目 ~ 52週MDマネジメント

今回は上記の項目を執筆致しております。お楽しみください。



PS
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長塾(2022年9月14日~16日)での講演を行いました。
  将来企業の経営幹部を育成する目的で開催される年五回の店長塾。
  地域の競合店に勝ち抜く店舗運営の手法を講義致しました。



競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 


52週MDマネジメント(2月編)のダイジェスト版をアップ致しました。

  52週MDマネジメント(2月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメント(1月編)ダイジェストの視聴はこちら



イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。



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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
マルチタスクという発想、そして部門横断という実践は中小スーパーは逆に得意とするところかもしれません。しかしそこに個人のモチベーションであり、仕事の楽しさが伴うかというと話は別。しかし逆の発想で言えば、仕事の楽しさの追求が、マルチタスクへの近道という事例も多数。やはり心のスイッチ次第で行動が変わる人間の本質が重要なのだと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2023年2月20日 (月) 08時37分

小規模店舗では部門縦断型の一律契約による作業時間帯割当の導入で応援的思考を排除すべきかもですね。短時間とフルタイマーの求むべきスキルも明確にして評価と給与に反映させ、モチベーションを高める仕組みも必要でしょうか。
モチベーションの高いパートさんは多いですし、社員よりやる気のある方もあちこちの店で見受けられますから(笑)。

投稿: dadama | 2023年2月20日 (月) 08時24分

k,kさん、コメントありがとうございます。
現在は余剰人時から欠員人時に完全に移行してしまったのでしょうね。更には欠員人時が常套化してしまうと、その人時でやれることをやる。そしてそれ以上を求めるならば個人の判断に委ねられてしまう。そんな発想から毎日の売場が作られていくと、周囲の販売競争に後れを取ってしまうのは必至。そこをマインドコントロールしてくれるのが店舗のリーダーとなる店長でしょうか。幸いにもk,kさんは店長に救われているようですので、とりあえずは安心ですね(笑)。

投稿: てっちゃん | 2023年2月20日 (月) 07時34分

他部門に応援は散々廻してますが鮮魚に応援は来たことがありません(^_^;) 魚屋不人気です。臭いから寒いからなのか、ハードルが高いからか、怖いからか(笑) デリカばかりですね🎵 粗利取るのも苦労しますがそれ以上に残業するなさせるな。だから欠員でてもやります。二人いれば何とかなります。疲れますね

投稿: k,k | 2023年2月20日 (月) 07時00分

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