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2023年2月 7日 (火)

人事異動に振り回される

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。



これから人事異動の季節になろうか。

  2月から3月にかけての人事異動。

早いところでは2月ジャストからの異動もあり、遅くても3月中旬ごろまでには異動完了という企業が多いと思われる。

  店舗での2月から3月での人事異動。

意外にこの期間はイベントが満載なのである。

  2月1日からの異動は厳しいものがある。

先日の恵方巻に関しては、一年で一番寿司の売れる日である。企業毎の違いもあるだろうが、とは言ってもインストアでも相当の売上が期待できるわけであるから、それを数日後に控えた異動は、行く方も迎える方も慌ただしい中での異動となるのは必至である。

  更にひな祭りや彼岸の販売計画の打合せ。

異動した店長は前年の経験が無いため、一つ一つが手探りでのトライとなる。逆に言うとこのように前知識のない状態では思い切った変革も可能である。

  人間同士の忖度など何もないのだから。

というわけでリスクもあればチャンスもあるのが、人事異動である。

  しかし振り回されてはいけないのがイベント対応。

特に、節分、ひな祭り、春彼岸と続く日本伝統の食文化が存在する時期は、その地域や店舗特有の文化も結構あるものだ。

  そこでの成功失敗は年度初めのスタートダッシュに左右する。

だから、この時期に異動する方は、是非事前の赴任先の情報収集をしておかなければならない。

  異動前に赴任先の販売計画を詰めておく必要もある。

私が現役の頃は、この時期の異動の際は休日に異動先の店舗へ赴き、そこの全チーフとひな祭りの事前打ち合わせ等を行い、3月1日の赴任から違和感の無い環境で異動していた。

  その後のひな祭りや春彼岸そして春の売場変更へ。

そして、前年からの52週MDの店舗反省などが写真と共に残っていれば、後任の店長やチーフは非常にイベント計画を立案しやすくなるのであるが、意外にそのような反省は無い。

  年末やお盆以外はそのような反省が少ない。

だから、新任の店長の場合はまた一からリ・スタートとなり、同じ失敗を繰り返すという轍(テツ)を踏むのである。
企業としては、新規事業年度のスタートとして、新たな人事体制で進めていくのは当然としても、実際の現場ではこのような事態に陥っていることを考慮した上での人事スタートを頭に入れておく必要はあろう。

  重要なのは引継ぎと前年反省。

大昔の話をすれば(笑)、毎年の人事異動はまるまる一か月かけて完了させていた。ある店舗の人事異動で約一週間の期間は異動した店長と異動する店長が同じお店で就業期間を重ねるのである。そこでリアルに引継ぎをして異動する店長は次のお店へ赴任をする。

  それを約一か月間繰り返して完了。

そんなゆとり(笑)のある時代もあったが、現代は一発同時進行での異動で完遂させるのが通常の定期異動であろう。

  それもあっての52週MDの継続だった。

だから、いつ異動してもいいように52週MDを記録に残しておいたのだが、意外にそれは翌年の自分の為の反省に終始したのが、最後の5年間のトレンドであった。

  そのおかげで余裕を持って計画と実践が可能となった。

結局は、自分の為の52週MDの継続。しかし、後々続く人事異動においてその記録は永遠に有効に活用されるであろう。

  そしてその後は後任の店長の色に染まっていく。

人事異動。

  是非ゆとりを持って臨んで頂きたいものです。






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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
ブレないマニュアルや標準フォーマットの存在とその実践力は必ずしも一致しないのは永遠の課題かと思われますね。実践するのが心を持たないロボットなら一糸乱れず実践するのでしょうが、いかんせん人間は伝え方、捉え方、やり方で結果は大きく変わるもの。逆にマニュアル以上の結果を出せる人も出てくるもの。
企業としての選択の領域になりますかね。

投稿: てっちゃん | 2023年2月 7日 (火) 09時40分

仕組みや作業手順が整備されている筈なのに異動によってブレるのは何故なのでしょうね。
魚の骨を使った要因特性図で分析するのも宜しいかと。色々な要因が出て来るでしょうが「心のあるべき姿」的要因も大きく関わっていると推測します。異動後如何にメンバーと信頼関係を構築し業務を円滑に回していくのか。前任者は過去の人との割切りも必要ですし、自らのスキルに自信とそれを伝える力もつけておきたいですね。

投稿: dadama | 2023年2月 7日 (火) 06時52分

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