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2023年1月26日 (木)

個食のリスク

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


昨日は、「仲間の定義」を記した。

  共に食事を摂れる人間。

そこまで突っ込んで定義をしてみた。いろいろと異論はあるだろう。しかし我々のDNAには、そのような長い歴史を刻んできた血が流れているのは事実である。

  そして今日のテーマは「個食」。

個食とは、ここでは限定して「一人で食事を摂る」ということにした。その場合にも、いろいろな場面が想定できる。

  独身者・単身者が一人で家中で摂る食事。
  会社での休憩中に一人で車中で摂る食事。
  家族がそれぞれに家中で一人で摂る食事。

いろいろな場面が想定される。特にここ数年はコロナ禍という環境の中で、従来であれば企業内での休憩時間に、仲間と休憩室や外食にて共に食事をする時間が激減してきたのではないだろうか。更に独身者や単身者は就業後に従来であれば仲間と帰宅前に一杯という習慣も、ここ数年は全く途切れてしまっているかもしれない。
もしかすると、家族内でもコロナ感染中は一人一人が個食で別々の部屋で食事を摂るという環境になっていた家族もいるかもしれない。

  いずれにしても急増している個食の場面。

それが、コロナ禍以降どのように従来に戻っていくのだろうか。

  ここは未知数である。

しかし、昨日記したように、人間は火を起こし、そこで料理を囲みながら共に食事を摂り、そして会話をし、そこからいろいろな知恵が世代を越えて伝達され、その積み重ねから文化が発展してきたのである。

  全ての進化の源は一つの食事の場面から。

そして人間は、人間同士の会話でありコミュニケーションを頻繁にとることから刺激を受け、自ら持つ探求心に火を付け、そこからいろいろな行動を起こしながら進化してきたのである。

  その原点が今縮小している。

これは大きなリスクなのではないだろうか。私自身もコロナ禍が始まった2020年からの一年間を現役の店長として店舗で過ごしたが、その一年間はほぼ車中での昼食であった。従来であれば店舗の従業員と共に休憩室で昼食を摂っていたが、一転して車中での個食の毎日となった。

  個食によって何が変わったか。

従来の食事では、同じ時間に休憩をする従業員との会話、情報共有、そして何気ない会話からの感情移入等、毎日が変化に富んだ時間が持てた。

  個食になると毎日が同じ時の流れ。

これはこれで、これで良しとする人もいるかもしれない。

  しかし毎日がつまらない(笑)。

要は、他者からの刺激が無いのである。他者からの刺激とは、ある意味重要な情報なのではないだろうか。

  それは飲み会でも外食でも同様である。

飲み会ともなれば、多少?のアルコールの助けも借りて、意見交換の場があり、それがまた結構なストレスの解消にもなる。

  そしてそれを通しての信頼感も生まれてくる。

一部には、リモートでの就業や非接触による生活を肯定する意見もあろうが、我々の仕事はリアルな人間同士の接触を前提にした業界である。

  リアルが人間同士の接触に強い人間。

それが、リアルな売場に強い人間として成長する近道ではないのだろうか。






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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
コロナ過を経て、人々の暮らしにも一人一人のギャップ、場面でのギャップという格差がうまれていく速度が速まっていくのでしょうね。
自社はどこに焦点を当てるのか。それも基礎商圏を考慮した中で再構築を図らねばならないということですね。
そして働く我々も一人一人のギャップが生まれていく時代。如何にそのギャップを埋められるか。やはり個食の問題同様に、人間本来の探求心を燃やせる現場の環境整備が急がれますね。

投稿: てっちゃん | 2023年1月26日 (木) 07時15分

会社経費のビジネス需要は減るでしょうが、人間本来の群れたいDNAから仲間で食を楽しむ機会は徐々に回復するでしょうし、コロナが4月から5月に掛けて5類に以降する事も後押しするでしょう。
日本は西洋文化の後進国ですから友人や仲間と時間を共有するシーンはまだまだ増えるのでは?
但し、メリハリ消費は一層強まるでしょうから消費者の琴線に触れる商品を提供し続ける事が求めらますし、短期的にはインフレに耐えうる経営、中長期的には団塊世代対応、出生率低下による人口減や更に上がるであろう消費税・・・スーパーにはイバラの道が続きますからしっかりと備えねばでしょうか。

投稿: dadama | 2023年1月26日 (木) 07時00分

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