« 進化と退化 | トップページ | 食品商業2月号の発売 »

2023年1月 6日 (金)

最後の砦

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


今日は日曜日、ではない(笑)。

  が、NHK朝ドラ「舞いあがれ」から。

主人公の舞(まい)がリーマンショックによって、一年間の入社延期となり、親元の工場を手伝うことになった。

  その工場でもリーマンショックにより受注が激減。

よって数名のパートさんに退職をお願いすることになった。

  そのパートさんは最後の検品が業務。

その検品を、代わって舞(まい)が受け持つことになった。そして退職するパートさん達の最後の出社日に、そのパートボスが舞に言った言葉。

  「私たちの仕事は最後の砦だから」

工場で生産したネジ。そのネジを最後に検品しながら箱詰めする業務。それをそのパートさんは、最後の砦と言った。
要は品質重視の最後の検品が自社ブランドの最後の砦であるということである。

  なるほど、と思った。

そんなプライドが彼女の仕事のモチベーションであったのだろう。

  最後の砦。

想えば、我々小売業も、生産者、メーカー、問屋、市場、配送、そしてバイヤーその他諸々の中間業務の方々の想いを載せて、最後の砦としてお客様に最終販売する「最後の砦」なのかもしれない。

  生産者や製造者の品質を最後まで保持しながらお客様へ。

彼らの想いが我々に伝わるから、その熱い想いを冷まさずに如何にお客様にそのままを販売できるかどうか。

  それは我々の腕次第ではないだろうか。

我々の扱う商品は、そのほとんどが他者の方々が生産したり製造したりしてた商品である。中にはその過程で再び調理をして製造する商品もあるが、それとて、全てを自社や自店で開発生産した素材ではない。

  全ては他者が開発生産した商品を加工しているに過ぎない。

鮮魚だろうが、精肉だろうが、惣菜だろうが、全ての素材はだれかが収穫し、誰かが生産したものだ。

  その素材があるからこそ商品製造できるのである。

その素材を知らない限り、その素材を有効に活かして最後の製品に仕上げることは出来ない。

  まず我々は素材自体を知ることが前提でなければならない。

その商品を如何に売るかという前向きの情報も重要であるが、その素材はどこで収穫され、どこで加工され、どこでどんな意図を持って流通しているのか。

  商品自体を知ることも重要なのである。

そして、その素材や商品自体に思い入れを持つことが、小売業者の役割として重要となる。それは生産者の想いと消費者としてのお客様の想いの最後の砦であるからだ。

  よく、商品に惚れる、と言われる。

惚れるからその商品の良さがよくわかり、惚れるから購入するお客様にもそれを伝えたくなり、惚れるから売る楽しさや売れる喜びを味わえるのである。

  そしてそれは我々が最後の砦であるからなのである。

そんな想いを込めて、今年も商売を貫いていきたいものである。







PS
AJS(オール日本スーパーマーケット協会)主催の店長塾(2022年9月14日~16日)での講演を行いました。
  将来企業の経営幹部を育成する目的で開催される年五回の店長塾。
  地域の競合店に勝ち抜く店舗運営の手法を講義致しました。



競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  7月21日開催「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  6月22日開催「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  5月18日開催「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  4月20日開催「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 


52週MDマネジメント(1月編)のダイジェスト版をアップ致しました。

  52週MDマネジメントセミナー(1月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメントセミナー(12月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメントセミナー(11月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメントセミナー(10月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメントセミナー(9月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメントセミナー(8月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメントセミナー(7月編)ダイジェストの視聴はこちら



食品商業1月号が発売されました。
1
当方の執筆は以下の通りです。
「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
  一時限目 ~ ファイブマネジメント
  二時限目 ~ 52週MDマネジメント

お楽しみください。


イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。




|

« 進化と退化 | トップページ | 食品商業2月号の発売 »

商売」カテゴリの記事

コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
 衝動買いと目的買い。
更には、一度衝動買いされたお客様が、リピーターとして再び来店され、今度はその衝動買いされた商品を目的買いに転換させていくことも重要な我々小売業の役割なのだと思うのです。そうやって、いずれお客様からディスティネーションストアとして進化していくのではないでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2023年1月 6日 (金) 12時42分

仕入と販売の風通しって大事ですね。
企業規模によって仕入と販売が分業化してしまうのでがお客様には全く関係ない事。
最近私が良く述べる「目的買い」と「衝動買い」目的買いは価格志向の部分が大きいので企業規模によるマスメリットも大きくバイヤーの大きな職務ですね。衝動買いは不要である商品を買う気にさせるのですからそこには「コト」が必要でありコトを伝えるのが現場の職務であると思います。
企業規模や特性により目的買いと衝動買いの強弱はありますし、中小企業は相対的に衝動買いに分があるのではないでしょうか。中小企業は仕入と販売の風通しは良い筈ですから強みとして活かす事が大切ですね。

投稿: dadama | 2023年1月 6日 (金) 10時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 進化と退化 | トップページ | 食品商業2月号の発売 »