ハードルを下げる
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
昨日は今月発売の食品商業1月号の記事内容であった。
今日も波多野氏の言葉を引用した。
パートさんを巻き込むために、コトPOPやエンド作り、そして販売計画立案等の権限移譲を積極的に行ってきた波多野氏であるが、その初期段階で重視したのが、ハードルを下げて飛び越えやすく設定してから迎え入れたという部分。
だから初めが肝心であるという。
得てして組織とは、初めにマニュアル等を導入して、全ての基本を学んだ次の段階から、このマニュアル通りの高いハードルを用意して、そこを飛び越えさせようとするのであるが、その逆を勧めたということである。
まずはやってみる。
そのスタンスである。まずはやってみるというスタンスは、やってみようという意欲を持たせるということであり、その意欲は自分でもできそうだという安心感によるものである。
そして敢えて失敗させてみるというスタンス。
人間は、失敗から大いに学ぶもの。
特にパートさんはその傾向が強い。
そしてなにより、パートさん一人の失敗でお店がいくら欠損するのかという問い。
たかだか一万円の欠損なら経験によるメリットの方がはるかに大きい。
だからこそ、ハードルを低くして、だれでもがちょっとしたジャンプで飛び越えられる高さに設定して、どんどんハードルを越えてみようと思わせることが重要なのだ。
私もハードルの話をする(笑)。
第一から第四のハードルを用意して、売上を分解しながらそのハードルを高めていき、最終的にはリピーターを増やしていき、客数増を図っていくという構想。
第一のハードル ~ 売場に立ち止まってもらうこと
第二のハードル ~ 次に購入して頂く為の売場作り
第三のハードル ~ 更に購入品の単価アップを図る
第四のハードル ~ 最後はリピーター作りへの施策
この四つのハードルにて、一つの売場作りを構想していくという考え方である。
まずは第一のハードルはお客様に立ち止まって頂けること。
簡単である。
しかしそれは奥が深い。
奥は深いが、飛び越えやすいという感覚が重要だ。そして分かりやすい。お客様が自分が作った売場に立ち止まるということは、データでは認識できないが、リアルにその売場にいればわかることである。
だから第一のハードルはリアルな現場でしか認識できないのである。
そして、立ち止まるところから数値が動き始めていくのである。お客様が立ち止まらなかったら、その売場の商品は売れないということである。だから、売る為にまずはお客様がその売場その商品の前で立ち止まることが何よりも重要なのである。
それを分かりやすく第一のハードルに例えたのだ。
そして物語はそこから始まるのである。だから導入部分の初めが肝心なのであり、そこを起点に商売がスタートするのである。
立ち止まったお客様が次にどう進んでいくのか。
そう考えると、第二のハードルの高さが見えてくるのである。立ち止まらないところから第二のハードルは非常に高いが、逆に立ち止まったお客様が第二のハードルを感じる高さは意外に低い。
そう考えると第一のハードルの設定が非常に重要であることがわかる。
何事も、初めのハードルという導入段階の入口をどこに設定するか。そこから全ての物語は始まるのである。
PS
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将来企業の経営幹部を育成する目的で開催される年五回の店長塾。
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6月22日開催「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
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二時限目 ~ 52週MDマネジメント
お楽しみください。
イプロス「都市まちづくり」にも、てっちゃん塾が載りましたのでご覧ください。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
昨日のzoomミーティングでも、ある方が店舗クリニックを半日じっくりと行いたいと言っていましたが、それはリアルに店内でお客様の行動を観察できるのは現場でリアルにその場にいることであり、それが出来る人間が一番の強みを持っているということなのだと思います。
だからこそ、そのお客様の行動から売場を最善の状態に修正できるし、そこから点数、単価、そして結果的に売上が拡大していくのだろうと思うのです。そして業績を改善している店舗は必ずそのステップを踏んで進化しているのではないでしょか。
投稿: てっちゃん | 2022年12月16日 (金) 23時21分
現場を動かし盛り上げるのは大多数を占めるパートさんですから。パートさん、アルバイトがやる気スィッチを押す事が店長の職務と言えますね。
如何にやる気を起こさせるのか?強いては事を仕損じる。答えは分かっていても押し付けるのは赤ちゃんに車を運転しろと言うのと同じですから。
急がは回れ、ウサギと亀のような格言や寓話は時代を超えた普遍の原理原則ですね。
投稿: dadama | 2022年12月16日 (金) 21時26分