技術の代償
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
技術。我々の業界にもいろいろな技術が存在する。
一番の技術は販売技術であろうか。
販売技術と一言で言うが、そこには更に詳細な技術が存在する。
陳列技術。
調理技術。
接客技術。
管理技術。
販促技術。
コトPOP。
等々の技術が存在し、その組み合わせによって販売力が決定されると言ってもいいであろう。
そして我々はその技術によって利益を獲得しているのである。
しかし、現場の人間はその技術による利益獲得という認識が少ない。
少ないというより「無い」に等しい。
なぜか?。
お客様は神様。
そんな錯覚を未だに持っているのが、我々の業界であり世代であるからだ。
だから儲けは売価に集約されてしまうのである。
売上 = 原価 + 利益
利益の中に「技術」が内在しているのである。
しかし、我々の業界では、技術料を利益にどう反映させるのかの統一観が無い。
いや昔はあった。
それは、職人達が、自分の技術料を商品の売価に反映させて売価設定していた時代である。
だから生鮮の利益は高かった。
堂々と、その技術を利益に反映させ、それが荒利率の高さになって、利益を獲得していた時代があった。
しかし昨今はその概念が曖昧にあってきたのである。
ディスカウンターの比較しやすい商品化と売価設定によって、より技術を擁する商品化に対する技術料という概念がすっぽり抜け落ちてしまったのではないだろうか。
再びこの業界は技術に対しての追求と反映をしなければならない。
そしてそれが、価値という強みを獲得していく残された道なのではないかと思うのだ。
思えば専門店にはその意識が高い。
だから、鮮魚の丸魚の売価設定は極端に低価格である。しかも鮮度品質は抜群である。
但し調理済商品はしっかりと技術料を入れている。
しかしスーパーマーケットには、その極端さが無い。
だから集客力も無い。
生鮮の集客力。
チラシ販促のみ。
逆に言うと、専門店はチラシも無い。
あるのは技術で利益獲得するという強い意志。
だから、技術を磨き、その技術で利益を獲得しようとするのである。
“いやてっちゃん、スーパーだってやっているよ”
しかし、それはやっているつもりなだけであり、実際にお客様に伝わっていないし、伝えるだけの技術でもないというのが現実であろう。
利益獲得に悩む一年。
それが、次年度は更に厳しい現実が待っている。
次年度は専門店の商売の仕方に学ぶ年となろうか。
PS
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
薬局の方が品出しをした自店で明らかにいつ製造したか不明なアウトパックの生鮮品であることが明確ですからね。そしておそらく部門特性という観点からは逆行する場面となるのではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2022年11月17日 (木) 20時32分
今日も一言・・・
ディスカウンターを競合視した時点で負けですよ。ディスカウンターとスーパー、特に商品価値を売りにするスーパーは付加価値を極めるべきですし、鮮度感も付加価値だと思うのです。
薬局の白衣を着た方が肉を出すのは清潔的には二重丸なのですが鮮度感、シズル感は如何でしょうか(笑)。
投稿: dadama | 2022年11月17日 (木) 20時10分
k,kさん、コメントありがとうございます。
私も以前の会社で「調理代有料化」を唱えたのですが一蹴されました(笑)。未だに鮮魚の調理技術が上がらないのは、無料で出来る調理のみしか習得しないという感度なのだと思いますが、今後はそれ以上の技術(調理も料理提案も陳列も)の技術によって、リアルな存在感を高めることが求められる時代になっていくと思いますよ。
投稿: てっちゃん | 2022年11月17日 (木) 06時17分
激しく共感いたします!御意です! 今はやって当たり前。そのぐらいタダでやれ、サービスが悪いなとの意識が当たり前になり価格に上乗せするのが難しくなってしまいました。サービスの行き過ぎで技術料が取れなくなってます。では専門店ではなぜ出来るか。はなっから考えが違うからです。他店を見て価格を合わせる事も一切しません、嫌なら他の安売りスーパーに行きな、ここは価値が判るお客さんが来るところだから。 大きな違いはココです。自店の魚に対するプライドも全く違います。スーパーではこの価値感は無理です。しかし魚の部位別価値や目利き、売り切り技術、瞬発的販売は応用できます。それを良く思わない幹部がいること、それも事実です。ただ店先でいらっしゃいと言ってるやっつけの対面販売員とこれは売る技術者だなとの違いはオーラが出るから全く存在感が違います。緻密な計算はしなくてもそれ以上の粗利を稼ぎ出す。そういうスタイルがスーパーにも訪れると良いですね~
投稿: k,k | 2022年11月17日 (木) 05時19分