« 衝動買いの考察 | トップページ | 視点の違い »

2022年10月21日 (金)

利益シフト

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


原価の高騰。

  更に全てのコスト高騰。

よって、上半期の各企業の業績は売上減、荒利激減、更に経常利益も大幅減の業績となっているのではないだろうか。

  “2019年比ではまだ余裕”

そんな評価もあるだろうが、何もしなければこの構図は永遠に変わらないであろう。

  要はアフターコロナにおける構図は変わらないということだ。

私も執筆している食品商業の10月号(9月8日発売)のメインテーマは「値上げラッシュ時代の販売強化策」であった。
ここで、野菜、果実、鮮魚、精肉、惣菜、そしてグロサリーでの荒利益獲得策がそれぞれに特集されていた。

  それだけ小売業界における荒利益の確保は急務なのである。

特にグロサリーはNB商品が主体の商品構成であり、価格比較されやすい商品群であるから、価格対応によって売り上げを落とさずに利益を獲得していくことは至難の業ではないだろうか。

  よって生鮮とグロサリーでの荒利額の獲得手法を混同してはならない。

以前にもこのブログで記したが、生鮮に関しては「荒利率」を重視した利益管理が重要である。その為にはダイナミックな荒利ミックスによる調理加工の導入による利益獲得と、手間をかけない商品に関しては薄利多売方式で荒利のミックスを図る必要があろう。このような時こそ、生鮮出身者の腕がモノをいうことになる。

  問題は高値入商品の売り方にあろうか。

そして、低値入商品と高値入商品の売場レイアウト次第で、荒利ミックスは如何様にでも変化出来ることを知らなければならない。だからこそ、売場の縦割りという基本中の基本の徹底が求められるのである。

  売場の縦割りによるカテゴリーの比較のしやすさ。

お客様が求めるカテゴリーが、縦割りでしっかりと管理された売場は選びやすい。そして選びやすさと同時に比較しやすいというメリットもある。比較しやすいから、価格差による商品の比較も容易になり、その容易さを利用して高値入商品の安さ感もお客様に伝わりやすくなるのである。

  結果として売れて儲かる商品の購買比率が高まるのである。

このように、売場とは商品の見やすさ選びやすさを図れば、同時に商品同士の比較のし易さに繋がり、結果的にそれが売れて儲かる商品の安さ感を引き出し、荒利ミックスに繋がることを知らなければならない。

  だからこそ縦割りという基本がより重要となるのである。

逆に、グロサリー群では荒利額という発想が今後の課題となるのではないだろうか。

  絶対的な荒利額を稼ぐ方針。

そこにソフトしなければ、大きな損失を被ることになるし、今後、グロサリーでの荒利額獲得への対応にお遅れをとっていくことになるだろう。

  それだけグロサリーでの荒利額獲得術はシビアとなる。

何といっても価格比較されやすい商品群。

  よって縦割り等での見やすさは逆にデメリットに繋がる。

ここで重要なのは、先日も記したが、衝動買いを誘発させることである。

  特にグロサリー商品の衝動買いの誘発である。

それによって、グロサリー部門における荒利額での予算達成、または昨年比達成を図ることに軸足を置くことが要求されるのである。
特に、売れ筋商品の値入の見直しを最優先にして、そこから店舗レイアウト上での企画コーナーや平ケースといった定番以外の売場での利益品の単品量販による荒利額獲得商品の量販が重要となってこよう。

  結果としての

    売上減 〈 荒利額増

  この構図の数を増やすことである。

このように、生鮮とグロサリーでの荒利額獲得手法の組み合わせから、店舗としての荒利額獲得を実践していくこと。

  いずれにしても年末が迫っているのである。

12月は荒利額最大の月。

  この月は絶対に失敗出来ない正念場となるからである。




PS
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  7月21日開催「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  6月22日開催「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  5月18日開催「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  4月20日開催「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 

52週MDマネジメント(10月編)のダイジェスト版をアップ致しました。

  52週MDマネジメントセミナー(10月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメントセミナー(9月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメントセミナー(8月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメントセミナー(7月編)ダイジェストの視聴はこちら



食品商業11月号が発売されました。
11
当方の執筆は以下の通りです。
「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
  一時限目 ~ ファイブマネジメント
  二時限目 ~ 52週MDマネジメント

お楽しみください。






|

« 衝動買いの考察 | トップページ | 視点の違い »

商売」カテゴリの記事

コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
そういえば、最近大手企業でもバンドル販売を目にする機会が増えましたね。点数拡大、客単価増をいろいろな手法で試みているようです。如何に自分のお店で全てを揃えて頂けるか、更にはどうせならこの際により多くの数を買い溜めして頂けるか、ガソリン高も合わせて今の時代のお買い得策をどう販売促進できるかも鍵ですね。

投稿: てっちゃん | 2022年10月21日 (金) 07時29分

生鮮はてっちゃんにお任せするとして(笑)
グロッサリーも各カテゴリーにより購買動機が異なりますから荒利高を意識するなら即食性の高いカテゴリーの高速回転が効果があるのでは?しもつかれ●●プ●のような(笑)。あのカテゴリーはその気になれば単品では生鮮並の回転率が有りますし購買率?支持率も30%程度ですからその気になれば宝の山に化けるポテンシャルは秘めているかと感じます。更にはバンドル販売で単価アップと利益額アップにもチャレンジするのも宜しいかと。何れにせよ常温のグロッサリーは腐らないですから大博打を打っても大失敗=廃棄ロス莫大とはならないのも強みですね。

投稿: dadama | 2022年10月21日 (金) 00時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 衝動買いの考察 | トップページ | 視点の違い »