もう一人の自分
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
先日、コンサル先である質問を受けた。
「部門チーフ兼副店長の辞令を受けて」
先日、そのような辞令を会社から受けたが、現状は自分の部門の仕事で目いっぱいで、とてもとても副店長としての仕事もできていないし、まして副店長とはどのような仕事をすればいいのかもわからないのですが、どうしたらいいでしょうか?」。
よくある質問であろう。
逆に、部門チーフ兼任でなくても、副店長とはどのような役割なのかを教育されずにその職に就く方も多いのかもしれない。
よく言えば都合のよい人事かもしれない。
しかし、人事としては将来的に評価したからこそ、現状の部門チーフを兼務しながらでも、なんとか将来店舗の幹部として成長してほしいという願いからの人事異動であることは間違いない。
しかし具体的に本人はどうするのか。
そのような指導であり内示を本人に通達して、本人の理解を得たかどうかが重要なのである。
そのような交互理解があるからこそその職位に目的を持てるのである。
人材や人数がいないからこそ、部門チーフ兼人の副店長という役職なのであり、しっかりと部門に人材が備わっているのであれば、兼任ではなく副店長専任の職位を与えられるのである。
そして兼任の最大の期待は後任の育成である。
まずは、自分が受け持つ「作業」の一部から、部下やパートさんに役割を分担し、部下を育成していくことからのスタートとなる。
特に作業面での役割の分担から始まる。
それは、自分ではなくてもその作業が出来る人材を育成しながら、自分がその作業から外れても、売場が維持されていけるような体制を構築していくことである。
要はもう一人の自分をどれだけ作れるかということだ。
そうやって、もう一人の自分が、いろいろな場面で役割を果たしてくれることで、少しずつではあるが、目先の部門の作業から抜けることが出来、その時間を店舗全体の売場の維持に向けられるのである。
店長とは店舗全体の全ての事実を把握することから始まるのである。
副店長も同様に、部門を飛び出し、店舗という全ての内部外部周辺の事実を把握し、そして理想の店舗の状態を如何に効率よく運営できるかという膨大なマネジメント領域に飛び込むことなのである。
その前提としてまずは自分から抜け出すこと。
そしてそれは、一人一人のパートさんまで含めて思考していかなければならないことなのである。
自分がいなくても売れる仕組み。
その仕組みが出来上がれば、黙っていても「売れる」売場を作成し、自分がいなくてももう一人の自分が商品を販売してくれることが可能となる。
それがコトPOPであり陳列技術である。
単に商品を出すことから、売れる陳列、売れる媒体の設置によって、自分がいなくてもそられが商品をより有効にお客様に伝えて、お客様の購買意欲を高めてくれる役割を果たすのである。
もう一人の自分を育てるという意識。
このような発想を持つ人材が育ては育つほどに、販売力の高い店舗が生まれていくのである。
PS
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。
7月21日開催「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
6月22日開催「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
5月18日開催「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
4月20日開催「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
52週MDマネジメント(10月編)のダイジェスト版をアップ致しました。
52週MDマネジメントセミナー(10月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメントセミナー(9月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメントセミナー(8月編)ダイジェストの視聴はこちら
52週MDマネジメントセミナー(7月編)ダイジェストの視聴はこちら
食品商業11月号が発売されました。
当方の執筆は以下の通りです。
「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
一時限目 ~ ファイブマネジメント
二時限目 ~ 52週MDマネジメント
お楽しみください。
| 固定リンク
« ファーストペンギン | トップページ | 価値の追求 »
「マネジメント」カテゴリの記事
- 5類へ向けて(2023.01.27)
- 異業種の働き方(2022.12.19)
- ハードルを下げる(2022.12.16)
- リーダー交代のリスク(2022.12.14)
コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
納得して行動するかどうかが、重要なポイントなのかと思います。そしてその納得の奥の感謝であり覚悟でありが、その本人の行動の精度を決めるのかと思うのです。いずれにしても、企業としてはその彼を抜擢した理由が彼の将来性。お互いの意思が通じ合うことで、大きな飛躍になっていくのではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2022年10月18日 (火) 08時05分
有能な選手が有能な監督になり得るか?と言えば中々難しい現実。青果担当者も有能だからこそ自らの職務に対してまだ未完成の部分を感じ、そこに全力を注ぎたいのでしょうね。
会社の都合もあるでしょうが一方的に押し付ける事は有能な人材を潰す事にもなりかねない。
将来の希望、モチベーションを上げるOJT等日頃のコミュニケーションはしっかりと行いたいですね。働き手が大切な人生の半分を誇りを持って職務に全うするに値する職場と思える組織風土が企業存続にも繋がっていく時代ではないでしょうか。
投稿: dadama | 2022年10月18日 (火) 07時14分