教育の原点
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
この業界(小売業)にとって、部下育成は将来の企業を支える人材の育成であり、いずれその人材が自分を支え、企業を背負う存在となっていくのである。
よって部下教育とは重要な上司の役割となる。
しかし現代は、部下教育とは言わない。
部下育成である。
教育というワードは、どうしても一方通行の教室型をイメージし、そしてその内容も、上司がマニュアルや自分の経験からの成功体験を一ポイ通行的に伝達して終わり、というイメージ。
しかし受け取る側には一切配慮しない。
伝えたからには、出来て当たり前。出来ない部下は落ちこぼれていけ。付いて来れる奴だけが生き残る、という戦前の発想かもしれない。
しかし、私は想う。
“いや戦前から部下育成は存在していた”
それは、山本五十六が言った言葉。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」
名言であるが、実はその後にも続くのである。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
このように、人材育成を戦前から正確に把握して言い伝えてきた名言があるのである。
いつしか敗戦とともに途切れてしまった格言かもしれないが。
私の体験談。
ある企業にコンサルに入った。
いつものように、売場を青果の入口から歩き、そして幹部や店長、そして部門チーフにいろいろと指摘していく。
「はい分かりました。今すぐ直します」
そこにいる受講生全員で、私が指摘した内容を現実に、その場で実践しようと行動し始めたのである。
私にとっても初めての経験である(笑)。
当初は、どのように実践するのかを見ていたが、私の言っているイメージと異なる改善をし始めた。
よって当然ながら私も手伝いながら改善をし直した。
結果として、私が指摘したイメージ通りにその場が改善されていくのである。
それが店内一周しながら実践していくのである。
確かに多くの指摘は出来ない。
限られた時間内で全ては出来ないから。
しかし、重要ポイントに絞って私も指摘し、それが私のイメージ通りに改善されていく。
このスピード感とリアル感。
私のイメージ通りに改善されていくわけであるから、その後の結果もある程度見通しが立つし、それでも改善しなければ私の指摘が間違っていたことになる。
逆にこちらも言いっぱなしではいられない。
だから、コンサル終了後の何かと業績報告を受けたがるようになる。
“その後どうなのかな?”
“数値は付いてきたかな”
“次はどう改善させるか”
そこからの関りが深くなっていくのである。
“この考えは店長と部下にも当てはまるな”
店長が部下に、一方的に指摘する。そして後日その事を確認する。
“まったくやってないじゃないか!”
しかし、以外にそれは発信者と受信者との意識の違いであり、受信者は発信を受けて実践したと思っていたが、発信者のイメージではなかったっから、全くやっていないとの認識となって大きなギャップを生むのである。
これがその場で共同作業で売場を改善したならば。
店長が具体的に「やってみせる」ことで、店長のイメージ通りの売場が現実の出来上がっていくのである。それも共同作業による共感を得ながら行動に移るのである。
確かに多くの実践は難しい。
しかし、確実により効果の高い部分を改善することになる。
一つでもいいから指摘事項を共同で改善する。
このことが、どれほどの部下育成になるか。
教育の原点とはこのことではないだろうか。
PS
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
まさに、部下の人生を背負う覚悟、なのだと思います。
そしてそれは、上司と部下の関係というよりは、年上と年下との関係においても、年上の部下が年下の上司の人生を背負っているという自負が必要なのではないでしょうか。そう思えば、年上の年配者がすねて仕事を投げ出すどころか、あくまでも自らの仕事観を企業へ残せるかを考えながら定年を全うするのではないかと思うのです。
投稿: てっちゃん | 2022年9月10日 (土) 15時47分
一期一会では無いですが部下から見れば配属された店舗や部署の上司次第で大きな差が生じる。特に新入社員にはその傾向が強いでしょうか。上司や先輩は自らの立ち振る舞いが部下にどれだけの影響があるのかを考えて頂きたいですね。中途退社する方々は仕事よりも人間関係で挫折する方が多いと思いますね。
投稿: dadama | 2022年9月 9日 (金) 21時38分