« 十五夜への対応 | トップページ | 演技力 »

2022年9月 3日 (土)

店舗スタディ

皆さん、こんにちは。
 小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。


店舗クリニックとはよく使われる言葉である。

  しかし店舗スタディーという言い方はしない。

なぜなら、同じグループ内で店舗を皆で見に行くということは、そのお店に対していろいろな視点からアドバイスをしてあげて、企業側店舗側に勉強してくださいというイメージがあるからである。

  だからクリニック(治療)という表現をするのである。

しかし実際には、指摘事項もあれば学ぶ部分もあるのは確か。

  特に事前にこの日をわかっていれば尚更だ。

このような場面では、どちらかというと普段の売場よりも店舗側が意識をして普段よりもいい売場を作ろうと意識することが多い。

  よってクリニック側が自店を振り返っても学ぶところが多くなるのである。

しかしそれらはあまり口には出さずに、必死にアラを探して指摘する。

  “これが俺の力だ能力だぁ~”

とばかりにいろいろな意見を言うことが、クリニック側の役割であるという認識なのである。

  確かにいろいろな意見を聞くことも重要である。

更に、一人の意見は店舗側だけではなく、クリニックに来ている全員が参考になる場合が多い。そのような意見交換をしていろいろな視点を身に付ける場としての店舗クリニックの意味が大きいのであろう。

  またそのような意見交換の場が無い店舗視察もある。

その場合は、店舗視察であり店舗MRという表現が多い。

  店舗MR(マーケットリサーチ)。

お店や商圏を調査するという意味である。この場合は数店舗の同業店舗を視察して、企業別個店別の品揃えや価格設定等を比較して、営業店舗の商売の仕方の強み弱みを探り合い、そしてその商売の仕方を自店にも取り入れようとする活動である。

  その地域で勝ち抜いている店舗から学ぶのである。

もし自店の隣の競合店と戦う上で重要な部分はどこか?。もし隣に大型店が出店したら、そのような環境で健闘している店舗をMRするし、もし隣に強力なディスカウンターが出店したら、そのような環境で影響を受けていない店舗を視察する、という具合である。

  競合店を視察する場合は「MR」という表現を使いことが多い。

それは、自店と比較して競合店の商売の仕方や品揃え、売価設定等を常に定点観測し、そこから競合店と比較して自店により多くのお客様を吸引する為に、どのような施策が必要かということを常に思考していくための競合店視察である。

  いずれにしてもエリアの競合店との関係が業績の全て。

現代では競合店の無いエリアはほとんど無いし、もしその競合店が一店舗でも存在しなければ自店の業績(売上・利益)は大幅に拡大し、企業業績を底上げすることになるから、競合対策は必須であり、競合店からお客様を吸引して自店の業績を改善することが一番の近道であることは間違いない。

  しかし視点を変えれば競合店といえでも同じ営業の仲間。

競合店から学ぶ部分も多いし、そのような視点で競合店を見なければ、自企業や自店の独りよがりな商売となり、いつしか顧客がリピーターとして再来店しないお店となって縮小均衡に陥っていくことになる。

  そんな店舗をいくつも見てきたのである。

だから、店舗スタディーなのである。

  学ぶ部分をいくつ発見し自店に導入出来るか。

自店に導入して、逆に強みとして差別化出来るか。

  これが出来たら最大の競合対策となろう。

相手の強みを潰すことになるわけであるから、相手の強みによってお客様はそのお店のリピーターとしてそのお店の屋台骨を支えてきたのであるが、その支えを失う対策を打つことが、より相手へのダメージを与えることになる。

  それが店舗スタディーなのである。



PS
競合対策セミナーのダイジェスト版をご視聴頂けます。

  7月21日開催「競合対策セミナー④」ダイジェスト版の視聴はこちら
  6月22日開催「競合対策セミナー③」ダイジェスト版の視聴はこちら
  5月18日開催「競合対策セミナー②」ダイジェスト版の視聴はこちら
  4月20日開催「競合対策セミナー①」ダイジェスト版の視聴はこちら
 

8月3日(水)開催の「52週MDセミナー」(9月編)の一部を公開致します。

  52週MDマネジメントセミナー(9月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメントセミナー(8月編)ダイジェストの視聴はこちら
  52週MDマネジメントセミナー(7月編)ダイジェストの視聴はこちら

是非、動画(YouTube)をご覧頂き、次回以降のセミナーから学んで頂ければと思います。
よろしくお願い致します。



食品商業9月号が発売されました。
9
当方の執筆は以下の通りです。
「てっちゃん流 勝てる!店長塾」
  一時限目 ~ ファイブマネジメント
  二時限目 ~ 52週MDマネジメント

お楽しみください。





|

« 十五夜への対応 | トップページ | 演技力 »

店長の仕事」カテゴリの記事

コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
私はどちらかというと、店舗クリニックと称した社内の他店舗見学でもスタディ中心に見ていました。だから指摘よりも学びの方が効果が高かったように思います。学びを自店に付加していくと、いつしか欠点も隠れてしまうのかもしれませんね。人によりますが。ただ、クリニック的な視点で他店舗を見るよりも、スタディ的視点に立った方が、自店の進化にはつながったように思います。人によりますが(笑)。

投稿: てっちゃん | 2022年9月 4日 (日) 07時51分

店舗スタディー。実践して来たでしょうか。
あまり勉強し過ぎて今は元競合店にお世話になる始末(笑)。どんどん厳しさを増す業界ですがゼロになる事は無い。終身雇用も保障されない時代。自分の身は自分で守る為にも働き甲斐に在るべき姿は追い続けたいですね。ポジティブな気持ちを持てばチャンスとか千載一遇の運は必ず降臨すると思います。自社だろうが他社だろうが。
仕事は辛くても苦しくても結果は楽しく無くちゃですよ。

投稿: dadama | 2022年9月 3日 (土) 23時55分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 十五夜への対応 | トップページ | 演技力 »