鍋つゆの合同展開
皆さん、こんにちは。
小売業界でコンサルをしている「てっちゃん」です。
いよいよ秋の気配も色濃くなってきたように思う。
まだ8月なのに。
昨今は季節の変化の急な印象を受ける。
先日まで30度以上の真夏日。
しかし翌日は20度前後まで気温が低下して、涼しいというよりもちょっとひんやりする北風が家の中に入り込む気候。
涼しいのはいいのだが・・・ 。
ちょっと激しすぎないか。とはいうものの、それも昨今の気候なのだろうと思う。
そして8月に入ってからのぐずついた気候。
なんか、寒くなるのも一気にくるのだろうか、と思ってしまう。
そして、お盆過ぎから一気に秋の気配が色気ずく店内であるが、ようやくホットメニューなり汁物を食べたくなる季節になってきたかという感慨である。
“やっぱり一年て早いなぁ~”
そう思ってしまう。そして一気に年末へ突入していくのであろう(笑)。
毎年の繰り返しではあるが。
先日、コンサル先で質問を受けた。
“青果部門入口での鍋つゆは全部門合同がいいのでしょうか”
そんな質問だった。要は各部門がそれぞれにそれぞれの売場で関連づけて鍋つゆを展開するのがいいのか、それとも全ての鍋つゆを一つの売場に収納して、そこで鍋つゆを選択していただくのがいいのか、どちらがいいかという質問だった。
「その企業がお客様にとってどちらが親切かを考えた結果で選択すべきですよ」
そう答えるしかなかった。
全ての結論はお客様にとってどうなのかの選択でしかない。
例えば鍋つゆ。入口や中ほどで一同に集めて展開する企業もある。逆に各部門が各部の商材の近くでその鍋つゆを展開する企業もある。
一堂に集めた方がお客様の選択肢に叶うのではないだろうか。
いや用途に応じてその素材に合った場所に展開すべきである。
どちらも正解である。というか、その企業が顧客優先で考えた時に、その顧客がどちらが便利かを企業側が判断して決定するから、上記のような陳列場所の違いが現れるのである。
しかし一堂に集めるほうが圧倒的に複雑となる。
では、店内のどの部門の売場で一同に集めて展開するのか?
そう考えた時の中心はだれか。
誰の判断で、責任で、一つの部門からその売場を取り上げて全部門に提供するのか、という誰かの判断が存在しなければ、その合同展開は実現しない。
それは店長しかいないであろう。
それを当たり前に考える企業と、あいくまでの縦割りを崩さないことを前提に考える企業との差が生まれるのである。縦割りを前提とした企業内で、合同展開を実現しようとすると、店長のリーダーシップが必要となる。そしてそのリーダーシップは、お客様の為という想いとその論理力によって実現可能となる。
合同で展開するのか部門毎の展開がいいのかは企業判断であるが、店内のレイアウトから合同展開を実施すると判断した店長には、相当の強い顧客の為という想いが彼を動かしているのではないだろうか。
そしてそんなお店ほどお客様の支持が高いものである。
PS
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
最近は、合同展開の売場にこそこだわりのつゆを展開してリピーターを増やしている地方スーパーが出現していますネ。そしてそんなお店ほど大手に負けない集客を誇っている。参考になりますね。
投稿: てっちゃん | 2022年8月30日 (火) 10時39分
k,kさん、コメントありがとうございます。
店内で旬の先取りをするべきカテゴリーは意外にもグロサリーだと思うのです。なぜなら生鮮は商品が収穫や漁獲されなければ売場に並ばず、旬を提案できませんが、グロサリーはいつなんどきでも売場作りが可能。まだまだ季節的には鍋の時期ではありませんが、秋をイメージさせる効果は抜群かと。但し生鮮は狭い売場で如何に効率化を図り、無駄のない売上を追求する部門ですから、作業効率から考えても生産性の上がる売場を作るべきでしょうか。そしてたらの上にコトPOPを付けて寄せ鍋のつゆを売り込むのも鮮魚担当の腕の見せ所。是非、入荷が激減する鮮魚部門の成功事例を作り上げていってください。
投稿: てっちゃん | 2022年8月30日 (火) 10時37分
店舗的には入口で合同展開が主、部門の素材による関連販売がサブと考えます。勿論部門の鍋つゆも部門売場の売上が主となりますから入口の販売数は知れてるでしょうがプラスアルファの発想で良いのかと。お客様視点では鍋つゆのバリエーションを見せる事で「鍋はこの店」の固定概念が生まれるでしょうし、各部門も鍋つゆのバラエティを知る事で品揃えにも活かせる。意外とつゆはあっても素材の品揃えが荒く作れないとのご意見もありますから。最近はマニアックな鍋も増えたので合同展開して各部門の素材品揃えの確認会も良いでしょうし、生鮮の入荷状況で今日のイチオシ鍋をアピールするのもありかと。
鍋は色々と食材を入れるので客単価アップも期待出来ますから押さえたいカテゴリーですね。
投稿: dadama | 2022年8月30日 (火) 10時31分
丁度、そのことを疑問に思っていたのでありがたい記事です。 今の現場は毎年青果と日配の間で大きな島をつくって大陳してます。鮮魚も参加はしますが・・ 実際販売数量が高いのは自部門の塩たら、蛤、つみれ等を集合販売した売り場付近ですね、選択肢が多ければ見て楽しいのですが実際は部門付近の方が売れてます、あくまで当社のみの意見です。コトPOPを集合販売の鮮魚の商品付近につけましたが、何か一人だけ整列が出来ない小学生みたいに見えたので辞めました(笑)お盆後半にグロサリエンドも一気にすき焼き汁やシチュー関連に変わって朝、出勤するとビックリしますが「ここのエンドでいくら売れる?」を考えたときに1日5個なら効率悪いので鮮魚なら考えられないな~っとも。ここの島で一日最低20点は売れないと何か間違ってると感じで手を加えてしまいます。もったいないからです。鮮魚しかやってないので解りません。見て季節の変わる様が感じられるのは素敵だなと思いますが、無駄な?先走りしすぎも同時に思います
投稿: k,k | 2022年8月30日 (火) 05時43分